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第17日 〜2002.8.17(土)〜

JR奈良駅→津駅

120.JR奈良駅6:29→6:58天理駅(奈良交通)530円 奈良22き・376 いすゞ/IK COACH
奈良駅前の奈良交通 JR奈良駅  昨日、きょうばてさんから「天理行きは比較的、旧塗色のバスが来ることが多いよ」と聞かされて期待していたのだけれども、やってきたのは新塗装の前後ドア車だった。
 高架化にともない、保存か解体かと議論が分かれていた、洋風建築に寺院の塔を組み合わせたユニークな和洋折衷の外観のJR奈良駅舎。とりあえず移転して保存すること決まったと聞いてホッとした。しかし、移転することで駅舎としては使用しないらしい。
 土曜日早朝の天理行きのバスには、自分以外に駅前でおじさんが一人乗っただけ。それも、奈良の街中ですぐに降りてしまった。その後は貸切状態。ひたすら、国道169号線を南下していく。やはり土曜日の早朝、しかも夏休み中とあっては、途中から乗ってくる人もいなかった。
 JR桜井線とほぼ平行しているこの路線。鉄道なら15分たらずのところを、30分ほどかけて走ってきた。やがて左折して、天理駅前に入っていった。今日はまだ7時前だといのに、1本乗り終えてしまった。
奈良駅前の奈良交通
121.天理駅7:20→8:35上野市(奈良交通)1700円 奈良22き・176 日野
天理駅の奈良交通  天理からは、三重県の上野市へ行く特急バスに乗っていく。三重交通との共同運行なのだが、奈良交通と三重交通では系統番号も所要時間も微妙に違っている。
 やってきたのは、前後ドアの路線タイプ。特急というから、観光タイプを想像したのだが。運転席側が2人掛け、ドア側が1人掛け。他のバスとちょっと違うのは、1人掛けの座席のいくつかに、補助席がついていたことだった。
 バスは櫟本まで来た道を戻り、天理インターから名阪国道に入っていく。しかし、これが一般国道?どう見ても高速道路だ。片側2車線でインターチェンジやパーキングエリアもある。でも、道路の脇にはちゃんと国道25号線の標識が立っている。制限速度も60キロだ。バスは守っているのだが、どんどん他の車に抜かれていく。それでも早着してしまうのか、バス停で時間調整することがしばしばあった。針インターバス停は、インターを降りた道の駅「針テラス」の脇にあった。まだ新しそうな道の駅で、温泉施設もあるという。
 上野東インターで降りれば、上野市はすぐそこだった。三重交通の上野産業会館と奈良交通の上野市は同じ場所だった。
122.上野産業会館10:33→11:12名張駅前(三重交通)660円 三重22き・654 いすゞ/富士重工
上野産業会館の三重交通 伊賀線の忍者電車  ここで少し時間を取って、未乗の近鉄伊賀線に乗ってくる。真っ青な流し目の忍者塗装にはびっくりした。
 この先は三重交通に乗る機会が多くなる。まずは名張行きのバスに乗る。このバス、運転席側は2人掛け、ドア側は1人掛けなのだが、おもしろいのは中ドアより後ろの1人掛けは、1.5倍くらい幅の広い座席になっている。お尻の大きな自分はそこに座ろうかとも思ったが、空いていたので2人掛けに座っていく。
 先ほど通った道を戻り、上野東インターから上野インターまでは名阪国道の側道を行く。その先は、国道368号線を南下していく。途中1カ所だけ旧道に入ったところがあったけれども。
 やがて正面に線路が見えてきた。もう、名張かなと思ったら、ひと駅隣の桔梗が丘。ここは新興住宅地のよう。右側に名張川の流れが見えてくると、名張の市街地はすぐそこ。駅西口のバスターミナルに到着した。
123.名張駅前11:50→12:06葛尾(三重交通)370円 三重22き・877 日野
名張駅前の三重交通  昨日の南加茂台5丁目から使っているのが、「3・3・SUNワイドフリーきっぷ」というもの。6000円で近鉄、名鉄、南海とその関連会社に、3日間乗り降り自由というものだ。奈良交通も三重交通も近鉄の関連会社だから、このきっぷで乗れる。
 ということで、次のバスまで2時間ほどある。その間に、近くの路線を往復してこよう。せっかくここまできたのだから、知らない風景を眺めてこようではないか。
 待合室の時刻表とにらめっこして、葛尾行きに乗ることにした。そういえば、葛尾はたしか三重・奈良の県境。道路地図にはその先、奈良県の中峯山まで路線が書いてあって、これがあれば上野へ行かずに、直接名張へ抜けられるのにと思った路線だ。
 乗客はおばあさんと私の2人だけ。名張川を渡って対岸へ行くと、いつしか道はバス1台がやっとの細道になってしまった。
 名張駅前から15分ほどで、意外とあっさり終点に到着してしまった。ただし、転回場はないようで「ちょっと折り返してくるから、降りてまっといて。すぐ来るから」という運転士さんの言葉を残して、そのまま先へ行ってしまった。
124.葛尾12:10→12:26名張駅前(三重交通)370円 三重22き・877 日野
葛尾の三重交通 葛尾バス停  数分して先ほどのバスがやってきた。運転士さんに聞いてみると、奈良県への路線は、この先は毛原神社だけだそうで、中峯山方面はかなり前に廃止になったとか。
 ここからは、運転士さんといろいろと会話がはずんでしまった。以前は貸切でよくディズニーランドへ行ったこと。今は単独運行になってしまった夜行高速バスだが、当時は京急と共同運行。京急が3列シートで三重交通が4列シートだとお客に知れ渡ってしまい、京急の運行日ばかりに予約が入るようになってしまったこと。あわてて三重交通も3列シートに改造したのだけれども、なかなかどうして、今となっては夜行高速バスは、それほど儲かるものではないとのこと。
 結局、帰りは貸切。誰も乗ってこないまま、名張駅前に到着した。運転士さんは「まだ近くの路線なら、乗ってくる時間があるよ」と言ってくれるが、さすがに昼食を取りたいので、それはパスした。
125.名張駅前13:10→14:21奥津駅前(三重交通)1010円 三重22き・528 いすゞ/富士重工
名張駅前の三重交通  JR名松線の終点、伊勢奥津駅へ行くバスに乗る。けっこうな山道を走ると聞いていたので、小型のバスを予想していたのだが、けっこう大きなバスだ。
 市街地を抜けたバスは、やがて名張川に沿った渓谷を走っていく。そういえば、石山から信楽に抜けたバスの車窓と似ているなあと思った。ところが、突然目の前に、巨大なコンクリートのダムサイトが現れた。新しい広い道で、一気にダムの上まで走り上がる。
 そのまましばらく走ると、道幅が狭くなり川とほぼ同じ高さを行くようになった。すれ違いにも苦労するような細道だけれども、ここはれっきとした国道368号線。改修工事が済んで、立派な道路になっているところもあったけれども、バスは旧道の集落の中を走っていく。
 やがて、バスは奈良県御杖村に入る。敷津バス停で、御杖村営バスが停まっているのが見えた。ここから、再び三重県に戻るまでが、道が狭い上に対向車が多く、運転士さんも苦労していた。旧盆期間の土曜日ということもあるのだろうが。
 やがて、国道から右のバス1台がやっとの道に入って行く。どうやら駅が近いらしい。その狭い交差点を左に曲がって短い坂を登ったところが、奥津駅前だった。
126.奥津駅前14:45→15:35竹原(美杉村営バス)1000円 三重22き10−23 日野
奥津駅前の美杉村営バス ダム湖の風景  やってきたのは、三重交通のリエッセ。車体に「美杉村営」の文字はない。しかし、竹原の行き先を出しているし、村営バスのポールに停まったのだから間違いないだろう。
 北畠神社を見学に行くというご夫婦といっしょに、バスは奥津駅前を発車した。広くて快適な国道を走っていく。飼坂トンネルを抜けてその先の交差点を左折すれば、北畠氏館跡庭園などがある北畠神社はすぐそこだった。
 ここからは乗客は自分だけ。途中で、何やら行き先を書いたワゴン車とすれ違う。「あれも村営バスなんですか」と聞くと「そう。これと、ワゴンと、赤いスクールバスの3台で、すべての路線をやりくりしている」とのこと。
 隣を流れる八手俣川の渓流はとてもきれい。ちょっと途中下車して、足を入れたくなってしまう。診療所前バス停から、ようやく地元のお年寄りが5〜6人乗ってきた。しかし、それほど長い距離を乗らずに降りていくから、再び1人になってしまった。
 やがて八手俣川は湖のようになってきた。その湖岸はびっしりと青草が生えている。そして、その湖を造っていた君ヶ野ダムが現れる。つづら折りで一気に下れば、そこが竹原だった。
美杉村営バスのバス停
127.竹原16:10→16:54久居駅(三重交通)790円 三重22き・436 いすゞ/富士重工
竹原の三重交通 竹原バス停  竹原は、名松線の伊勢竹原駅とはちょっと離れた、踏切のところにあった。三重交通と美杉村営バス、それに美杉村のスクールバスのポールが並んで立っていた。
 次に乗るバスが、竹原から久居駅へ行く最終バス。もし、最終バスがもう2時間遅ければ、北畠神社で途中下車ができたのだが。まあ、そうするとさすがに夏とはいっても、景色は見えなくなってしまうけれども。
 夕方に駅へ向かう便だから、帰宅する人たちとは反対方向。定刻に発車したバスには、案の定自分しか乗客はいなかった。途中からの乗客もおらず、早着してしまうようで、機会を見ては時間調整をしている。伊勢大井駅付近は、完全に線路の隣を走るものの名松線の本数は少なく、走ってくる列車に出会うことはなかった。
 やがて左折して井関というところで、一面のヒマワリ畑が広がっていた。おもわず声を上げてしまった。すると運転士さんが「見ますか、いいですよ」と言ってドアを開けてくれた。何でも休耕田対策だそうで、昨年は一面のコスモス畑だったとのこと。早着ぎみだったのも幸いして、バス停でのヒマワリ見学&撮影タイムがプレゼントされた。
 その先で高野団地というところへ寄っていく。途中に3カ所の停留所があったけれども乗客はなかった。しばらく行くと、近鉄の踏切を渡る。バス停と同じ川合高岡駅が近くだ。普通列車しか停まらない近鉄大阪線の小駅で、ここからバスに乗り換える人もいなかった。
 結局、自分だけの貸切状態のまま、約45分ほどの乗車で終点の久居駅に到着した。
ヒマワリ畑
128.久居駅16:55→17:20津駅(三重交通)390円 三重22き・247 いすゞ/富士重工
久居駅の三重交通  前のバスがどうせ遅れるだろうと、久居駅からのバスはもう1本後を予定していた。しかしながら、竹原からのバスがしっかり時間通りに着いたので、乗り継ぎ時間が1分しかない津駅行きに乗ることができるようになった。
 このバスは榊原温泉のある榊原車庫前始発なのだが、車内に乗客の姿はなかった。まあ、土曜日の夕方に温泉へ行くならともかく、戻ってくる乗客もいないのだろう。
 近鉄名古屋線の線路をくぐり、JR紀勢本線の踏切を渡ると、そこが阿漕駅口バス停。その先で県道から片側2車線の国道23号線に入る。この国道に入ると、ぼちぼちお客さんが乗ってきた。走る系統も増えてバスの本数も増えたから、都市部を走る街中路線バスの姿になったのだろう。
 三重会館前バス停辺りが、津城趾にも近く津市の中心地らしい。津駅まではまだ少しあるようで、この辺りから乗ってくる人もいた。やがて、左折して津駅前に入っていく。久居駅から25分。どちらかといえば、単調な路線が、今日の最後の路線となった。

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