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第6日 〜2002.5.3(金)〜

中津→長門市駅

33.中津8:25→9:16行橋営業所(西鉄バス二豊)690円 大分200あ・・31 三菱
中津ターミナルの西鉄バス 中津ターミナル  昨日は駅南側のターミナルに到着したのだが、西鉄のバスターミナルは、駅北側の通りを少し歩いたところにあった。ベンチがずらりとならんだ広い待合室と、パイプで造られた改札口がある。脇には、かつての出札窓口の跡が並んでいる。
 しかしながら、今では子会社の西鉄バス二豊のバスしかここへはやってこないし、発着するバスも少ない。広い待合室にも人はおらず、ガランとしている。
 今日はこれから、国道10号線を行橋まで行くバスに乗る。しばらくしてやってきたのは、なんと三菱ローザというマイクロバスを使った路線バスだった。車体の後部は観音開きになっていて、そこに車いす用のリフトがついている。それにしても、国道を行くバスがこんなに小型で大丈夫なのだろうか。
 マイクロバスだから、運転士さんは運転席脇のドアを開けて乗り込んでくるのが見た目には新鮮。そして、車内に流れる運転士さんの放送はとても丁寧だった。さすがはバス王国、福岡のバスだなあと感じる。
 中津を発車してほどなく、山国川に架かる山国橋を渡って、大分県から福岡県に入る。ついに今回の旅も4県目に入ったことになる。福岡県に入っても、ほとんどお客さんが乗ってこないので早着しがち。ところどころのバス停で、時間調整をしていく。
 結果的にこの路線は、マイクロバスで十分だった。一番乗ったときでも、乗客は4名だった。バスは、道の右側にある行橋営業所の敷地内に入ってドアを開けた。
ターミナルの改札口
34.行橋営業所9:33→10:10葛原東一丁目(西日本鉄道)590円 北九州22か28−32 日デ/西工(ワンステ)
行橋営業所の西鉄バス 東葛原一丁目バス停  行橋営業所の建物の一角に、乗客用の待合室があった。天神行き高速バスと10番小倉大門行きは、ここから乗車できる旨の看板が下がっていて、建物内の待合室を使えることが書かれている。しばらくして運転士さんが奧から出てくると、「小倉行きどうぞ」と声をかけていく。
 乗車したバスは、車庫の敷地内をぐるっと回って右折して国道に出る。ちょうど営業所の向かい側になる道路際にも、行橋営業所バス停が建っていた。始発の特権で、出庫便に便乗したかっこうになっているようだ。道路上の始発停留所からも数人のお客さんを乗せて、バスは小倉に向かって走っていく。
 行橋の市街地を出てすぐ、新小波瀬橋を渡ると、行橋市から苅田町入る。その先で、国道10号線へと合流する。片側2車線の広い国道10号線を、バスは走っていく。途中停留所での乗降は、先ほどのバスと違い、けっこう多い。降りるよりも乗ってくる方が若干多いようで、車内はだんだんと混んできた。
 雨窪バス停を過ぎると、苅田町から北九州市に入る。いよいよ九州最後の自治体に入ったことになる。北朽網の手前で、国道10号線から右側の県道に入っていく。右手に北九州空港が見えている。まもなく乗換の寺迫口なはずだ。下曽根駅前を過ぎて「寺迫口」のアナウンスで降車ボタンを押す。降りるときに「恒見営業所行きの乗り場はどこですか」とたずねると「ここは離れているから、次の方がいい」とのこと。お説に従い、次の東葛原一丁目で降りることにした。ちょうど真上を九州自動車道が横切っていて、通りの反対側に立つポールをすぐに見つけることができた。
行橋営業所の待合室
35.葛原東一丁目10:38→11:02恒見営業所(西日本鉄道)280円 北九州22か29−00 三菱/西工
恒見営業所についた西鉄バス  次に乗る恒見営業所行きのバスを待っている間、他の行き先のバスが2本、ほぼ定刻にやってきた。しかしながら、お目当てのバスは時刻になっても現れない。今日一番タイトな乗り継ぎが、恒見営業所での9分乗り継ぎなので、正直1分でも早く来てもらいたいところ。結局、5分遅れてやってきた。
 乗ってみてわかたのは、この路線はまっすぐ恒見営業所を目指すのではなく、完全な生活路線であちこち寄り道する路線だと言うことだった。脇の細道に入っていったり、団地の奧までの枝線を往復したりと、右に左に曲がりながら走っていく。信号も多く、しかもよく赤信号にひっかかってしまう。
 終点に早く行きたい身にはイライラする状況ではあるけれども、そういう寄り道径路でしっかり利用客がいるのだ。逆にいうと、そういう利用者のための路線なのだろう。営業所行きなのは、バスの折り返し場所を求めてなのかもしれない。
 実際に、このバスで終点の営業所まで乗ったのは、自分を含めて2人しかいなかった。次のバスの発車時刻3分前に、バスは恒見営業所に到着した。
36.恒見営業所11:05→11:41門司港駅(西日本鉄道)340円 北九州22か30−17 三菱/西工
恒見営業所の西鉄バス  営業所の小さな待合室にはたくさんの人が待っていた。ほぼ半数が門司港行きに乗ったようで、始発で座席が半分ほど埋まった。
 途中で、どこか見覚えのある風景だと思ったら、新門司港の近くを走っているようだ。名門大洋フェリーを何回か利用したことがあり、新門司港から門司駅までの送迎バスで走った道も、この辺りだったようだ。そして、この辺りから、片側2車線の立派な道路になっていった。
 石塚トンネルという立派なトンネルを抜ける。反対車線は新石塚トンネルとなっていたから、あちらの方が新しく増設された車線なのだろう。トンネルを抜けると右折して、海側の細道を下っていく。柄杓田という折り返し場になったバス停があった。海沿いの集落で、ここには大勢のお客さんが待っていて、車内は立ち客もでるようになった。
 再び先ほどの広い道路に戻り、今度は椿トンネルを抜ける。インター工事をしている先で、今度は桜トンネルを抜ける。その先は、急な坂を下って門司港の門司港の街中に入っていった。桟橋通で半分以上の人が降りてしまい、その次が終点の門司港駅だった。ネオ・ルネッサンス様式の駅舎は正面から見ることが多く、脇に立派なロータリーがあるのは知らなかった。
門司港レトロ散策と門司港ビールで昼食
門司港  さあ、ちょうどお昼時。大きなバッグを駅のコインロッカーに入れて、門司港地ビール工房を目指そうではない。
 海沿いを歩くことも出来るのだが、橋が通行できない時間もあるというので、店が建っている方か回っていくことにした。歩行者専用の跳ね橋「ブルーウイングもじ」は、ちょうどこの時間上がっていたので、こちらを回って正解だったようだ。橋の向こうには、銀色の球体をしたキャビンを持つ観光船「ヴォイジャー」が停まっていた。
門司港ビール工房に到着すると、すでに満席。係の方に聞いてみると、20分くらいの待ち時間で入れるという。それではと、名前を書いて待つことにする。しばらくして、1階のビアホールで名前が呼ばれる。お昼だし、まだバスも何本か乗らなければならないので、3階のレストランよりも1階の方が都合がよさそうだ。小さなグラスのお試しセット2種類と、ラージグラスのヴァイツェン1杯。それと料理にしておく。ここのヴァイツェンは個性を主張しすぎ。でも、こういう味は嫌いじゃないんだな。
 十分満足して、次のバスに乗るため門司港駅へと戻っていった。
37.門司港駅13:30→14:00国道トンネル人道口(西日本鉄道)220円 北九州22か24−19 日デ/西工(ワンステ)
門司港駅の西鉄バス 国道トンネル人道口バス停  これから乗るバスは、「めかり方面」となっているものの、一番遠いところがめかりで、実態はラケット型の循環運転をする系統だ。
 やってきたバスは、今までと会社は同じでも塗色は全く違っていた。この路線に使われるレトロバスというものだとのこと。
 門司港駅を出たバスは、門司港レトロに寄り道しながら、関門橋の付け根目指して走っていく。まっすぐ海沿いを行けばめかりなのだが、めかり公園で右折して登山道を一気に登っていく。
 景色はあっという間に変わり、今まで頭上にあった関門橋がみるみる眼下になっていった。その登山道を登ったところにあるのが国民宿舎めかり山荘。ここで数人のお客さんが乗ってきた。
 登山道は一方通行なので、下りは違う道を行く。海岸沿いまで下りると、いったん右折して名目上の終点めかりに着いた。
 ここまできたら、曇り空が突然の土砂降りになった。国民宿舎から乗ったお客さんが、ここで降りて駐車場に停めた車をとりにいくというのだが、あまりの豪雨で降りられない。それでも、意を決して飛び出していく。またたくまにびしょ濡れだ。
 バスはここでUターンして、今度はそのまま海岸通りを進む。やがて、売店なども並ぶ国道トンネル人道口バス停についた。まだ土砂降りは続いている。運転士さんの「ゆっくり降りて下さい」のお言葉に甘えて、車内で傘を半開きにして豪雨の中に飛び出していった。国道トンネルの入口はすぐそこに見えるのだが、やはり少し濡れてしまった。
関門橋が見える
徒歩  関門国道トンネル人道 和布刈(福岡県)→御裳川(山口県)  約800m
海底の県境 トンネルの説明  かつては門司港駅と下関駅を結ぶ、関門橋経由の西鉄の路線バスがあったのだが、今はもうない。小倉〜下関という路線があるのなら使いたかったのだがそれもなく、あるのは福岡〜下関という高速バスだけ。
 バスで関門海峡を渡ることが出来ないのなら、その他の手段は船か鉄道。それともう1つ、関門海峡の下を通る国道トンネルの人道を歩くという方法がある。今回はここを歩いて行こう。距離は800mほどだから、自分の作ったルール4km(1時間程度)なら歩いて連絡してよいを活用しよう。
 まずはエレベータで、地上から人道トンネルまで下りる。普通のエレベータのほかにも、自転車も入れる大型のエレベータも設置されていた。人道トンネルまで下りれば、あとはひたすら歩くだけ。多少中央部が低くなった、まっすぐなトンネル。歩いている人ばかりかと思えば、ジョギングしている人もいる。天候にかかわらずジョギングできるコースということなのだろう。
 海底にある県境には、ちゃんとラインが引かれていた。思わずここで記念撮影。これで、この旅5県目の山口県に入った。いよいよ九州ともお別れだ。
 山口県側のエレベータ前はちょっとしたホールになっていて、トンネルのご案内などもあった。これによると、人道トンネルは車道トンネルの下にあるようだ。
 再びエレベータに乗って、山口県側の地上に出た。目の前の国道に、サンデン交通の御裳川(みもすそがわ)バス停があった。
山口県側の入口
38.御裳川14:40→16:20俵山温泉(サンデン交通)1520円 山口22う26−47 日デ/富士重工
御裳川のサンデン交通 俵山温泉  次の乗るのは、下関駅から日本海に浮かぶ青海島まで行く長距離準急バスだ。全区間乗り通せば2時間40分ほどかかる。
 やってきたのは、前後ドアの普通の路線タイプ。座席の数も少なく、固くて狭いやつだ。しかも、車内は立ち客が多く床も雨で濡れている。今回はナイロンのスポーツバッグできたので床に置けない。揺れるバスの中、肩にひもを食い込ませながら立っていくしかない。
 さすが準急なので、停車停留所は少ない。次が市立美術館前、その次が城下町長府。ここでたまたま目の前の席が空席になったので座っていく。ようやく肩の荷を膝の上に載せる。いくぶん楽になった。車内の人口密度はまだ高く、人いきれで窓が曇ってしまい、景色を楽しむことができない。
 長府駅、小月駅と、JRの駅に停車するたびに、少し空きかけた車内に乗客が乗ってくる。ようやく車内に空間ができたのは、石町というバス停を過ぎた頃だった。車内を見渡すと、小月に着く前から乗っている顔が少なくとも7人いる。みんな辛抱強いというより、これが唯一の公共交通機関だからだろう。
 やがて豊田湖の文字が見えてくると、カーブのきつい山の中の道になっていった。ここまで来ると乗客はもう数えるほど。俵山公民館前バス停まで来ると、ようやく周囲の土地が広くなったように感じられた。俵山温泉2kmの表示があり、まだ温泉街までは距離があるようだ。
 俵山温泉で降りて、両側に温泉旅館の建ち並ぶ狭い一方通行を歩いていく。そんな中にある「町の湯」に行く。「今混んでますから、ごゆっくりどうぞ」の言葉に送られて浴場へ。脱衣所から浴室のドアを開けてみれば、ものすごく混み合った湯船があった。
俵山温泉のサンデン交通
39.俵山温泉17:14→17:48長門市駅(サンデン交通)700円 山口22う30−38 日デ/富士重工
俵山温泉のサンデン交通 俵山温泉バス駅  次に乗るのは、俵山温泉始発の青海島・通(かよい)行きのバスだ。先ほどのバスは、島に渡ってすぐの大泊までだが、今度のバスは島の一番奥の集落まで行く。
 やってきたのは、前中ドアの路線バス。やっぱり観光路線ではないのだな。
 夕方に温泉街から町へ行く人は少ないようで、乗客は3人ほど。俵山公民館までは、先ほど通った道を戻る。そこで左折して、長門市駅へと向かう。といっても、俵山温泉は行政区域としてはもう長門市なのだが。
 途中、「津田のくり弁」という看板を見かける。この辺りは栗で有名なのだろうか。坂を登って大寧寺峠を越える。登りはそれほどカーブのない道だったのだが、下りは一転してカーブの多い道になった。その下り坂の途中に、大寧寺という大きなお寺があった。お寺だけでなく、お稲荷さんもあるのか、赤い鳥居がたくさん建っていた。
 坂を下ったところが、湯本の温泉街。バスは国道まで行かずに、JR美祢線の手前でバス1台がやっとの細道に入っていく。バスは、その線路沿いの細道を走っていく。その細道の途中で、おじいさんが1人乗ってきた。途中で下関行きのバスと行き違うが、ちゃんと広くなっているところで停車して行き違いをする。かなりの距離細道を走り、踏切をわたって板持まるわ前バス停でようやく国道に入った。
 あとは国道をたんたんと走っていく。市役所前を過ぎて、JRの踏切をわたった中央通でおじいさんは降りていった。その次が長門市駅。自分も今日はここまでにする。
下関行きとすれ違い

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