第4日 〜2008.1.13(日)〜

雷電温泉郷→洞爺湖温泉

13.雷電温泉郷8:55→9:16岩内十字街(ニセコバス)530円 札幌200か18−34 日野
雷電温泉郷のニセコバス 雷電温泉郷バス停  朝起きて窓の外見る。今日も雪が横から降っている。朝食が終わってチェックアウト。雪の坂道を転ばないように、慎重に下っていく。
 バス停まで行くと、昨夜は真っ暗で見えなかったが、目の前が廃業したホテル雷電だった。バス停に立っていても、横から雪が降ってくる。傘を差しても無駄。そのまま立っているしかなかった。
 やがて、トンネルを抜けてやってきたのは、前中ドアのツーステップバス。歩道と車道の間の雪の山を乗り越えて、中ドアからバスに乗り込む。5年前の本土縦断のときは、トップドア車に乗ることが多かったから、ニセコバスも2ドア車が増えたんだなと実感する。
 バスは海沿いの道を行く。島野郵便局前バス停を出ると、雪が真横から降ってきて目の前は真っ白。まったく前が見えない。自分だったらこわくて運転できないが、バスはライトをつけてそんな中をゆっくり走っていく。こんな状態のバス停で待つようなことにならなくてよかったと、本当に思った。
 こんな状態だから、バスは予定よりも遅れている。今日は岩内か倶知安、どちらかできわどい乗り継ぎが成功しないと、予定が狂ってしまう。孫を連れたおばあさんが、孫がオシッコというので、コンビニの近くのバス停で降ろして欲しいと言って降りていく。これでは、岩内の乗り継ぎはムリだなとあきらめた。
 すると運転士さんから「倶知安方面乗り継ぎの方おりますか。ターミナルまで行かずに、次の岩内十字街で乗り換えて下さい」と放送する。どうやら、時間的にターミナルでは間に合わないので、街中で乗り換えしなよということなのだろう。お説に従い、岩内十字街で降りる。
吹雪く日本海
14.岩内十字街9:18→10:04倶知安駅(ニセコバス)740円 札幌200か11−98 日野/J−BUS(ノンステ)
岩内十字街のニセコバス 倶知安駅に着いたニセコバス  バスを降りた岩内十字街では、雪が激しく降っている。今回のバス旅で、いちばん雪が激しかったのが、結果的にはこの岩内十字街だった。真っ白で10m先の道路上が見えない。
 これでやってくるバスが見えるのだろうか。ましてや写真が撮れるのか。まあ、どうにかなるだろうと、そのままバス停で待つ。2分ほどで、雪の中にライトが見える。バスかもしれないとカメラを構える。現れたのは、前中ドアのノンステップバスだった。
 乗客はほとんどいない。さすがに、この雪だとドア近くに座っている人はいない。タイヤハウスの上に荷物が置けるので、一番前の席に座っていく。
 国富までは、多少アップダウンはあるものの開けた風景の中を走っていく。道路のアスファルトは全く見えない。進む道も白、周りの風景も白。
 国富で右折すると、トンネルや坂道が増えてきた。小沢駅前を通過する。この路線は、かつて小沢と岩内を結んでいた国鉄岩内線の代替路線。国鉄時代は倶知安までのの直通は少なかったものの、バスになった今では、全便倶知安まで行くようになった。
 その先のワイス温泉で、女性が2人ほど降りていく。温泉で働いている人なのだろうか。倶知安峠を越えると長い下り坂で、倶知安の市街地へと入っていく。道路もここから、片側2車線の広さになった。かつての終点倶知安ターミナルは廃止され、今では終点が駅前になっていた。
 駅の待合室に行くと、ちょうど10:20の札幌行き臨時特急「ニセコスキーエクスプレス2号」の改札をしている。せっかくだから入場券を買って、ホームでやってくる列車を撮影した。
倶知安駅のニセコエキスプレス
15.倶知安駅11:05→11:58留寿都(道南バス)950円 札幌200か・413 三菱
倶知安駅の道南バス 倶知安駅の道南バス  岩内での乗り継ぎに成功したので、倶知安では余裕を持って乗り継ぐことができた。ニセコバスは駅前のロータリー発着だが、次に乗る道南バスは駅の脇に車庫と待合室もある屋根付きの乗り場があった。
 外は寒いので、しばらく待合室で待つ。ストーブが焚かれていて暖かい。壁に板を打ち付けてあるところがあった。たぶん、ここはトイレだったのだろうという雰囲気だ。今は、道南バスにトイレはなく、JRの駅舎まで行かなければいけないようだ。
 やがて「ルスツ高原」と行き先を出したバスが据え付けられた。まだ発車まで時間はあるが、写真を撮ってから乗り込もう。発車までに乗り込んだのは2人だけ。ルスツ高原へのスキーリゾート客はいない。
 まずは、国道5号線をニセコへ向かう。倶知安〜ニセコはニセコバスも走っているが、ニセコの街中の経路が違う。ニセコの街では国道を離れ、役場の前を通って、郵便局などがあるメインロードの本通りを行く。道の駅「ニセコビュープラザ」は、駐車場の中にバス乗り場があった。
 そこからは、道道66号線をひたすら走り、真狩村を通って留寿都村へと向かう。晴れていれば、雪景色の羊蹄山がきれいなのだろうけれども、今日は雪雲がかかっていて、景色は全く見えない。それでも、バスが走っている最中に、ごくわずかな時間、雲が切れて灰色の空が破れて、ぽっかりと青空をのぞかせることもあった。
 途中では、スノーモービルを楽しんでいる人の姿も見えた。乗り物だけに興味をひかれるけれども、今日は路線バスの旅。本数の多い路線ではないので、そのまま留寿都へと向かった。
スノーモービルをする人たち
16.留寿都12:50→13:10とうや水の駅(道南バス)680円 札幌200か14−67 日野
留寿都の道南バス ちょっと変わった押しボタン  留寿都村は、道内でも有数のソバの産地なのだという。それなら、昼食は蕎麦をと思っていたのだが、開いている店は少ない。ようやく「手打ちそば しらかば」という暖簾を見つける。
 間違いなく地元のソバということで、冷たい盛りそばと暖かい肉ソバを1つずつ頼む。いやぁ、どちらもなかなかおいしかったですよ。
 さあて、問題はここから洞爺湖までのバス。ローカル便は13時過ぎの1本だけ。あとは、札幌と洞爺湖を結ぶ特急バスしかない。特急バスも留寿都から乗車可能なのだが、道南バスのウェブサイトによると予約制とある。もちろん、予約などしていない。
 札幌方面の待合室がある「はた商店」には、「道南バス・じょうてつバス乗車券発売所」の文字が見える。じょうてつバスはしばらく前に撤退してしまったが。お店の方にうかがうと「予約なしで大丈夫。ほとんど乗ってないからね」とのこと。その言葉を味方に、洞爺湖方面の乗り場で待つ。
 やがて信号待ちで停まった観光バスかと間違えるようなハイデッカーがバス停に止まった。これが洞爺湖行きの特急バスだった。ウェブサイトにはバスカード利用不可とあったのだが、しっかりカードリーダがある。「カード使えるんですか」と聞くと「使えますよ」とのこと。ウェブサイトにある予約制、カード不可はうれしい方向に裏切られた。
 お店の方の言葉通り、乗っていたのはお母さんに連れられた子ども3人だけ。確かに空いている。バスは国道230号線を快調に走っていく。廃墟として有名なマザー牧場のホテルを右手に見て、その先で洞爺湖への下り坂へと左折していった。キラキラ輝く湖面が見えてきた。
洞爺湖の湖面がまぶしい
17.とうや水の駅13:22→14:10洞爺湖温泉(道南バス)830円 室蘭200か・・50 日デ/富士重工
とうや水の駅の道南バス とうや水の駅バス停  湖岸にあるとうや水の駅で乗り換える。先ほどの特急バスに乗っていけば、温泉街の洞爺湖ターミナルに行くのだが、あのバスは湖岸を走らない。湖岸を走るのはローカル便ばかりで、反時計回りに湖岸を行く月浦経由が5本、時計回りに行く東湖岸経由が3本しかない。
 先ほどの特急バスに乗れたおかげで、その数少ない東湖岸経由の洞爺湖ターミナル行きに乗り継ぐことができるのだ。「とうや水の駅」と行き先を出したバスがやってきた。室蘭ナンバーだ。後志支庁から胆振支庁に入って、ナンバーも変わったようだ。ちょっと間があって、行き先を「洞爺湖温泉」に変えて乗車開始。乗ったのは自分だけだった。
 とうや水の駅をでて洞爺湖温泉まで、洞爺湖をほぼ3/4周走るバスだ。ほぼ全区間、右手に洞爺湖を眺めることになる。ときどき雲が切れるのか、湖面が深い藍色に見えるところが何カ所かあった。湖の大きさと天候のせいもあって、なかなか対岸まですっきり見えるところはなかった。
 バスは湖の南東部分まで行くと、いったん壮瞥町の中心地、旧国鉄胆振線の壮瞥駅まで寄り道をする。そこまで行っても、残念ながら乗客はいなかった。
 再び来た道を走って湖岸まで戻る。今度は、洞爺湖の南岸を走って、いよいよ温泉街へと向かっていく。洞爺湖サンパレスを過ぎると、壮瞥町から洞爺湖町にはいる。すると、いきなり温泉旅館やホテルが建ち並ぶ風景になった。温泉街を走り抜け、少し湖岸から上ったところが、道南バスの洞爺湖ターミナルだった。
右手に洞爺湖の湖面を見ながら走る
18.駅前桟橋15:00→15:40駅前桟橋(洞爺湖汽船)1200円(優待券) エスポアール
双胴船エスポアール 乗船券  今日宿泊するホテルまで、雪の歩道を歩いていく。ホテルのすぐ近くにあったバス停は櫻町。ポールの時刻表を見てみると、あれ、明日乗る予定のバスが載っている。
 知らなかったのだが、壮瞥方面からのバスは洞爺湖ターミナルが終点。洞爺駅や札幌からのバスは、ターミナルを通って東町サンパレスが終点。ターミナル〜サンパレス間の温泉街は、どちら方面のバスも通るのだ。それを知っていれば、先ほどのバスを櫻町で降りたのに。
 ホテルのフロントで、観光船の割引券をもらって観光船の桟橋へ行く。バスターミナルからまっすぐ湖岸に行ったところで、駅前桟橋というらしい(JTB時刻表には温泉桟橋とあったが)。乗船券を買うと、1320円が1200円と割引になった。
 待っていた船は「エスポアール」という船名の双胴船。観光バスが何台も着き、続々と団体さんが乗ってくる。個人の乗客や日本人の乗客は数えるほどしかいない。しかし、彼ら彼女らのパワーはすごい。テーブル席につくやいなや、景色そっちのけでお菓子の袋を開けて配り始める。
 しばらくいたが、客席を退散してデッキで風景を眺める。冬季は寄港しないため渡れない中島が、すぐ目の前に見える。さすがにエゾシカまでは見えなかった。
冬は寄らない中島

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