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第8日 〜2002.5.5(日)〜

浜田駅→三次営業所

48.浜田駅6:50→7:48江津市役所(石見交通)1060円 島根22き16−20 三菱/新呉羽
浜田駅前の石見交通  今朝は二段構え。早起きできたら6:50の有福温泉経由で江津へ。ダメだったら7:23の国道経由で江津へ。今回は、鉄道とは違った風景を眺めたいということもあって、できれば山の中を通るバスに乗ってみたい。願いが通じたか早起きできたので、有福温泉経由に乗っていこう。運転士さんにその旨伝えると「遠回りだしお金もかかりますよ」という。承知の上だからといって乗り込む。
 バスはしばらく国道を走ってから、山側の温泉への道に入っていく。谷間の道の頭上はるか高いところには、平成15年開通と書かれた江津道路の橋が架かっている。
 浜田市立宇野小学校の木造校舎を眺める。しばらく行くと、細道で広島行きの高速バスと行き違う。こんな山の中で高速バスとはと、ビックリしてしまうほどのロケーションだ。やがて江津市に入り、有福温泉に到着。ここで、折り返して今度は江津へ向かう。
 温泉から出た道を右折すると、きわめつきの細道になった。その道の途中にあった江津市立跡市小学校は、校舎ばかりか体育館まで木造だった。この辺りの学校は、まだまだ木造建築が健在なのかと、なんだか懐かしい思いがした。
49.江津市役所8:24→9:14仁万駅(石見交通)880円 島根22き19−63 三菱
江津市役所の石見交通  何もない江津市役所バス停で待つこと30分以上。ようやく、次に乗る大田市立病院行きがやってきた。このバスは、今まで乗った石見交通とは違い、床が樹脂製になっていた。
 発車して次の停留所が江津駅。しかも、いったん駅前のロータリーに入って停車する。こんなことなら、始発の江津市役所バス停にこだわらず、前のバスを駅前まで乗っておけば、ベンチで休むこともできたのに。
 今度のバスも極め付きに空いている。しかも、小さな集落に寄ることもなく、たんたんと国道を走っていく。浅利海水浴場入口バス停などは、山の中腹にある国道沿い。海などまったく見えない林の中だ。そんな林の中に1本の砂利道がある。あそこを歩いて下っていけば、海水浴場があるのだろうか。
 そんなバスでも、比較的大きな駅だけは駅前に寄るようで、温泉津では線路の裏を走る国道から、ぐるっと回って駅前に寄った。そして、降りる予定の仁万でも駅前に入る。国道沿いにある仁万駅口バス停からは、サンドミュージアムが近い。しかし、次のバスの始発の駅前までとりあえず行ってみよう。そうしたら、駅はまだ2つ先でしかも運賃が上がってしまった。
見学 仁摩サンドミュージアム
サンドミュージアム 1年計の砂時計  次のバスまで2時間以上あるので、仁摩町のサンドミュージアムに行ってくる。駅名は仁万だけれども、町名は仁摩という字を使っている。
 ここは巨大なガラスのピラミッドのような建物で、その名の通り「砂」に関する博物館なのだ。仁万駅のひとつ江津寄りの馬路駅近くに、琴ヶ浜海岸というところがある。ここは砂浜を歩くと、キュッキュッと音がする「鳴き砂」で有名なところなのだ。
 館内はその琴ヶ浜の砂を使った砂の芸術コーナーがあったり、頭上には巨大な1年計の砂時計などがあった。この砂時計、毎年大晦日の深夜0時に年男年女が円形のフレームについた綱を引いて回転させるのだという。琴ヶ浜の鳴き砂をテーマにした映像コーナーなどもあり、知らなかったことをいろいろ勉強することが出来て、けっこう楽しめる。
 その中でもおもしろかったのは、山陰各地の海岸の砂を集めたコーナー。地図上に両面テープを貼って、その海岸の砂をまぶすと、海岸の実物の砂入り地図ができるというものだ。1枚作ってみると、海岸によっては白い砂もあれば、真っ黒に近いところもある。
 ここで1時間半以上楽しんで、再びバスの始発地点の仁万駅へと戻った。
入場券
50.仁万駅11:35→11:57龍源寺間歩(石見交通)510円 島根22い・190 三菱
仁万駅の石見交通 車内のビデオ  駅に戻ると、「石見銀山(間歩)」と行き先を出したマイクロバスが停まっていた。これが、次にのる龍源寺間歩行きのバスだ。外板にはいろいろなイラストが描かれている。乗車する側は、梅と羅漢と大森代官所だ。見た目も塗色も先ほどまでのバスとはまったく違うが、これも石見交通の路線バスに間違いない。
 最初乗客は自分だけだったが、そのうちに6人ほどのグループがやってきて、狭い車内はにぎやかになった。ゴールデンウィークの観光路線だもの、これくらいのにぎやかさがないと寂しい。
 発車してしばらく行くと、運転席後ろのモニタから、大森銀山に関するビデオが流れ始める。とりあえず、1回目は見たけれどもエンドレスなよう。ビデオはありがたいけれども、景色の方も気になってしまい困ってしまう。
 同じビデオを2回見ることはないので、車窓の方に注目する。やがて、つづら折りの急坂を登っていく。登り切ると狭いトンネルがあった。それを抜けると、一気に大森の街中に出てきた。大森代官所跡バス停で、6人グループが降りてしまうと車内は貸切になってしまった。
 でもその先の大森バス停から、自家用車を置いた家族連れが乗ってきた。そして、ここから先がとても細い道だった。この先、駐車場はないと書かれていても、先へ行く自家用車が多い。案の定、引き返してくる車と、狭い道に停まっては、ぎりぎりで行き違いをする。
 マイクロでもやっとの道を通って、かつての坑道跡、龍源寺間歩バス停に到着した。でも間歩の入口はまだ少し登ったところなのだとのこと。
終点に近づくマイクロバス
見学 龍源寺間歩
龍源寺間歩の入場券 龍源寺間歩の入口  バスを降りて、三叉路をまっすぐ上へと登っていく。しばらくいくと、小さな川の向こうに入場券を売る小屋が見えてきた。
 入場券を買うと、間歩の中(坑道内)は狭いため見学コースは一方通行になっている。出口は反対側になるからとの説明があった。
 銀の採掘坑道である「間歩」は、現在でもいくつも残っている。この「龍源寺間歩」をはじめ、「釜屋間歩」、「新切間歩」、「新切間歩」、「大久保間歩」、「福神山間歩」、「本間歩」の7つが国の史跡にしていされているが、一般に公開されているのは龍源寺間歩の一部分150mだけなのだという。
 入っていくと、今でも当時のノミの跡が残っていたりする。そんな坑道の途中で、右や左に坑道が分かれていく。この枝のような坑道が採掘坑道だとのこと。鉱脈が見つかると、この主たる坑道から枝分かれさせて採掘坑道を掘ったのだという。鉱脈にあわせて掘るから、水平ばかりではなく斜めに掘った坑道もあった。
 途中から新しいトンネルになる。狭い坑道を一方通行で抜けるために掘ったトンネルだ。ちょうど山の反対側に出た格好だ。そのまま、目の前の道を下っていく。
 坂道を下っていくと、やがて三叉路に出た。そこは先ほどバスを降りた、龍源寺間歩バス停のところだった。
龍源寺間歩の入場券売り場
51.龍源寺間歩12:57→13:05大森代官所跡(石見交通)200円 島根22い・190 三菱
代官所跡に着いた石見交通 龍源寺間歩バス停  龍源寺間歩バス停にはバスが転回できるだけのスペースはない。やってきたバスは、この三叉路を使って切り返しながら方向転換した。わずかな空き地もこの切り返しのためのもので、違法駐車されないように係の方がロープを張ってやってくる自家用車を断っていた。
 帰りも対向車が多く、通行は困難を極めた。途中で3台連続でつっこんでくる乗用車もあった。バスが下がってよけられる場所はなく、3台の乗用車が1台ずつバックして、ようやく行き違いができた。
 バスは仁万駅行きだけれども、今度は大田へ行くので、大森バス停から大森代官所跡バス停までの間で降りなければならない。けっきょく土産物屋が目の前にある大森代官所跡バス停で降りることにした。
 そして土産物屋で、炭火で焼きたての団子を買って、すこしは観光地へ来た雰囲気を味わったのだった。本当は代官所跡も見学したいのだけれども、今日は時間切れ。またの機会にしよう。
52.大森代官所跡13:38→14:05大田バスセンター(石見交通)580円 島根22き19−63 三菱
代官所跡の石見交通  道路は自家用車で混んでいたものの、バスは定刻にやってきた。先客は折りたたみ自転車を持った女性が2人。後ろの席に座っていたので、私は前の方に座っていく。どこかで見た覚えのあるバスだと思ったら、今朝、江津から仁万まで乗ったバスではないか。大田に着いてから、今度はこの路線に入ったのだろう。
 途中で乗ってきたのは、おじさんが1人だけ。またしても、空いたバスだ。途中で太田市立病院に寄り道するものの、ゴールデンウィーク中の日曜日では利用者があるわけもなく、敷地の中をぐるっと一周して戻ってくる。
 その先で国道を越えて、短い坂を下ると商店街が続く。かなり長く商店街が続いている。そして、その商店街を抜けたところが、大田駅前だった。ここで、自分以外の乗客はすべて降りてしまった。
 さてこのバスの終点であり、次のバスの始発地点である大田バスセンターは、どこにあるのだろう。何のことはない、駅前の道路を横断した、ちょうど駅の向かいが終点の大田バスセンターだった。
53.大田バスセンター14:30→15:42粕淵駅(石見交通)1100円 島根22き17−84 三菱
大田バスターミナルの石見交通 三瓶山を行く石見交通  ここから赤名というところまで行く。15時半にJRバスがあるのだが、まもなく途中の粕淵というところまで、三瓶山を通っていく石見交通がある。このバスは35分も早く大田を出るのだが、粕淵での差は10分しかない。
 詰め所の前で一服しながら休憩している運転士さんにたずねると、たしかに車は多いけれども10分までは遅れないだろうとのこと。よし、三瓶山経由に挑戦だ。
 国道375号線をしばらく走り、物部神社というところで左折して、三瓶山への県道に入る。それほど急な坂ではなく、だんだんと高度をかせいでいく感じ。池田という集落でおばさんが2人乗ってくる。運転士さんと知り合いのようで、これから温泉に行くようだ。
 西の原というところで景色が一変する。一面の草原なのだ。阿蘇の草千里よりは狭いが、これほどみごとな緑の草原はあまり見たことがない。ポール遊びをする家族や柵の中の馬を車窓に見ながら、バスは草原を走っていく。
 やがて草原が終わり、右に曲がったところでおばさんたちは降りていった。何でも今は旧温泉街へ行く人は少なく、ほとんどが国民宿舎か簡保の宿に行く人が多いという。おばさんたちが降りたのも、国民宿舎さんべ荘の前だった。
 ここからは道が狭くなる。旧温泉街は、道が鍵型に曲がったところもあり、雰囲気はなかなかいい。その温泉街を抜けると道はいっそう狭くなり、車1台がやっとになってくる。運転士さんは「今日は車が多いな」という。なんでも、広島方面への抜け道として利用する人が増えたとか。
 ところどころで停まりながら行き違いをして、山を下っていく。
粕淵駅に着いた石見交通
54.粕淵駅15:49→16:19赤名(中国ジェイアールバス)850円 島根22き19−74 いすゞ/IK COACH
赤名に着いたJRバス  大田での運転士さんの話の通り、前のバスは5分遅れただけで、粕淵駅に到着した。これで、赤名行きの最終に間に合う。平日ならば、この後にもう1本あるのだが、休日の赤名行きは1日2本しかないのだ。
 JRバスはバスターミナルの向かいにある太田市駅が始発。ここまでかなりの距離を走ってきたにもかかわらず、定刻に1分遅れただけでやってきたバスは、駅前広場に入ってきた。手を挙げると、運転席の窓を開けて「赤名だよ、乗るの」という。乗りますと行って乗車口へ向かう。先客は老夫婦だけ。青い座席に白いカバーと、やっぱりJRバスはこうでなくちゃという車内だ。
 乗っていた老夫婦も粕淵の駅の先で降りてしまった。浜原駅前、沢谷駅前とJR三江線沿線を過ぎると、あとは山の中。ところどころ、改修が進んでいるところもあるが、大半は川沿いの曲がりくねる細道。
 信号もない交差点で、国道54号線に入る。その先で、ようやく粕淵駅を出てから初めての信号機があった。本当にここまで信号機がひとつもないなんて。いったいどんな道だったのだろう。30分ほどで、赤来というところにある赤名駅に到着した。
55.赤名17:46→19:04三次営業所(広島電鉄)990円 広島22く30−76 日野/西工
赤名駅 ぼたん園  赤名はバス駅。出札窓口のおばさんが「荷物を見ていてあげるから、裏のぼたん園を見てきなさい」という。せっかくだから、お言葉に甘えてバスの時間まで行ってくる。
 ここから広島県の三次へ行くJRバスのローカル便は、今日はもうない。ただし、広島行きの高速バスが、三次までは一般道を行き短区間利用もできる。ただし、座席の予約は2県にまたがる長距離利用に限られていて、短区間利用は空席があればというシステムだ。17:33に松江からの「グランドアロー」、17:51に出雲市からの「みこと」があるから、どちらかには乗れるだろう。
 「グランドアロー」が10分ほど遅れて到着。広島までの予約客を乗せてから、運転士さんに「三次までですけど、乗れますか」と聞く。車内を見回って「どうぞ」の声がある。乗ってみると、座席の枕カバーに小さなポケットがあって、そこに「指定席」という札が入った席と何もない席がある。何も書いていない席なら座ってよいということなのだろう。トイレの後ろに細めのお兄さんが1人で座っていた席の隣は何も書いていない。一言「三次までですから」と断って座る。
 赤名を出てしばらく行くと、赤名トンネルに入る。ここを抜ければ広島県だ。やがて道路は渋滞になり、ノロノロ運転になる。道の駅「ゆめランド布野」で休憩。「すでに20分遅れていますので、10分たったら発車します」とアナウンスが入る。
 その後もノロノロ運転。ホテルの予約時チェックインは20時まで。それに間に合わないときは必ず連絡を、といわれていたので少々あせる。車窓に尾関山の文字が見えるから、三次はもうすぐなはず。定刻ダイヤに遅れること1時間。ようやく備北交通の三次営業所に着いた。
赤名の広島電鉄バス

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