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第12日 〜2002.8.12(月)〜

宇和島駅→堺町(はりまや橋)

76.宇和島駅6:42→8:27宿毛駅(宇和島自動車)1750円 愛媛22か18−46 三菱/新呉羽
宇和島駅の宇和島バス 愛媛・高知県境  旧盆期間中だが、今日は平日ダイヤとのこと。それなら6時台のバスが運転されるはずと、早起きしたのだった。
 2分ほど遅れてやってきたバスは、前中ドア。入口の中ドアを入ると、階段が普通のバスより一段多い三段ある。そして座席はリクライニングシート。これがワンロマ車というものなのだろう。営業所始発なのか、すでに後ろの方には大きな荷物を持ったグループが陣取っていた。
 なんとなく、宇和島から宿毛まで、ずっと海が見えるのではという思いがあるのだが、実際はそんなことはなかった。延々と山の中を走っていき、ようやく海沿いに出たのは宇和島を出てから40分。嵐というバス停に着いてからだった。そこからは、朝の海を眺めたり、また山の中に入ったりと、景色は変化に富み目を楽しませてくれた。
 だいたいが国道を走っていくものの、比較的大きな街は、その街中に入っていく。まずは海の上にロープウェイが架かる御荘で、市街地に入っていく。高校もありこの辺りでは大きな街のようだ。その隣が城辺町。昨日、道後で見た急行バスの行き先が、この城辺なのだ。夜行高速バスも城辺行きというのがあるから、愛媛県南部の交通の要衝なのだろう。立派なバス駅があり、このバスもここで休憩となった。
 次の一本松でも、脇道に入っていく。一本松を過ぎて、トンネルを抜けると、次の停留所は「県境」。まさしく、愛媛・高知県境で、そこを過ぎると高知県に入った。高知県に入ると、宿毛まではそれほど時間はかからなかった。終点の宿毛は市街地にあるという。今回はそこまで行かず、町外れの宿毛駅でバスを乗り継ぐために降りた。
宿毛駅に着いた宇和島バス
77.宿毛駅9:02→10:00海底館前(高知西南交通)1470円 高知200か・・・9 日野(ワンステ)
宿毛駅の高知西南交通 撮影を失敗した正面  ここからはバスも高知の会社に変わる。バスは2分ほど遅れてやってきた。始発ではないから、すぐ発車してしまうのではないかと、あわててシャッターを押したら、みごとに撮影失敗。
 乗車したのは、海岸経由の清水バスセンター行き。ワンステップバスで、まだ新しいようだ。すぐに宿毛湾の青い海が見えてくる。しかも、それもわずか。すぐに山の中に入ってしまった。
 その後、山の中をずっと走っていく。ところが突然、本当に突然目の前がパッと開けて、太平洋が目の前に広がった。バスは海に突き当たると左折して、その後はずっと右手に太平洋を見ながら走っていく。海まで崖が迫っているところはトンネルで抜ける。トンネルを抜けると、小さな集落がある。そんな景色を繰り返していった。
見学 珊瑚礁と竜串、見残し
グラスボート乗船券 竜串  せっかくここまで来たからには、観光をしていこう。海底館前というバス停の通り、足摺海底館という海中展望塔が近くにある。しかしながら、それよりも対岸の竜串という奇岩のある海岸に行ってみたい。
 グラスボート乗り場へ歩いて行くと、土産物屋のお姉さんが「グラスボートに乗るんなら、荷物預かっておいてあげるよ」と声をかけてくれる。それではと、荷物を預けて乗船券を買う。そのまま行くと、乗船場はすぐそこだった。
 乗船するのは小さなグラスボート。中央部の船底が強化ガラスで出来ていて、海底を眺められるようになっている船だ。出港してすぐに、海底に珊瑚が見えてきた。それほど遠くない海底に、これほど珊瑚があるとは思わなかった。もっと沖合まで行くものだと思っていたのだ。
 その後、見残しに上陸。降りるときに「帰りの船を間違えないで下さいね」と言われる。ここには、たつくし海中観光と竜串観光汽船の2社の船が着く。出港地点の違いで、このそれほど広くない観光地に2社が観光船を運航しているのだ。
 遊歩道は、初めこそきちんとした道だったのだが、途中から海沿いの岩の上に矢印が書いてあるだけになった。これが本当に遊歩道なのと感じてしまう。細かい穴の空いた岩が一面に広がっていたり、茶色い珠のような岩が灰色の岩にめり込んでいたり、確かに不思議な海岸だ。
 一番奥まで行って、帰りは山の上を通る遊歩道を通って乗船場まで戻った。
珊瑚礁
竜串側乗船場
78.海底館前12:39→13:01清水バスセンター(高知西南交通)620円 高知22き・299 日野
海底館の高知西南交通  竜串見学も終わって、レストハウスで昼食。あまり選択の余地はなく、簡単に丼ものを注文してバス停に向かう。
 やってきたのは、普通の前中ドアのバス。床が木製なのが、ちょっとなつかしい雰囲気。でも、それほど古い車とは思えない。
 バス停ごとに乗ってくる人がいる。これはけっこう意外。途中で土佐清水のフェリーターミナルに寄る。大きなフェリーが停まっているが、この時間に出港するフェリーはないようだ。
 座席がほぼ満席になって、土佐清水の市街地に入っていった。終点の清水バスセンターを告げる放送が流れた。ところが、郵便局の先で左折して細い道に入っていく。バスセンターはそんな奧のわかりにくいところにあるのかと思ったら、そうではなかった。デパートの建物の一辺がバスセンターになっていて、一方向からしか入れないのでぐるっと回ってきただけだった。
 清水バスセンターを越えて乗車する場合は、運賃の乗継割引があるという。対象は、中村駅方面と大浜経由の足摺岬方面。でも今回は、割引はないが本数の少ない窪津経由の足摺岬方面のバスに乗ろうと思う。
79.清水バスセンター13:20→13:54足摺岬(高知西南交通)820円 高知22あ・655 日野
清水バスセンターの高知南西交通 足摺岬灯台  やってきたのは、リエッセ。小型の路線バスだ。ほぼ満席で清水バスセンターを発車した。けっして乗客が少ないわけではないのに、こんな小型バスで運転されているということは、相当狭い道を走るのだろう。
 足摺岬までの道は、半島の東岸を行く窪津経由。西岸を行く大浜経由。そして山の上をいくスカイライン経由の3本ある。かつては、すべてにバスが走っていたのだが、今ではスカイライン経由のバスはなくなってしまった。道は一番よいのだけれども、人家がないのだという。
 まずは、清水の市街地を走っていく。中村駅方面は左へ曲がるが、このバスはそのまままっすぐ足摺岬方面へと向かう。右手に清水港が見えてきた。その清水港が終わりになりそうなところで、左折して半島の反対側へ向かっていく。
 グリーンハイツという住宅地を過ぎて坂を下ると、ようやく海が見えてきた。ここからは、進行方向左手に海を見ながら、半島左側の県道を走っていく。
 その先にある、経由名にもなっている窪津を過ぎると、とたんに道が狭くなった。リエッセでもやっとという細道が続く。あれだけ乗っていた乗客も、窪津までに大半が降りてしまった。道が狭いこともあるが、利用客が多いのは短区間ということも小型バスで運転する理由なのだろう。
 そのうち、聞き取れない放送が入る。何と言ったのだろう。運賃表示器を見ると「マホーランカーブ」とある。えっ、いったい何なんだ、この名前は。その先には「大カーブ」。交差点とか四つ角というバス停はあるけれども、カーブが名前になったバス停とは恐れ入った。何でも、マホーランとは竜舌蘭の一種の植物だとか。
 バスは足摺岬センターまで行くものの、灯台に近い足摺岬バス停で降りて、灯台を見学することにした。天気もよく、青空に白い灯台が映えていた。
マホーランカーブ
大カーブ
80.足摺岬14:30→16:15中村駅(高知西南交通)1930円 高知22き・226 日野
足摺岬の高知西南交通 足摺岬バス停  今度は大浜経由のバスに乗ろう。バスの本数はこちらの方が圧倒的に多い。窪津経由が4往復半しかないのに、こちらは10往復もある。足摺岬と清水を結ぶメインの路線だ。しかも大浜経由は、足摺岬センターを通ってこの足摺岬バス停が終着・始発だから、確実に座っていける。
 バス停で待っていたバスは、中型のバス。やはりこちらの方が、道路もよいのだろう。フロントガラスの下には「キビナゴ号」と書かれた、円形のステッカーが貼ってあった。そういえば、今朝宿毛駅から乗った黄色いバスにも「ジンベエ号」というステッカーが貼ってあった。それぞれ、カラーでその魚のイラストが入っていて、ブルートレインのヘッドマークみたいでなかなかいいではないか。ただ、すべてのバスに着いているというわけではなさそうだ。
 大浜経由は道もよいに違いないと思ったのだが、そうではなかった。2車線あったのは、スカイラインとの分岐点の少し先まで。そこからは、バス1台がやっとの細道になる。なぜ、こちらがメインなのかというと、集落の多さだろう。小さな集落が、次から次へと続いているのだ。海岸沿いまで下るところは少なく、ほとんどが崖の中腹を走っていくような感じだ。
 ようやく清水バスセンターまで戻ってきた。このバスはこのまま中村駅まで行くので、そのまま乗っていく。清水バスセンターからの乗車も多く、座席はほぼ満席になった。スーパーの買い物袋を持っている人もいるから、全員が駅までというのではなさそうだ。
 中村駅までは、まだまだ距離がある。今朝も7時前からバスに乗り、見残しで遊歩道を歩いて疲れからか、いつしかうとうとしてしまった。気がつくと、バスは四万十川の堤防を走っていた。
キビナゴ号
81.中村駅16:30→19:46堺町(高知県交通)2440円 高22か・886 日デ/富士重工
中村駅の高知県交通 海岸沿いを走る  今日、最後に乗るのは、中村駅から高知港へ行く特急バス。大阪方面へのフェリーに接続する1日1本のバスだ。かつては、足摺岬から運行されていたのだが、今では中村駅始発になってしまった。足摺岬発だったころは、唯一スカイライン経由で運行されていたとのこと。
 1日1本だから、ガラガラかと思っていたのだが、中村駅ですでに4名乗っている。入野本村や佐賀温泉では、4人ずつのまとまった乗車があった。どの人たちも、それなりの大きなバッグを持っていたから、フェリーへ乗り継ぐのだろうか。佐賀で今まで見えていた太平洋ともお別れして、山の中に入っていく。
 窪川町と中土佐町の境界になる七子峠ということころでトイレ休憩があった。バスは峠にある「なゝこ茶屋」の前に横付けになった。この時間を使って、写真撮影をする。車体には大きなハイビスカスの花が描かれた、特急バスの専用車両のようだった。
 この先の峠下りはなかなかの圧巻。下の方に見える久礼湾に向かって落ちていくように、カーブを切りながら坂を下ったのだった。高知というところは、山が海まで迫っているところが、意外と多いというのが今日の実感だ。
 土佐市から渋滞になり、バスは遅れ始める。ようやく春野町で渋滞を抜ける。朝倉駅前で、土佐電気鉄道伊野線を見る。その先の鏡川橋を渡れば、土佐電気鉄道の路面電車と一緒に国道を走っていった。
 今日が「よさこいオリンピック」の最終日とかで、高知の市街地には人があふれている。はりまや橋の西側にある堺町バス停には、13分遅れで到着した。
休憩する高知県交通

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