第4日 〜2010.9.20(月・祝)〜

修善寺駅→三島駅

23.修善寺駅8:55→9:35昭和の森会館(中伊豆東海バス)930円 静岡22き14−03 いすゞ/川崎車体
修善寺の車庫
修善寺駅前の営業所で待機する中伊豆東海バスの車両。ボンネットバスも、ごく自然に待機している。
修善寺のボンネットバス のりばに停まるボンネットバス
ボンネットバスの後部 アポロ式方向指示器
室内風景 修善寺駅の時刻表  最終日は第2日と同じ、修善寺駅からの再開となる。なぜ、再び修善寺駅なのか。それは、休日のみ運転のボンネットバス「伊豆の踊り子号」に乗りたかったからだ。
 駅前の時刻表にも、しっかり「踊印は3〜11月の休日はボンネットバスで運転」と書かれている。残念ながら、土曜日は普通のバスなのだ。3本の昭和の森会館行きに「踊」印がつけられている。臨時便ではなく、あくまでも通常の路線バスにボンネットバスが使用されるのだ。
 ボンネットバスの復活運転以来変わっていないのが、車掌さんの制服だ。踊り子をイメージした衣装で、採用当時は、乗務員の服装としてよく許可が下りたと他社から驚かれたとか。今では、アルバイトの高校生が乗務することが多いとのことで、卒業すると下級生にバトンタッチされるらしい。
 車内乗車券を売っているので、記念購入したかったのだが、それはできないとのこと。必ず回収するように、会社からきつく言われているのだろう。まあ、高校生を困らせても行けないので、記念購入はあきらめることにした。
 方向指示器はついているものの、合わせてアポロ式のものも作動するようになっていた。湯ヶ島を過ぎると、乗客はバスファンらしい2人だけになってしまった。もう1人は後ろに座っているので、自分も後ろに移って、木の床と座席を入れて写真を撮っておく。運転士さんと車掌さんが並んで乗務する姿が、何とも新鮮に感じる。今まで乗ってきたボンネットバスは、中ドア式が多かった。前ドアのボンネットバスは、丹後海陸交通で城崎温泉から乗って以来になるだろう。
 40分ほどのボンネットバスの旅は、窓から入る風も心地よく楽しかった。
ボンネットバスの解説
24.昭和の森会館9:45→10:14出口(中伊豆東海バス)610円 静岡22き14−03 いすゞ/川崎車体
昭和の森会館のボンネットバス
昭和の森会館のボンネットバス  ボンネットバスの折り返しは10分後。その間に車掌さんにモデルになってもらって、ボンネットバスと一緒に写真を1枚撮らせていただいた。
 道の駅では、一昨日はパスしたわさびソフトを食べる。バニラソフトにおろしたてのワサビを山盛り載せたもので、それをスプーンでクリームと一緒に食べるというもの。このツンと来る刺激はクセになりそうだった。
 帰りの便に、昭和の森会館から乗車したのは自分だけだった。でも、坂を下っていくと地元のお客さんがバス停で待っていた。あっ、そうか。今日は休日だったわね。といった顔で、ごく自然にボンネットバスに乗ってくる。なんか、この雰囲気がすごくいいなあと感じた。
 この便は、修善寺駅に直行せず、途中の吉奈温泉を経由する便になっている。1日数便しかない吉奈温泉経由に、ボンネットバスが充てられているとは、なかなか粋な計らいだろう。
 しかも、その粋な計らいが今日は的中したようだ。細道を行った小さな折り返し場が吉奈温泉。そこには旅行バッグを持ったご夫婦が待っていた。そして、やってきたバスがボンネットバスなのを見て、びっくりしているようだ。自分だって、旅先でそんなサプライズがあったら、ぜったい忘れないだろう。
25.出口10:18→11:04下村(中伊豆東海バス)1240円 伊豆230あ・911 いすゞ/J-BUS(ノンステ)
出口の中伊豆東海バス 下村バス停  修善寺と西伊豆を結ぶメインルートは、昨日の夜乗った修善寺〜戸田ではなく、修善寺〜土肥と抜けるもの。その、土肥への分岐点が出口というところ。ボンネットバスを出口バス停で降りて、土肥・松崎方面のバスを待つ。
 やってきたのは観光ルートらしくないワンステップバスだった。まあ、観光客には特急バスが走っているから、それを利用してもらおうということなのだろう。
 しかしながら乗客は少なく、一番前の「展望席」に座って行く。メインルートとはいっても、この道もけっこうカーブが連続する道路だった。
 大平というところを過ぎると、カーブが連続する下り坂になっていく。道幅も幾分狭くなったようだ。右下に見えてきたのが、土肥の街だろう。すっかり坂を下って着いたところが、昨日バスを乗り換えた土肥温泉バス停だった。
 今日は、ここから再び戸田に出て、西海岸沿いに沼津まで行くのだが、その前に昼食をとりにもう少し乗っていくつもりだ。
早めの昼食 味千の「きびなご寿司」
味千 きびなご寿司  土肥温泉から10分ほどの下村バス停で降りた。ここには、旅番組でも見たことがある、西伊豆名物きびなご寿司を出す店があるのだ。店の場所がよくわからなかったので、昨日バスの中から確認して、最寄りバス停が下村だということがわかったのだ。
 バス停から少し歩くと看板が目に入っていくる。ゆっくり歩いても5〜6分といったところだろう。緑色の看板に大きく「きびなご寿し」と書かれた味千が、その目指すお店だ。
 先客はお二人。やはり旅の方らしい。きびなご寿司はと舌代を見れば、プレーンと漬けがある。どちらも食べたければハーフというのも大丈夫なようだ。さて、どうしよう。
 そんなとき、日替わり寿司というのが目に入った。内容を確認すると、きびなご寿司のプレーンと漬けが2カンずつ。それに、地の魚が4カンと椀がつくとのこと。同じ味ばかりいくつも食べるのはなぁと思っていたので、この日替わり寿司(1500円)を注文することにした。
 そして出てきたのがコレ。地の魚は何と聞くと、アワビ、金目、石鯛、カツオとのこと。アワビとカツオは説明無しでもわかったけれども、金目と石鯛は刺身になってしまうと何の魚だかわからなかった。きびなご寿司は初めて食べたけれども、こういうものなのねと納得する味。個人的には生醤油をつけて食べるプレーンの方が好みだった。
 椀のアラ汁もおいしくいただいて、今日の早めの昼食は終了。バスの時間まで、まだ15分ほどあるけれども、バス停までゆっくり歩いていくことにしよう。土肥方面の乗り場の方が、ほんのわずかだが、降りたバス停より遠いところにある。
日替わり寿司
26.下村11:53→12:04土肥温泉(西伊豆東海バス)380円 伊豆230あ・751 日野
土肥温泉に着いた西伊豆東海バス 下村バス停  土肥・修善寺方面の乗り場は、待合小屋もある立派なバス停だった。ただし、まだこの季節は、小屋の中は暑いのでそとで待つことにした。
 やってきたのは、西伊豆東海バスだった。しかも、昨日乗ったのとまったく同じ車両だ。今回の旅では、あまり縁のなかった西伊豆東海バスにまた乗れたのだから、車両は同じでもよしとしておこう。
 土肥温泉までは、わずか10分ほど。坂を下って、昨日から見慣れた金山の前を通過して、公園のような広場のところを左折すると、土肥温泉バス停に到着する。
 今日も時間があるし金山には行ってしまったので、道路向かいにある無料の足湯に入って、バスを待つことにした。
27.土肥温泉12:30→13:02戸田(中伊豆東海バス)840円 伊豆230あ・518 いすゞ/富士重工
土肥温泉の中伊豆東海バス 戸田の港  土肥から戸田までは、昨日も乗った区間だ。やってきたのは、富士重工ボディのちょっと古めのバス。今朝、修善寺の車庫にボンネットバスと一緒に停まっているのを見かけた車両だ。
 昨日は戸田まで、乗客は自分だけだったが、今日は始発の時点で自分以外のお客さんがいる。本数が少ないとはいえ、休日だから誰も乗らないと言うことはないのだろう。昨日の便が特別だったに違いない。
 昨日、特徴的な戸田の湾を見て感動したので、今日はそれを写真に撮ろうと構えていた。湾を囲むように砂嘴が伸びる戸田の湾を、何とか撮ることが出来た。
バスの後ろ姿
28.戸田13:45→14:46三津(中伊豆東海バス)1080円 伊豆230あ・626 三菱
戸田の中伊豆東海バス 沼津の港  戸田から三津・沼津方面へのバスは1日3本。そのうち2本は真城(さなぎ)峠経由で1本が井田口経由だ。海沿いを通るのは、1日1本の井田口経由の方だ。
 相当人口希薄なところを走るようで、戸田から内浦湾沿いの富士見台バス停まで、途中にあるのは経由にもなっている井田口バス停1ヶ所しかないのだ。
 実際走ってみると、井田口バス停の遙か下の方に井田集落が見えた。人家が見えたのは、本当にそこだけ。あとは山の中腹の崖の上を走っていくだけだった。下り坂になり、ようやく人家が見えてきたと思ったら、もうそこが内浦湾側の富士見台バス停だった。
 そこから先は、内浦湾に沿った海沿いの道を走っていく。対岸には、沼津の町並みやその向こうの山々が見えている。
 内浦湾はおだやかだ。停泊しているヨットや漁船を眺めながら、曲がりくねった海沿いの道をバスはゆっくりと走っていく。運転士さんは「雲がなければ、ちょうどこの向こうに富士山が見えるのだけれど」という。湾の向こうの町や山のさらに後ろに富士山が見えたらどんなにきれいだろう。やはり、冬場でないと、なかなかきれいに見えないそうだ。
海の風景
29.三津14:57→15:08多比(沼津登山東海バス)290円 沼津200か・617 日野
多比についた沼津登山東海バス 三津バス停  沼津行きのバスは、三津シーパラダイス始発だとばかり思っていた。そこで、三津シーパラダイスで降りようとボタンを押すと、運転士さんからここが始発ではないと教えられる。始発地点は、少し手前の木負農協というところだという。それならと、終点の三津まで乗って、そこで乗り継ぐことにした。
 ここからは、沼津東海登山バスのエリアになった。やってきたのは、登山塗色のバスだった。そんなに混んでいなかったので、運転席近くに座り「多比というところで、伊豆箱根バスに乗り換えたいのだけれども、バス停は同じ場所でしょうか」とたずねると、たしか同じだったはずとのこと。狩野川放水路を渡ってトンネルをくぐると、そこが多比だった。
 紫色のバス停ポールには、上段に伊豆箱根バス、下段に沼津登山東海バスと2社の名前が書かれていて、同じバス停を利用していることがわかった。
30.多比15:25→15:44魚市場入口(伊豆箱根バス)400円 沼津200か・・80 日デ/西工
多比の伊豆箱根バス 魚市場入口バス停  ここから沼津へは、三津方面からの沼津登山東海バスと伊豆長岡方面からの伊豆箱根バスの両方があり、どちらも伊豆フリーQきっぷで利用できる。
 その中で、伊豆箱根バスの一部が沼津の魚市場経由で運転されている。これも、この路線の経由違いなので、たぶんフリーきっぷで利用できるだろう。そこで、次の多比始発の魚市場経由に乗ろうと、前のバスをここで降りたのだった。
 ところが、バス停にその魚市場経由のバスが載っていない。もしかすると、始発バスの乗り場が別なのかもしれない。ちょうどやってきた伊豆箱根バスの運転士さんに、始発バスは乗り場が別なのかどうかたずねると「そこの道を右に入ったところに乗り場がある」と教えてくれた。
 その乗り場には「沼津魚市場入口 沼津駅」と行き先を出したバスが停まっていた。運転士さんに確認すると、これが始発の魚市場経由だという。
 乗客は自分だけだった。途中で待っていた人もいたが、遠回りする魚市場経由だと知ると、乗らずに次のバスを待つ人ばかりだった。
徒歩 魚市場バス停→我入道の渡し 蓼原町地先 乗船場(約550m)
乗船場の案内 沼津の地図  魚市場にある食堂街の中の道を狩野川に向かって歩いて行く。お昼時なら入ってしまいたくなるお店が並んでいるのだけれども、さすがにこの時間なので我慢できる。
 いったん、堤防への階段を上り、その後河川敷の遊歩道を行くと、乗船場の案内があった。
我入道の渡し
31.蓼原町地先→我入道東町地先(我入道の渡し)100円
我入道の渡し 船外機を使わすに進む
ライフジャケットを着けて乗船 乗船券
 一緒に乗った家族連れは往復乗るそうで200円。自分は片道100円を払って乗船券を受け取る。
 魚市場側から乗船するときは、乗船場にある旗を揚げると船はやってくる。回送で来るときは船外機を使うが、お客を乗せると櫓をこいで進んでいく。河口に近いので流れも早いから、手こぎは大変だろう。しかしながら、そこはプロ。だんだんと対岸が近づいてきた。
32.東町16:31→16:57沼津駅(沼津登山東海バス)230円 沼津200か・528 日野(ノンステ)
東町の沼津登山東海バス 東町バス停  東町側のバス停はすぐに見つけることが出来た。ところが、バス停は道路の片側に立っているだけ。さて、ポールの側で待てばよいのか、反対側で待てばよいのか。
 バスの時間が近づいて、道路の左右を見ながらどちらから来るのか観察する。やがて国道側から「我入道 牛臥 柿原循環」と表示されたバスがやってきた。沼津駅と表示されていないのが少々心配だが、循環とあるからこれで駅まで行けるのだろう。
 オレンジを基調に紺色のラインが入った、沼津登山東海バスのオリジナル塗色のノンステップバスだった。座席が半分くらい埋まる程度の乗客がいた。
 バスは、住宅街の細道や海沿いの狭い道を、正直どこを走っているのかわからなくなるくらい、右や左に曲がりながら走っていく。乗降もけっこう頻繁で、地域の足になっている路線だということがわかった。
33.沼津駅17:15→17:47三島駅(伊豆箱根バス)380円 伊豆200か・177 日デ/富士重工
沼津駅の伊豆箱根バス  今回の伊豆半島バスの旅、スタートが新幹線停車駅の熱海だった。もう少しバスに乗りたいので新幹線停車駅の三島をゴールにしよう。伊豆フリーQきっぷには、沼津〜三島間にバスの路線が書かれているから、三島までのバスに乗れるはずだ。
 そこで、何も考えずに三島駅と表示を出している伊豆箱根バスに乗ってしまった。ところが、このフリーきっぷで乗車できるのは、国道経由で東海道線よりも南側を走る、伊豆箱根バスと沼津登山東海バスが共同運行している路線だけだったらしい。今回乗ってしまったのは、大岡経由という伊豆箱根バスだけが運行する、御殿場線の大岡駅を経由する路線だったのだ。
 乗ってしまったものはしょうがない。別料金を払うにしても、それほど高額ではないはずと、そのまま乗っていくことにした。最初は多かった乗客も、だんだんと降りていき、それこそ大岡駅を過ぎる頃には数人になっていた。
 三島駅に到着し、運転士さんに「国道経由に乗るはずが間違えてしまった」旨を伝えて、フリーQきっぷを見せていくら払えばよいかとたずねると「まあ、今回はいいです」とそのまま下ろしてくれた。どちらの経由に乗っても、運賃が380円と同じだったので見逃してくれたのかもしれない。最後に失敗してしまったが、楽しい4日間だった。

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