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第53日 〜2003.8.22(金)〜

浜頓別→宗谷岬

353.浜頓別8:22→10:39汐見町5丁目(宗谷バス)2070円 旭川22か11−39 三菱
浜頓別の宗谷バス 鬼石別の宗谷バス
鬼石別の村営バス  今日はいよいよ宗谷岬ゴールの日だ。家族も今日だけはと、千葉から駆けつけてくれた。浜頓別から宗谷岬への最短経路は、このバスで声問まで行って、大岬行きに乗り換えればよい。でも、それではおもしろくない。その前に稚内市街地の北端、ノシャップ岬に寄ってきたい。
 やって来たバスは、昨日乗ったのとは違い冷房車で、大きく「車内全席禁煙」の表示がある。国道では、相変わらず昨日から牧場が広がっている。
 やがてバスは国道を左折して、猿払の集落へと向かっていく。猿払バス停がかつての駅だったようで、そこからしばらくは線路跡らしい道路を走っていく。猿払村の中心地、鬼志別からは旧天北線跡にそって内陸部を行く。
 その鬼石別ターミナルでしばしの休憩がある。運転士さんも下車して休憩する。このバスの前には、猿払村営バスが停まっていた。
 鉄道時代、小石〜曲渕間は途中に信号場のない駅間としては最長だったところ。バスになって途中に停留所はできたのだろうか。結果はノーだった。小石停留所の次は、曲渕停留所。運賃表に曲渕が表示されると、一番安い運賃は570円を示していた。
 この曲渕から稚内市に入る。すると、だんだんと乗ってくる人が増えてきた。とくに、声問を過ぎると市内線の補完もしているから、かなりの人が乗ってきた。
曲淵の運賃表示
オホーツク海と牛
354.汐見町5丁目10:45→11:11ノシャップ(宗谷バス)240円 旭川200か・・26 日野
宗谷バスの市内線 ノシャップバス停  前のバスを汐見町5丁目で降りたのは、ここから先は市内線が頻発しているからだ。もちろん、稚内駅前まで乗っても乗り継げるのだけれども、せっかくだからその始発地点を眺めてみたかったのだ。
 その市内線の中から、汐見町5丁目〜ノシャップ間を通しで乗ってみることにする。やってきたバスは3扉で、その全部が折り戸。とくに中ドアは狭い4枚折り戸。そして、車内はオールロングシートという、ここまで300台以上乗ってきたバスでは、初めて出会う仕様だった。もちろん、稚内のような規模の都市でこんな仕様は必要ないので、どこか都会で使われていたバスの中古だろう。
 大きな荷物を持っているので、一番後ろに座っていく。後ろドアは閉鎖されていて、ステンレスパイプがステップ上部に柵状に取り付けてあった。
 さすが市内線。途中は乗り降りともに多かったものの、ロングシートの威力かあまり混んだ印象は受けなかった。
 浜頓別では青空が出ていたのに、ここに来て、ついに雨が落ちてきた。今年の夏は、関東では雨が続いていたのだが、ここ北海道は毎日晴天が続いていた。それなのに、ゴールのこの日になって雨が降ってこようとは、何と運のないことか。
 市内線と行っても、北に進むにつれてお客さんは減っていき、終点のノシャップで降りたのは自分たちだけだった。
 初めてであった座席配置の車内写真を撮りたくて、折返し待ちをしていた運転士さんに断って、写真を撮らせてもらった。
ノシャップについた市内線
車内の前側 車内の後ろ側
355.ノシャップ11:33→12:10稚内駅前ターミナル(宗谷バス)620円 旭川22か・983 日野
ノシャップの宗谷バス  ノシャップからは来た道を戻るのではなく、稚内の西岸にあたる日本海側を行く「坂の下循環線」に乗って、稚内駅前へ戻ることにする。循環線の本数はそれほど多くはないけれども、さいわい次の便は20分ほどの待ち時間でやってくる。その間に、歩いて5分ほどの野寒布(ノシャップ)岬に行ってくる。
 やってきたのは、1983年式のけっこう古い日野のバス。ほぼ満席のお客さんを乗せていた。それでも後ろの方に空席を見つけて、座っていく。天気が良ければ、この西岸からは利尻島や礼文島が見えるらしい。淡い期待はしてみたものの、この雨ではやはり無理だった。
 稚内温泉バス停で少し降りて、その後も下車が続く。坂の下バス停までには、ほとんどの人が降りてしまい、空席だらけになっていた。このあたりだと、逆回りの循環便の方が近いのだろう。
 坂の下からは、坂道を登って南稚内駅を通り、先ほどのノシャップ行きと同じ道を走っていく。稚内駅前というバス停の案内放送が流れた。このバスは稚内駅前ターミナル行きだから、次が終点だなと早合点してしまった。終点の稚内駅前ターミナルは、なんと稚内駅前バス停から3つも先だった。
356.稚内駅前ターミナル13:45→14:35宗谷岬(宗谷バス)1350円 旭川200か・153 日野(ワンステ)
稚内駅前の宗谷バス 宗谷岬バス停  家族は駅でレンタカーを借りて、宗谷岬へ先行する。自分は、ターミナルの窓口で宗谷岬までのきっぷを買う。「片道なら1350円、往復なら2400円」と窓口のお姉さんが言う。往復なら、記念きっぷタイプの絵入り乗車券になると聞いていたのだが、片道きっぷでも絵入りの乗車券が渡された。
 やって来たバスは、前中ドアのワンステップバス。そうか、この路線は観光路線ではないのだ。行き先も宗谷岬ではなく、その先の集落、大岬行きだもの。
 数人の観光客を含めて、ほぼ満席の乗客を乗せて、稚内駅前ターミナルを発車した。市内線が頻発している汐見町5丁目までは、ほとんど降りる人がいない。みな、ある程度遠くまで行くのだろう。左手には、宗谷湾が見えるようになってきた。
 富磯の集落を過ぎる頃、ようやく乗客は半分くらいになった。それでもまだ10人以上の人が乗っている。
 やがて、ある停留所で運賃表示器が1350円を示した。宗谷岬まであとわずかだ。「次は、宗谷岬」の放送で降車ボタンを押す。長い旅のゴールの停留所では、やっぱり自分の指で降車ボタンを押したかった。
乗車券の半券
ゴール 宗谷岬へ
 スタート地点の佐多岬とは違い、ゴールの宗谷岬はバス停の前がもうその宗谷岬だ。まずは、最後のバスを降りたバス停で記念撮影をしておく。レンタカーで先行していた家族にシャッターを押してもらうが、雨が降っているからなかなか上手く撮れない。
 それから、近くの土産物屋へ行く。ここでは到達記念証を売っている。購入すると、日付と時刻を刻印してくれる。なるべくゴールに近い時刻を残したかったからだ。刻印された時刻は14時38分だった。
 その後、岬の碑へ行ってこちらでも1枚記念撮影をしておく。宗谷岬へ来るのは、これが2回目。あの時は曇り、そして今日は雨。未だに宗谷岬からサハリンを見ることができなかった。
 のべ53日間、バス354台、船2回、乗車距離約7400kmの長い旅がこれで終わった。
到達証明書
記念碑にて
バス停にて
記念スタンプ

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