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第20日 〜2002.8.29(木)〜

大曽根→八幡営業所

139.大曽根8:05→8:43高蔵寺(名古屋ガイドウェイバス)620円 尾張小牧200か・191 三菱
大曽根のガイドウェイバス 大曽根駅ホーム  これから乗るガイドウェイバスは、正式には鉄道の仲間だ。ただし全区間が鉄道なのではなく、途中の小幡緑地の先のガイドウェイ区間の終点まで。その先は、普通のバス路線としての運行になる。車両もどう見たってバスだし、今回の旅の話題にぜひ乗っておこう。
 ホームは高架になっていて、対面式のホームがきちんとある。その先は、広い折り返し場になっていて、そこにはガイドウェイはなかった。やがてバスが、ガイドウェイの外周に沿って、ゆっくりとホームにやってきた。運行は、名鉄、JR東海バス、名古屋市営バスの3社局が担当しており、乗車予定の車体には名鉄のシールがあった。
 ガイドウェイ区間は、新交通システムと同じ。運転士さんは、アクセルとブレーキ操作だけで、ハンドルは必要なし。ガイドウェイによって、勝手にハンドルを切ってくれる。この操作を見たかったのだが、前の座席は早々に埋まってしまった。けっこう、アップダウンのある、高架専用道をバスは走っていく。
 やがて小幡緑地に到着。この先で坂道を下ったところに遮断機がある。ここで、ガイドウェイ区間は終わり。運転士さんは何やら操作をして、遮断機が上がると、ここからはハンドルを握って走り出す。
大曽根のガイドウェイバス
140.高蔵寺駅北口8:57→9:04藤山台南(名古屋鉄道)230円 尾張小牧22か・768 三菱
高蔵寺駅の名鉄バス  高蔵寺駅の線路下の通路を通って、北口の名鉄バス乗り場に向かう。とりあえず小牧駅を目指したいのだが、高蔵寺駅からの直通はない。途中で何回か乗り換えることになる。
 名鉄のウェブページを参考にして、いろいろな経路を試してみた結果、この時間は藤山台南行きのバスに乗るのがよいようだ。
 やってきたバスは、通路の左右に2人掛けのハイバックシートが並ぶ。リクライニングこそしないものの、座布団も1人ずつになっていて、短距離の路線車としてはかなりグレードが高いように感じられた。そのかわり、座席定員以上乗ってしまうと、途中で降りるのにも困ってしまいそうだけれども。
 この時間は、団地から駅への輸送が中心のよう。このバスに乗ったのは、自分を含めて2人だけだった。駅前を出発すると、とにかく団地の中を進む。行き先の名前からして、団地の中のロータリーが終点なのだろうと予想していたが、実際はそうではなかった。何でもない団地の中の道端が、終点の藤山台南だった。バスの折り返し場はどこか別のところにあるようで、あっというまに走り去ってしまった。
141.藤山台南9:25→9:59春日井農協前(名古屋鉄道)550円 尾張小牧22か12−10 三菱
藤山台南の名鉄バス  藤山台南始発の春日井市民病院行きに乗る。このバスも、どこかの折り返し場で待機していたのか、発車時間の直前にやってきた。
 発車したバスは、来た道を戻る。広い通りを左折して、駅とは反対方向へ行く。どこまで行っても団地が続く。それも、高森台西というところで終わり。景色は一変する。
 坂道を下った先の交差点を左折して、あとは県道をひたすら走っていく。お客がたまに乗っては、たまに降りると行った程度。思ったよりも混まない路線だ。もっと、病院へ行く人が停留所ごとに乗ってくるのかと思っていたのだが。県道の流れはそれほどよくない。バスもだんだんと遅れているようだ。実は、次のバスへの乗り継ぎ時間が、定時運行で7分しかない。まあ、なんとかなるだろうとは思うものの、すでに6分遅れている。
 鳥居松バス停の放送が流れる。たしか、春日井農協前はこの次と思ったら、再び「次は鳥居松、小牧方面へお越しの方はお乗り換えです」の放送が流れる。何と、交差点の手前と右折してからの2回、鳥居松バス停があったのだ。そんなことは知らないから、次で乗り継ぐ予定を立てていた。でも、まあ、大丈夫だろうと、予定の通り春日井農協前まで乗ることにした。
142.春日井農協前10:00→10:26小牧駅(名古屋鉄道)390円 尾張小牧22か・834 三菱
春日井農協前の名鉄バス  乗り継ぎのバスは、すぐそこに来ていた。あわてて片手でシャッターを押したから、露出もフレーミングもいいかげん。それでも、間一髪でよく間に合ったものだ。
 総合体育館前までは、市街地といった雰囲気だった。しかし、そこからしばらく行くと、今度は工業地帯といった雰囲気になる。それほど大きな工場が密集しているわけではないが、バス停にも東海工業ミシン前や東海ゴム前、シーケーディ前といった、企業名をつけたバス停が現れるようになった。
 その先で、堀割になった名鉄小牧線の上を越えていく。この辺りは、線路が堀割や地下になっているので、どこに駅があるのか、バスからではよくわからない。
 やがて右折してしばらくいくと、駅西というバス停があり、ここでけっこうな人数が降りた。といっても線路はまったく見えない。
 どの建物が駅なのだろうと辺りを見るが、まったくわからなかった。そのうち、高架を走る桃花台新交通システムを発見して、「ああ、ここが小牧駅なんだ」とようやくわかった。
143.小牧駅10:40→11:06岩倉駅(名古屋鉄道)390円 尾張小牧22か・834 三菱
小牧駅の名鉄バス  10:35の桜井・小木経由の岩倉駅行きにも間に合ったのだが、せっかくだから本数の少ない、小牧市役所・三ツ渕中経由に乗ろうと待っていた。すると、やってきたのは先ほど写真を取り損ねた、ここまで乗ったのと同じ車両だった。都会の路線バスは、同じ区間を行ったり来たりするだけだと思い込んでいたが、こんなこともあるのだ。
 この路線も、全体的な印象は、住宅地の中を走っていく路線といったところ。ただ、先ほどとは違い、途中で水田が見えたり、小牧空港へ着陸しようと車輪を出して降下してくる飛行機が見えたりと、それなりの変化があった。
 平日のお昼前で、あまり人の動きがないのか、それほど乗客は乗ってこない。そんな状況のまま、終点の岩倉駅へ到着した。
 次に乗るのは尾張一宮行き。しかし、バス乗り場の案内を見ても、尾張一宮という乗り場がない。降りたバスがまだ停まっていたので運転士さんに尾張一宮行きの乗り場をたずねると「駅の反対側から出ている」とのこと。地下道を通って行ってみると、すでに乗車予定のバスは来ていた。
144.岩倉駅11:20→11:41尾張一宮駅前(名古屋鉄道)440円 尾張小牧22か14−32 三菱
岩倉駅の名鉄バス  まだ発車まで時間はあったものの、冷房恋しさに早々に乗り込んでしまう。このバスも、数人の乗客を乗せて岩倉駅を発車した。
 それにしても、今日はこれまで、ほとんどが20〜30分程度の住宅地の中の路線ばかり。あまり代わり映えがしないのが、正直言ってつまらない。
 この路線は、ほとんど寄り道をせず、ひたすら尾張一宮を目指す。名神高速道路をくぐり、西へ西へと走っていく。
 回りの建物に、商店の割合が増えてきたなあと思ったら、もうすぐそこが尾張一宮駅だった。この駅は、JRと名鉄が同じ位置に高架駅を持っているにもかかわらず、JRが尾張一宮、名鉄が新一宮と異なる駅名を名乗っている。
 バスは駅東側、JR側の駅前が、終点の尾張一宮駅前だった。ただ、バスの始発は西側、名鉄側にある新一宮バスターミナルからになるとのこと。ここからでも乗車できるようだったが、せっかくだから始発から乗ろうと、高架駅下のコンコースを抜けてJR側から名鉄側へと回っていった。
145.新一宮バスターミナル11:50→12:25川島(名古屋鉄道)500円 尾張小牧22か14−53 三菱
一宮ターミナルの名鉄バス 川島バス停  高架下の薄暗いバスターミナルに到着すると、乗車予定のバスの発車まであまり時間がない。待っていたバスの写真を1枚撮ると、すぐに乗り込んだ。このバスで愛知県を出て、いよいよ岐阜県の川島町へ行く。
 バスは10人ほどの乗客を乗せて、新一宮バスターミナルを発車した。発車したバスは、南側から駅をぐるりと回って尾張一宮駅前に向かう。しかし、ここから乗ってくる人はいなかった。やっぱり、乗るときはほとんど同じ場所だもの、始発から乗る人がほとんどなのだろう。
 バスは北へ向かって走っていく。その途中で、どんどん降車ボタンが押されて、ひとり、またひとりと降りていく。せっかくの貴重な県境越えバス路線も、愛知県内の利用者がほとんどのようだ。
 河田というところで左折して、少し行くと青い橋で木曽川を渡る。ここを渡れば岐阜県だ。木曽川といっても、かなり流れが狭い。というのは、ここは木曽川の流れが二手に分かれていて、その巨大な中州に広がっているのが岐阜県川島町なのだ。
 愛知・岐阜県境をこのバスに乗って越えたのは、けっきょく2人だけだった。その、もう一人の乗客も川島学校前で降りてしまい、終点まで乗ったのは自分だけだった。
 終点には名鉄バスの川島バス停と、岐阜バスの川島松倉バス停が仲良く並んでいた。この終点は、バスが数台停まれるような広場になっていた。バス停が前に立つ商店には、名鉄・岐阜バス両者の「きっぷうりば」の案内が貼り付けてあった。
川島のきっぷうりば
146.川島松倉13:28→13:56新岐阜(岐阜乗合自動車)590円 岐阜200か・172 三菱/新呉羽
川島松倉の岐阜バス  一宮へ行く名鉄バスは30分ごとにあるが、新岐阜へ行く岐阜バスは本数が少ない。次のバスは12:40だ。ところが、時間になっても、いっこうにバスは現れない。さすがにこれはおかしい。12:50になって、時刻表に記載されている番号にダイヤルする。何回かのやりとりのあと、車庫に問い合わせをしてくれることになって、12:55に再びダイアルすると「該当のバスが事故にあったので、今代車を向かわせているから、あと15分ほど待って欲しい」という。
 電話の通り、13:10過ぎに、回送の幕を出した岐阜バスがやってきて、運転士さんと整備の人が降りてきた。「お客さん、新岐阜までの方。もう少し待っていてね」と言って、どこかへ行ってしまった。さらに待つこと10数分。ワゴン車から若い運転士さんが降りてきて「お待たせしました」という。この方が運転担当とのことで、ワンマンテープをセットしたり、方向幕をなおしたりして、けっきょく定刻48分遅れで、川島松倉を発車した。
 「事故だから運休します」と言ってもいいところを、ここまでやってくれたのだから感謝しよう。さすがに、こんなに遅れたバスを待つ人は、途中停留所にはいなかった。終点まで貸切のまま、新岐阜に運ばれた。
147.新岐阜13:58→14:26高富大竜寺(名古屋鉄道)450円 岐阜22き・492 三菱
高富大竜寺のバス専用道 新岐阜の名鉄バス  当初の予定では、新岐阜から長良橋まで、民間への移行が決まっていり、廃止になってしまう岐阜市営バスに乗ってみようと思っていた。しかしながら、これだけ遅れてしまうと、もうその時間はない。第2案として考えていた名鉄バスの高富大竜寺行きも、バス停に来てしまっている。引きがなく前しか撮れないが、それでも一応撮影してからバスに乗り込む。
 新岐阜を通るバスは、岐阜市営バスを除けば岐阜バスの愛称で呼ばれている、岐阜乗合自動車のバスが中心だ。ところが、西鏡島〜新岐阜〜高富大竜寺だけは名鉄バスが走っている。岐阜県内に名鉄バスが、ぽっかりと離れ小島のように路線をもっているのだ。かつてこの区間に名鉄が鉄道を走らせていた頃の名残なのだ。
 そして興味を引くのは、高富大竜寺にはかつての駅跡、線路跡が残っており、高富大竜寺止まりのバスだけが、その廃線跡を利用した「バス専用道」を走るのだという。ぜひ、その道をバスに乗って通ってみたい。そう考えて、この高富大竜寺止まりのこのバスに乗る予定を立てたのだった。
 新岐阜を発車して徹明町までは、名鉄岐阜市内線の路面電車と一緒に国道256号線を走っていく。回りは岐阜の繁華街で、商店が続いている。徹明町から先、長良北町まで市内線が続いていたのだが1988年に廃止されてしまった。学生時代に、岐阜ユースホステルに泊まるため、市役所前までは乗ったことがあるのだが、終点まで乗らなかったのが悔やまれる。
 鍵形に曲がった国道を走っていくと、長良橋で長良川を渡る。その先が、路面電車の終点だった長良北町だった。
 この長良北町から高富まで走っていたのが名鉄高富線で、市内線よりもさらに昔の1960年に廃止されている。なんでも、小さな車両では運びきれないほど乗客が増えたので、バス輸送に切り替えたのだそうだ。
 名鉄バスは高富まで運転されているが、現在の高富バス停は名鉄バスの岐阜営業所だそうで、鉄道時代の高富駅が現在の高富大竜寺バス停付近なのだという。しかも、高富駅跡がそのままバスの車庫に使われていて、高富大竜寺止まりのバスだけがその鉄道跡地に乗ったまま行けるのだという。
 やがて、車内放送が終点を告げる。県道から緩く左に分かれる道に入る。舗装もよくなくガタガタと車体が揺れる。道路の入口には、縦書きで名鉄バスの専用道であることが書かれている。その専用道は200mくらいだった。入ってすぐはバス1台がやっとの道幅だが、奥へ行くとかつての駅だったのだろう。大変広くなっていて、待合室も専用道の道端に建っていた。
専用道のバス停
車庫に停まる名鉄バス
148.高富大竜寺14:46→15:20洞戸(岐阜乗合自動車)790円 岐阜22き22−75 三菱
高富大竜寺の岐阜バス  県道まで90mほど歩いて、通り沿いにある高富大竜寺バス停で次のバスを待つ。やってきた板取門原行きは、そこそこの乗車率。やがて道は県道から国道に変わった。伊佐美という変形の交差点を国道に沿って右に曲がって行くと、風景に田園地帯から山の中に変わっていった。
 ひと山越えたところで右折すると、岩佐というところ入った。ここでは国道から右側の狭隘路に入っていく。この道が思いっきり狭かった。このバス1台がやっと。古くからの集落なのだろう、両側には民家がけっこう建っている。この区間で降りる人が多かった。そして、そんな狭隘路でも対向車はやってくる。たまたまやってきたトラックは、仕方なくなのかいつもそうしているのか、1件の民家の敷地に頭から突っ込んで、待避をしてくれた。
 その先、橋を渡った樫瀬というところでは、団体で乗っていた中学生が降りていく。忘れ物があったので、声をかけてあげると取りに来たが、お礼の言葉もなく降りていった。
 トンネルをいくつか抜けて走っていくと、いつしか洞戸村に入ったようだ。村役場の前を過ぎれば、洞戸バス停はすぐ近くだった。
 バス停の前にレストランがあったので、ものすごーく遅い昼食をとることができた。
149.洞戸16:39→17:08美濃市駅(岐阜乗合自動車)740円 岐阜22き・763 三菱
美濃市に着いた岐阜バス 保存車両  次に乗る予定のバスには、「学休日運行」の文字がある。レストランの方に「この辺りの学校はもう始まっていますか」とたずねると「もう始まっています」とのこと。ということで、もう30分遅いバスになってしまった。
 時刻表には16:30と書かれているのだが、なかなかやって来ない。始発からそれほど離れてはいないのだが。ようやく16:39になってやってきた。車内には誰も乗客はいなかった。
 役場の前で右折して、板取川に沿ってバスは走っていく。その川には、鮎釣りをしている人がたくさんいた。その河原に保冷トラックが停まっている。そのボディには大きく「おとり」の文字が。友釣りのおとりの出張販売なのだろう。
 その先で4回ほど、県道を離れて脇の集落の中に入っていく。そしてその道が極めつきに狭い。よくぞ、こんな道をバスが走るものだと思ってしまう。
 板取川が長良川に合流した先の新美濃橋を渡って、国道に合流すれば、美濃市駅まではもうすぐだ。終点のひとつ手前、美濃バス停は旧名鉄美濃駅前だった。いったん美濃市駅まで行った後、名鉄電車に会いにここまで歩いて戻ってみた。
記念碑
150.美濃市駅17:32→18:39八幡営業所(岐阜乗合自動車)1170円 岐阜22き・572 三菱
美濃市駅の岐阜バス  新岐阜から郡上白鳥まで、一般道を行く長距離普通バスに、美濃市駅から八幡営業所まで乗っていこう。
 バスはほぼ定刻にやってきた。さすがに、この長距離を乗り通す人はいないようで、車内には誰もおらず、ここから乗ったのも3人だけだった。
 バスはひたすら国道156号線を走っていく。長良川と長良川鉄道もほぼ同じルートで走っている。走っていく長良川鉄道のレールバスを車窓から見ることもできた。
 さすがにこの時間になると、だんだんと暗くなってくる。郡上八幡駅が近づくと、右側の一方通行路に逆送して入っていく。ここにも、進入禁止の標識の下に「路線バスを除く」の文字があった。踏切を渡ると道は狭い。その道を進むと、郡上八幡駅があった。
 ただ、八幡の街は駅から離れている。そして、その街中にはバスは入れないそうで、その外周をぐるっと回っていく。郡上高校前から城山トンネルをくぐって、町外れに出ると、そこからようやく少しだけ街中の郡上八幡プラザへ立ち寄る。ここが実質的にバスターミナルになっているようだ。再び外周道路に戻って、郡上八幡トンネルを抜けると、ようやく八幡営業所に到着した。

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