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第34日 〜2002.12.25(水)〜

浪江駅→くりこま高原駅

242.浪江駅6:30→9:01福島駅(ジェイアールバス東北)2300円 福島200か・232 日野
浪江駅のJRバス  冬至の頃は日の出が6:50前後。しかし、今朝は6:30のバスに乗らなければならない。発車時間が近づくと、空も薄明るくなってきた。駅からの乗車は、私を含めて2名。高校生は乗ってこない。早すぎるのか、完全に冬休みなのかのどちらかだろう。
 浪江の街を抜けてしばらく走る。やがて空も明るくなってくる。平地が終わり、道が登り坂になる。堰守橋を渡ると左手に大柿ダムが見えてくる。そしてトンネルを抜ければ、左手にダム湖が現れる。トンネルを2つほど抜けると、昨日バスを乗り継いだ川房大柿だ。
 お客はおらず通過する。次のトンネルの手前で、左折して細道に入っていく。小さな集落があり、矢具野バス停があったものの誰も乗ってこなかった。
 国道に戻ったものの、いつのまにかセンターラインのない狭さになっていた。中椚平付近が一番狭かったようで、何度も停車して、対向してくるトラックと行き違いをしていた。
 浪江町の内陸部では大きな集落である津島についても、誰も乗ってこない。折返し便や二本松への福島交通のバスも出ているジャンクションでもあるのだが。
 津島境バス停では、バスの目の前をキジが横断していく。国道をキジが横断していくとは、なんとものどかな風景だ。
 この先、バスは川俣町へと入っていく。すると、だんだんとバス停に待ち客がいるようになった。高校生や病院通いのお年寄りたちだ。たちまち、2人掛けの席もいっぱいになってしまった。
 多少の立ち客がいる状態で、川俣高校前に到着。ここで高校生の大半が降りる。街中の病院で降りるお年寄りもいれば、福島へ行く人が乗ってきたりと、川俣の街中の停留所は、乗り降りとも活発だった。そんなこともあって、バスはだんだんと遅れてきた。
 福島駅での乗り継ぎ時間が15分しかなくあせったものの、けっきょく10分遅れで福島駅東口のロータリーに到着した。定時でも2時間21分もかかるロングラン路線。10分程度は遅れのうちに入らないのかもしれない。
243.福島駅東口9:06→10:36広瀬通仙台駅(冨士交通)800円 宮城200か・260 ボルボ/富士重工
福島駅の冨士交通  福島県と宮城県を結ぶ一般路線バスは、1999年3月末に相馬と角田を結ぶJRバス角田線が廃止されて、なくなってしまった。そこで、当初は県境を歩く距離が一番短い経路をとるつもりでいた。福島から福島交通で藤田、貝田駅入口と進み、そこから県境を歩いて、宮城県の越河清水バス停まで行く。そこから宮城交通のバスを乗り継ごうかと。
 しかしながら、冬の国道歩きに多少の心配があった。もし、積雪があったら。除雪された雪で歩道が埋まっていたら、等々。
 そこで、福島〜仙台間は高速バスを利用することにした。そして、どうせ利用するなら、今回の改正道路運送法で新規参入した、富士交通のバスに乗ってみよう。既存3社(JRバス・福島交通・宮城交通)の抵抗にあって、かなりの苦戦が伝わっている。
 既存3社の抵抗で駅前ロータリーに停留所を持てなかったため、道路上にある福島駅東口バス停へ向かう。すでに7〜8人の人が並んでいた。やってきたバスは後部2階建てのボルボアステローペ。予約不要の自由席だから、みなそれぞれ好きな席に座っていく。中には、後部1階のサロン風のところに座る人もいるようだ。
 もっとガラガラかと思ったらそうではない。その後の停留所でも、ぞくぞく乗車がある。最後の停留所、福島西インター停留所でも2名乗車。その後、客室乗務員から運転士に「乗客32名」と報告するのが聞こえてきた。
 高速に入って、まず客室乗務員さんによる乗車券の販売があった。既存3社との差別化は、客室乗務員の乗車と飲み物の無料サービスだという。回数券状のきっぷを切り取って売っていく。それと同時に飲み物の希望を聞かれる。コーヒーかお茶とのこと。コーヒーをお願いしておく。
 しばらくして、紙コップに入ったコーヒーが運ばれる。一番前に座ったので、コーヒーを飲みながら、すれ違うバスを眺めることもできる。当初は、このボルボで全車をそろえる予定だったのが、富士重工がバス事業から撤退することになって、それ以降はいすゞ車を投入しているとか。たしかに、何台かの富士交通とすれ違ったものの、ボルボはなかった。
 高速を降りて多少渋滞したものの、その遅れは10分ほど。広瀬通一丁目で大半のお客は降りてしまった。仙台駅まで乗ったのは、自分を含めてわずか数人だった。
仙台に着いた冨士交通
244.仙台駅11:50→13:47古川駅前(宮城交通)1270円 宮城22か60−69 いすゞ/富士重工
仙台駅の宮城交通  11時を回ったので、仙台駅3階にある「伊達の牛たん本舗」で早めの昼食。朝食をほとんどとっていないので、1.5人前というのを頼む。牛タンって、こんなにやわらかいものだったのか、というのが感想。個人的には、あのコリコリ感も好きなのだが。
 仙台からは一般道を行く急行バスで古川駅を目指す。もうお昼近いが、これが今日の初便。急行バスというから、リクライニングシートのバスを想像したが、前中ドアの路線タイプのバスだった。仙台発車時点で10人以上乗っている。定刻に発車したものの、年末の買い物客が多いからか、広い道路の歩道寄り1車線は、駐車場待ちの車が列をなしている。その他の車線も渋滞気味だ。
 古川駅到着予定が13:20だというのに、ようやく13:07に吉岡志田町に到着した。ここで半分以上のお客さんが降りてしまった。仙台〜古川間はJRの高速バスが頻発しているから、通しの乗客は少ないのだろうが。その先の、大衡村内の停留所でも下車が続く。このバスは、国道4号線沿いの、鉄道から離れた、富谷町、大和町、大衡村、三本木町などを通っていく。定刻27分遅れの古川駅に降り立ったのは5人だった。
245.古川駅14:40→15:41築館町(ジェイアールバス東北)890円 宮城200か・558 日野
古川駅のJRバス  今度のバスも乗客が多く、列を作って乗り込んでいく。写真を撮ってから乗り込むと、何とか最後部の隅に座ることができた。数えてみると、始発の時点で19人乗っていた。
 定刻に発車するものの、古川の街も渋滞していた。その渋滞した街角から乗ってくる人もまた多かった。ノロノロ運転をしながら、江合川を渡ると左折する。そこから旧道に入ると、ようやくスピードが上がってきた。古川までの急行バスと違うのは、すぐに右や左の旧道に入っていくことだろう。信号のない分岐や交差点も多く、運転するのはなかなか大変だろう。
 高清水を過ぎると、雪が舞ってきた。走っている車内から、雨ではなくはっきり雪だとわかるのだから、それなりの大きさの雪が降っているのだろう。12月の東北だから当然雪は覚悟していたのだが。ここまであまりにも雪を見なかったから、まだ山へ行かない限り大丈夫かと思いかけていたのだった。
 高清水町から築館町へと入っていく。一番後ろに座っていた母娘も、築館町内で降りていった。空き地の中央にヤマザキデイリーストアの建物が建つ、築館町に降り立ったのは4人だった。古川市街地での遅れをずいぶん取り戻して、定刻に8分遅れただけだった。
246.築館町16:18→16:38くりこま高原駅(宮城交通)420円 宮城200か・655 いすゞ(ワンステ)
築館町の宮城交通  今日最後のバスは、宮城交通の石越行き。発車予定時刻は16:04なのに、時刻を過ぎてもやってこない。ここはバス駅になっているのだが、実は通りにもポールが立っているのがちょっと不安だ。コンビニと同居した待合室にも、きちんとこのバスの時刻が書かれているし、大丈夫だろう。他にも不安になったのか、お店の人にたずねる人がいた。すると「病院が混んでいて、発車できないのじゃないですか」とのこと。このバスの始発はここではなく、病院前なのだ。
 ようやく16:18にワンステップバスが、薄暗くなった中をLEDを光らせてやってきた。乗り込むとまだ新車の匂いがする。先客はゼロ。ここから乗ったのは、自分と先ほどたずねていた男性だけ。宮城交通の営業所で1人乗って、それから途中でもう1人乗っただけだった。
 太陽もすっかり沈み、真っ暗になった雪降る道を、バスは走っていく。暗闇にライトで照らされた雪はかなりの大粒に見える。ぼちぼち道路にも積もり始めている。
 そんな中、暗闇に浮かぶ光の城が見えてきた。なんと、それが新幹線のくりこま高原駅だった。バスはその光の城にゆっくりと近づいていった。4人の乗客に、新幹線利用者はおらず、ここで降りたのは自分だけだった。バス乗り場とは反対側にあるホテルへと急いだ。

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