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第37日 〜2002.12.28(土)〜

遠野駅→盛岡駅

255.遠野駅8:08→9:06恩徳(早池峰バス)720円 岩手200か・199 いすゞ(ワンステ)
遠野駅の早池峰バス 恩徳についた早池峰バス  8時ちょうどに駅前のバス乗り場に立っていると、なかなか興味がつきない古いタイプのバスが次から次へとやって来る。
 ところが、やってきた恩徳行きは、窓までラッピングシールが貼られた、新型のワンステップバスだった。伝承園などの観光地を通るから、とびきり新しい車両を入れているのだろう。
 駅前から乗ったのは、自分と高校生くらいの女性が1人。途中で風呂敷包みの中年女性が乗って、その先、雪で真っ白は道端からお婆さんが乗ってきた。そのお婆さんは、乗った次の停留所で降りていった。
 バスは須崎というところから水光園まで往復してくる。けっこうな登り坂で、行きはよかったものの、下りはエンジンブレーキだけでそろりそろりと下りてくる。その後も、和野から山口まで枝道を往復する。山口の折り返し場には「JRバス回転場」の看板があった。ここもかつては、遠野北線というJRバス路線だったのだ。
 その先で女子高生が降りて、中年の女性と2人になった。西内バス停を過ぎると「本日はご乗車ありがとうございました・・・」と放送が流れて、運賃表示器が500円台から一気に720円に上がった。道は急に登り勾配がきつくなる。周囲は雪に埋もれた林しか見えない。
 放送が入ってから何分走っただろう。ようやく牧場らしき建物が見え、その先にある一件の家の前が恩徳だった。遠野の昔話では「恩徳のなにがし・・」というのがよくあるけれども、今の恩徳に住む人は少ないようだ。
遠野駅の早池峰バス
256.恩徳9:10→10:03中川井(川井村民バス)770円 岩手22す15−78 三菱
恩徳で並ぶバス
恩徳の川井村民バス 料金表と運賃箱  到着したバスの先に見える赤と白のマイクロバスが、これから乗る川井村民バスだった。ドアは開いておらず、行き先も恩徳のままだ。
 写真を撮っていると、運転士さんが建物から現れて、ドアを開け行き先を川井になおした。
 乗り込んでみると、これはまさに村民バス。車内の料金表には「1.普通使用料 大人に係る使用料・・・・」とあり、このバスは運賃といわず使用料というらしい。
 発車すると、とたんに道が狭くなった。これでは、マイクロバスでないと無理だろう。曲がりくねった雪の山道を登って、ようやく立丸峠。ここを越えると、今度は北斜面になるからか、道の雪も一段と多くなったようだ。曲がりくねった坂を下り、ようやく人家が見えたところが新田。ここまでの1区間が330円と料金表では飛び抜けて高い。
 そこから先は、集落が点在しており、国道から集落への細道に入るところが何カ所かあった。このバスも禁煙車ではなく、車内にタバコの煙が漂ってきた。
 短いトンネルを抜けてJR山田線を跨ぐと、国道106号線との合流交差点。しかしながら、信号機がない。ここを右折して、岩手県北バスの川井バス停と同じところにある、村民バス中川井バス停に到着する。何と、乗っている人全員がここで降りてしまった。
恩徳の川井村民バス
257.川井10:21→11:05宮古駅前(岩手県北バス)800円 岩手200か・202 日デ/富士重工
川井の106急行 宮古駅前についた106急行  ここから茂市までは、国道106号線と340号線の共用区間。国道340号線は茂市から北上するものの、その先の峠越え部分が、狭隘路でバスがない。逆に言えば、バスも走れない悪路だからJR岩泉線が廃止されないのだ。
 そこで川井からは、盛岡〜宮古を走る急行バス「106急行」に乗って、宮古駅前まで行こうと思う。雪もちらついているし、バスは今日も遅れることだろう。そう思っていたのだが、今日のバスは定刻にやってきたのだ。雪の多い区界峠を通る路線だから、雪に対する準備は万全なのかもしれないが、この天気に定刻でやってきたのは、立派としか言いようがない。
 車内はけっこうな乗りで、2席並びで空いているところはなく、しかもそのほとんどが座席に荷物を置いて2席分占有している。そこで、補助席に座っていくことにした。
 急行バスとはいえ、山田線のあまりの本数の少なさに、地元の短区間利用もけっこう多かった。腹帯で乗って茂市で降りた人。蟇目で乗って千徳駅前で降りていった中学生グループ。そして、千徳駅前から宮古駅前まで乗った人などがあった。
 宮古駅が近づいて、少し渋滞したものの、定刻に宮古駅前に到着した。昨日、陸前高田で買った買い物カードで運賃を支払う。岩手県はカードが2社共通に使えるのがうれしい。
 次に乗る、小本行きのバス乗り場探す。本州最東端の地がある重茂半島の里行きバスには長蛇の列が出来ていたが、小本行きに並んでいる人はいなかった。里行きは、空いていれば飛び乗ってしまいたくなるほどの、なつかしい観光タイプのバスだった。発車時刻が近づくと、どこからともなく乗客が集まってきた。
里行きのバス
258.宮古駅前11:15→12:26小本駅(岩手県北バス)880円 岩手200か・430 日デ/富士重工(ワンステ)
宮古駅前の県北バス  やってきたのは、まだ車内にキズもない、ピカピカの新車のワンステップバス。ところが、年末の買い物帰りなのか、バスは大盛況。2人掛けに2人ずつ座っても、立つ人が出る状況だった。
 宮古の市街地は、買い物の自家用車が多くノロノロ運転。末広町、中央通りとバス停ごとに待ち人がいて、車内はますます混雑してくる。市役所から国道45号線に入って、ようやく車が流れるようになってきた。
 交差点を左折して、北に向かっていく。中里団地、佐原団地と下車が続き、宮古病院前では半分くらいの人が降りた。しかし、ここからの乗車が20人近くあり、立つ人はいなくなったもものの、相変わらず満席が続く。
 三陸鉄道よりは海側を走っているものの、海岸線からはずいぶん内側を走っているから、風景は山の中だ。ときおり、沢に架かる橋を渡るときだけ、ちらりと太平洋を臨むことができる。そんな、山の中のどこに家があるのだろうかと思うのだが、けっこう頻繁に降車ボタンが押される。けっきょく田老に着く頃には、車内は4人になっていた。
 田老では、いったん国道を右折して大堤防をくぐり、魚市場前までぐるりと寄り道をしてくる。田老から高校生が3人乗ったものの、けっきょく摂待に着いたときには貸切になっていた。
 茂師というところで、ようやく間近に太平洋を臨めるようになった。それもつかの間、すぐにトンネルに入ってしまい、それを抜ければ、もう小本の町だった。
259.小本駅12:38→13:06竜泉洞前(ジェイアールバス東北)600円 岩手22き・・30 日野
竜泉洞に到着したJRバス 小本駅前のJRバス  やってきた岩泉行きのバスは、正面に動輪マーク。サイドは丸いツバメマークと、国鉄バスの匂いする車両だった。車内も青いモケットに白いビニールカバー。これも懐かしい国鉄バス仕様だ。
 小本駅から乗ったのは6人ほど。ここから小本川に沿って、国道455号線を岩泉に向かって走っていく。途中での乗降はまったくない。途中で、大牛内行きとすれ違う。あちらも、同型のバスのようだ。
 岩泉中学校で右折して、龍泉洞への枝道に入っていく。前回ここへ来たのは、もう21年も前のこと。久しぶりに入ってみようと、ここで降りることにした。竜泉洞前で降りたのは、一人旅風の中年男性と自分の2人だけ。土曜日とはいえ、さすがにこの年末に来る人は少ないようだ。
見学 竜泉洞
竜泉洞入口 入洞券  まずは、無料の休憩所へ行く。観光客は誰もおらず、広くて無人の休憩室というのは、不気味なものがある。そこで、宮古で買ってきた駅弁「いちご弁当」を食べる。名物のウニを使った弁当で、よく考えると今はウニの時期ではない。それでも、産地だけあってふんだんにウニを使ってあり、おいしい弁当だった。
 その後入洞券を買って、洞内見学に行く。第3地底湖から三原峠まで、一気に標高差35メートルを階段で登るところもあって、けっこうハードだった。
 学生時代に来たときの方が、初めてということもあり感動した記憶があるのだが、今日は2回目ということもあり「こんなだったかな」という感想だ。それでも、エメラルドの地底湖は、きれいだなと素直に感じた。
260.竜泉洞前14:18→14:23岩泉営業所(ジェイアールバス東北)150円 岩手22き・・27 日野
竜泉洞前のJRバス 営業所に着いたJRバス  やってきたのは、さっき大牛内行きですれ違ったバスのようだ。車内の造りは、先ほどのバスとまったく同じだった。
 先ほど乗ったバスの行き先は「岩泉」で、JR岩泉線の岩泉駅まで行く。今度のバスは、駅より手前の営業所止まりなので「岩泉営業所」と長い行き先が書かれている。
 岩泉線の列車は1日3本しかない。特急バスを含め、公共交通の中心は鉄道駅ではなくバスの営業所になっているようだ。その営業所までは、わずか5分。あっというまに、到着してしまった。
261.岩泉営業所14:30→17:02盛岡駅(岩手県交通)2530円 岩手200か・582 いすゞ/富士重工
岩泉営業所の岩手県交通 早坂高原の岩手県交通  岩泉と盛岡を結ぶ長距離バス。JRバスと岩手県交通が共同で運行しているが、冬季は3往復。盛岡行き最終便は、岩手県交通の担当だった。
 やって来たのは、ちょっと古めの観光タイプ。定刻に岩泉営業所を発車。国道455号線を走っていく。やがて、左手に岩泉駅が見えるものの、このバスは駅前には入らない。岩泉線のコンクリート橋をくぐって、駅もある二升石バス停を通過する。岩手落合バス停の先のT字路を右折すると、ここで茂市から来た国道340号線と合流。しばらくは共用区間になる。
 栗畑バス停で中年の女性が降りる。人家のある旧道まで歩いていくのは大変そうだ。比較的まとまって人家がある袰綿では、バスは旧道を経由して、人家の中の雪道を走っていった。
 小川中学校、岩手小川バス停と通っていく。郵便局や旅館もあり、この辺りでは大きな集落だ。そのまま旧道を走っていったところが名目入。ここで、2つの国道は分かれる。今日は、このまま455号線を行く盛岡行きに乗っていく。
 やがて、道はつづら折りの登り坂になる。登り切ったところが、岩泉町と玉山村の境界にある早坂高原。ここで10分間の休憩時間があった。
 早坂高原を出れば、あとは下りが中心。暗くなっていく車窓を眺めると、氷結しているのか真っ白な岩洞湖見えたりする。
 けっきょく、定刻に遅れることわずか2分で、盛岡駅に到着した。こんな長距離バスでもしっかりバスカードが使えた。
早坂高原

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