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第4日 〜2002.4.2(火)〜

臼杵駅→大分空港

18.臼杵駅7:05→7:50佐賀関(臼津交通)820円 大分22か18−26 日野
臼杵駅の臼津交通 磨崖仏のレプリカ  昨夜は臼杵駅前のホテルに泊まった。たぶん、バス旅に同行者がいるのも初回だけだろう。奮発して関アジと関サバの刺身を夕食に用意してもらい、満足した一夜を過ごした。
 今朝はまず、臼杵から佐賀関半島の南岸を通って佐賀関へ向かう。しかしながら、バスは本数は少なく、午前中は7時と11時の2本しかない。そこで、7:00のバスに乗るために5分前から駅前で待っているのだが、バスはやって来ない。始発なのにといぶかっていると、5分ほど遅れてやってきた。
 この旅初めて乗る臼津(きゅうしん)交通という会社は、大分バス100%出資の子会社だそうで、車体のカラーもよく似ている。座席は9列でリクライニングシートになっていた。
 下ノ江駅までは、ほぼJR日豊本線に沿って走っていく。駅の手前で右折して線路から離れていく。すると、突然目の前に大きな造船所が現れ海沿いに出た。
 造船所の中に入ってしまうのかと思ったら、手前で左折して橋を渡る。あとはずっと右手に海を見ながら走っていく。臼杵湾にはいくつかの島があるというのが、このバスに乗って初めてわかった。景色はいいが、人の流れと逆方向だからか、乗客はいっこうに乗ってこなかった。
 国道217号線は、海沿いを地形に沿ってカーブしながら進んでいく。ところどころまっすぐ堀りなおしたトンネルや2車線のところはあるものの、大半がバス1台がやっとの道だ。通勤時間だからか、臼杵方面へ向かう自家用車が多く、待避で停車することが多かった。
 やがて国道を離れて、佐賀関の市街地に入っていく。郵便局や役場の建つ中心地を抜けて、臼杵湾から佐賀関港側に半島を横断したところが佐賀関駅だった。
佐賀関の臼津交通
19.佐賀関8:25→8:59坂ノ市駅(ジェイアール九州バス)510円 大分22か17−57 日野
佐賀関のJRバス 佐賀関駅  佐賀関からはJRバスに乗る。この佐賀関もバス駅で、大きな駅舎の中にはJRバスと大分バスの窓口が左右にわかれてあった。
 しかも、ここではバスの乗車券を売っているという。記念に安い区間のを欲しいと言うと、「分離前のJR九州時代の地紋のきっぷと、バス会社になってからの地紋のとありますけど、どうします」ときかれる。そんなマニアな解説をしてくれるなら両方買ってしまおう。70円が分離前、110円がバス会社分離後の地紋だった。
 JRバスは大半が幸崎行き。ごく少数がその先の坂ノ市行きだ。次のバスは幸崎行きだけれども、せっかくだからもう少し待って少ない坂ノ市行きに乗っていこう。
 時間になってやってきたのは、前後ドアのバスだった。そういえば、この旅で前後ドアのバスは初めてだ。今度は佐賀関半島の北岸を西へと走っていく。
 そういえば、佐賀関からは愛媛県の佐田岬までフェリーが通じている。今回の旅のスタートは佐多(さた)岬、愛媛県は佐田(さだ)岬。似ているけれども別物だ。佐賀関駅を出てしばらく行くと、右手にそのフェリー乗り場が見えた。やがて、国道の海側の一段低いところに線路跡のような細長い敷地が見える。これが、佐賀関鉄道という軽便鉄道の跡だという。
 バスは国道を離れて幸崎駅へ寄って、列車との接続待ちをする。2分停車するものの、降りる人ばかりで列車から乗ってくる人はいなかった。坂ノ市へはいったん国道に戻るものの、途中から道に入り細という地区を抜けていく。大分バスもここを通るようで、狭い道で離合することになった。JRバスの終点はもちろん駅前。降りたのは私たち2人だけだった。
時刻表ときっぷ
20.坂ノ市9:36→10:27大分駅前(大分バス)560円 大分22か13−35 日デ/西工
坂ノ市の大分バス  大分バスは駅前には入らないので、国道の交差点まで150mほど歩く。大分バスの坂ノ市バス停にはベンチがあったので、ゆっくり座って待つことができた。次の大分行きは9:29大在駅経由だったのだが、やってきたのは前中ドアのバスで座席はほとんど埋まっていた。それならと、これはパスして9:36の国立病院経由に乗ることにした。
 しかし、1分前になっても国道にバスの姿は見えない。また遅れかなと思った瞬間、交差点の右側から曲がってバスがやってきた。どうやら、始発地点が違うようだ。車両もリクライニングシートの前ドアのバスで、先ほどより乗る分には上等だ。みごとに前の数列にだけ乗客がいる。しかもすべてお年寄り。国立病院経由は1日4本しかないから、ほとんどの人が通院目的で利用しているバスなのだろう。
 表示を見ると、このバスは津久見始発の急行バスとのこと。遠路通院に使う人が多いのだろうとの予想は当たって、お年寄りはみごとに全員国立病院前で降りていった。そこから先の大分市街地は急行運転とのことで、停留所で待っている人でも乗らない人がいて、それほど混まないまま終点に到着した。
21.大分10:50→11:21別府北浜(大分交通)490円 大分200か・・10 日デ/富士重工(ワンステ)
大分駅前の大分交通  大分から別府へ向かうには、大分交通のバスに乗ればいいということはわかっていた。しかしながら、何行きに乗ればいいのか。バス停の案内で、ようやく関の江行きに乗ればいいことがわかった。
 やってきたのは、前中ドアのワンステップバス。そういえば、ワンステップバスも今回の旅では初めて。だいぶ都会の雰囲気になってきた。
 西大分駅前にあるバス停は「ダイアモンドフェリー前」。JR駅よりもフェリーの方を使うとは、この地にとっては普通列車しか停まらない駅よりも関西とを結ぶフェリーの方が重要ということの現れかもしれない。その次のバス停は、ひらがなで「かんたん」。漢字だといったいどんな字を書くのだろう。
 やがて右手に別府湾が広がってくる。高崎山で、ご夫婦や若者の観光客が何組か乗ってくる。バスは大分市から別府市に入り、海沿いのターミナル別府北浜で降りることにした。
 次のバスまで30分ほどあったので、ちょっと早いがビルの地下にあったフードコートで軽食の昼食にしてしまう。
22.別府北浜11:55→12:05ケーブルラクテンチ(亀の井バス)220円 大分200か・・31 日野
別府北浜の亀の井バス  別府北浜からケーブルラクテンチへ向かう。ここのケーブルカーは遊具ではなく認可された鉄道なのだが、まだ乗ったことがない。それに、とくにバス旅の趣味があるわけでもない同行者を、少しは遊ばせてあげたいと思う。
 やってきた亀の井バスの10系統は、小型のリエッセだった。小型バスの車内は満席。このバス旅で初めて座れないバスとなった。
 バスはいったん海岸通りを流川通りまで行って、そこから右折してどんどん坂道を登っていく。流川2丁目から始まった停留所は、5丁目、6丁目、8丁目、12丁目、14丁目、16丁目、18丁目と増えていった。ようやく坂道を登り詰めると、そこがケーブルラクテンチの入場券売り場兼ケーブル乗り場だった。この先は山が急で車は登れないので道はない。右折したところに停留所があった。
 観光地とはいえ、平日の午後に遊園地に来る人はそれほどいない。降りたのは自分たちのほかは、この地区に住んでいる人ばかりのようだ。入園券を買うと、こればケーブルカーの乗車券にもなっていて、山の上の遊園地までケーブルカーで運ばれる仕組みになっていた。
ケーブルラクテンチにて
観覧車からの風景 ケーブルカー
サイクルモノレールからの風景  ビックリハウスとかあって、何か懐かしい雰囲気のする遊園地だった。何はともあれ、まずはラクテンチ名物アヒルのレースを見に行こう。しばらく見た後で投票券?を買う。100円で優勝すると予想したあひるの首のリボンと同じ色の札を買うのだ。2回目で当たって、記念のハンカチをもらうことができた。
 園内はちょうど桜が満開で、春らしい気分があふれている。平日にもかかわらず、園内にはそれなりに人がいるのだった。ただ、有料の遊具に乗っている人はそれほど多くはなかったけれど。
 せっかく高いところに来たのだから、さらに高いところへ行く観覧車に乗ろう。観覧車のゴンドラが上がると、別府湾まで見渡せるパノラマが広がった。それからビックリハウス。小学生の頃、浅草はなやしきのに乗って、かなり興奮した想い出がある。さすがに、大人になったのでそれほどの興奮はなかったけれども、子供の頃を思い出すことは出来た。
 それから同行者は怖いと言って乗りたがらなかったのだが、2人乗りのサイクルモノレールに乗る。寝るような格好でペダルを漕ぐのって、なかなかお腹がつかえて漕ぎにくいものだ。桜の花が咲く空中を自転車で通るのは、なかなか楽しい体験だった。
23.ケーブルラクテンチ13:29→13:50鉄輪(亀の井バス)320円 大分22か20−52 日野/西工(ワンステ)
ケーブルラクテンチの亀の井バス  今度は先ほど乗った10系統ではなく、15系統の鉄輪行きに乗って温泉街のターミナル鉄輪(かんなわ)へ向かう。多少の登り坂はあるものの、ほとんど平行移動のような形で別府市街地の南から北へ移動するようなものだ。
 やってきたのはワンステップバス。大分のバスは今までの2県に比べると、新車が多く投入されているように感じられる。あくまでも、個人的な感じだけれども。それから、バスが先ほどより大きくなったからか、系統が違うからか、ずいぶん空いていて今度は座って行くことが出来た。
 車窓を見て感じたのは、本当に別府の街というのはどこを掘っても温泉がでるのだなということだ。あちこちで湯煙が上がっているのが、バスの車窓からも見て取れる。
 同じ市街地を直線距離で4.5kmほど移動するだけだからすぐ着くかと思ったのだが、しっかり20分以上かかって鉄輪に到着した。
 ここは別府地獄巡りの中心地。バスターミナルの東側には、海地獄や坊主地獄など8つの地獄のうち6つがここにある。同行者はまだ地獄巡りをしたことがない。しかし、全部を回る時間はない。それなら、一番インパクトが強い2つを見に行くことにしよう。
24.鉄輪13:56→14:01血の池地獄前(亀の井バス)180円 大分22か15−89 日野
鉄輪の亀の井バス  別府の地獄で一番インパクトが強いのは、あの真っ赤な池が広がる血の池地獄だろう。その血の池地獄と竜巻地獄の2つは、鉄輪から3kmほど離れたところにある。
 そこで、すぐに発車する鉄輪から亀川方面のバスに乗って行く。今度はごく普通の前中ドアのツーステップバスだ。カーブの続く県道を行き、小さなトンネルを抜けると、大きく右にカーブして下り坂になる。その下り坂の途中に、その名もズバリの血の池地獄前バス停があった。鉄輪からちょうど5分で到着した。
 バスの乗客は少なかったが、その中でもここで降りたのは自分たちだけだった。それにしても、バス停の名前が名前だけに、何があるのか知らない人が聞いたら、世にも恐ろしい名前のバス停ということになるのだろう。
 路線バスでやってくる人は少ないが、貸切バスや自家用車で来る人は多く、駐車場は混雑していた。バス停の向いに見えるのが、血の池地獄の入口。その左側、坂の下にあるのが竜巻地獄。竜巻地獄は間欠泉なので、吹き上がる時間がきまっている。とりあえず同行者をバス停に待たせて、竜巻地獄の次の時間を確認に行くことにした。
見学 竜巻地獄と血の池地獄
竜巻地獄 血の池地獄前バス停  竜巻地獄の次の噴出まで15分ほどだった。まだ座席にも余裕があるし、まずはこちらから見るのがいいだろう。同行者を呼びに行って、入場券を買って中に入る。
 階段状になったベンチ状の座席に座って、間欠泉が吹き上がるのを待つ。やがて、シューッシューッという音がしたと思うと、一気に熱水が吹き上がった。温度は150度もあるのだとか。岩で造った屋根に押さえられているけれども、これがなければ50mもの高さまで吹き上がるのだという。座席に座っていても、その熱さが伝わってくる。
 噴出が終わると、何事もなかったように吹き出し口はおだやかになってしまった。また、30分もすると勢いよく吹き出すのだそうだ。
 次に、坂を少し上ったところにある血の池地獄へ向かう。こちらも入場券を買って中に入る。ここは入口からメインの血の池までは少し距離がある。少し歩くと、目の前に真っ赤な池から湯気が上がっている風景が広がる。何枚か写真を撮ってみたのだが、白い湯気に邪魔されて赤い湖面をきれいに撮ることができなかった。同行者は足湯があるのを喜んで、まだバスまで時間があるのを確認してから足湯を楽しんでいた。
25.血の池地獄前15:02→15:12亀川駅(亀の井バス)140円 大分22か20−69 日野/西工(ワンステ)
亀川駅の亀の井バス 血の池地獄前の亀の井バス  やってきたバスは、ケーブルラクテンチから鉄輪まで乗ったのと同じ、西日本車体工業のワンステップバスだった。車内に乗客は、ほとんど乗っていなかった。
 バスはどんどん山を下っていく。途中で左折して、国立別府病院の敷地の中へと入っていく。病院の正面へ寄り道してから、踏切を渡り国道に出る。このバスは別府駅へ行くのだが、いったん反対方向に左折をして亀川駅に寄る。駅前のロータリーがバス停で、そこでお客を降ろすと別府駅へ向けて走っていった。
 このバス停は亀川駅。次に乗るバス停は亀川駅前。どうやら別物のようで、ロータリーを探してもみつからない。国道沿いに、それらしきバス停を発見した。
26.亀川駅前15:31→16:19杵築バスターミナル(国東観光)780円 大分22か18−35 日デ/富士重工
杵築ターミナルの国東観光 国東観光のバス  大分空港へ行く国東行きの前に、途中の杵築バスターミナル行きがあったので乗ってしまう。車内はそこそこの乗り。担当が大分バスではなく子会社の国東観光なので、買ってあるバスカードが使えなかったのが残念。
 日出、杵築とどちらもJR日豊本線に駅はあるものの、街の中心地は駅から離れている。バスはそれらの街の中心地を通るので乗客が多いのだろう。
 国道10号線を、別府湾を眺めながら走っていく。やがて、JRを越える高架橋の手前で、右側の道に入っていく。八日市というところで、両側には古い商店街が続いている。どうやら、ここが日出町の中心街らしい。
 やがて、短いトンネルを抜けて坂を下ると、杵築の街が近づいたようだ。八坂川にかかる錦江橋を渡る。橋には立派な門のような飾りが付いており、右手の丘の上にはお城も見えている。
27.16:43→17:15大分空港(大分交通)690円 大分22か14−57 三菱/新呉羽
杵築ターミナルの大分交通 大分交通のサボ  杵築駅始発の大分空港行きにも間に合ったのだが、国東観光担当だったのでパス。せっかくバスカードが残っているから、カードの使える大分交通に乗ろう。
 やってきた大分交通の国東行きは、観光タイプの前ドアのバスだった。車内にはリクライニングシートが並んでいた。杵築の街を抜けると、再び海沿いを走っていく。住吉浜の近くの川では、明らかに鉄道橋の跡と思われる橋脚が残っていた。かつて、大分交通の鉄道線が健在だった頃の遺構だろう。
 道路には空港の文字がやたら目立ってくるのだが、バスはそれに背を向けるように脇道に入っていく。安岐の市街地を通り抜けていく。その先の国保病院では、わざわざ病院の敷地内にあるバス停に寄り道したけれども、乗降ともになし。
 少し先の交差点を右折して、ようやく空港に向かうようだ。途中にはキャノン前というバス停があった。そして、ようやく大分空港に到着。第1回はここまでにしておこう。

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