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第39日 〜2003.3.31(月)〜

岩手小川→八戸・八日町

263.岩手小川7:55→8:56葛巻(ジェイアールバス東北)1020円 岩手22き11−76 日野
岩手小川のJRバス
最終日の車内風景 岩手小川バス停  今朝も雪まじりの雨が降っている。旅館の部屋で見た朝6時のNHKニュースでは、盛岡ローカルの時間に今日岩泉駅前で、明日からJRバスにかえて運行になる地元会社のバスの出発式がると報じていた。
 今日2003年3月31日限りで、ジェイアールバス東北の岩泉営業所と岩泉管内のローカル便が廃止になる。これから乗る岩泉〜葛巻は、1日1往復の運転。早朝、葛巻に向かうバスが上り便の最終ということになる。
 7:51の最終バスは時間になっても現れない。たぶん、営業所で飾り付けや出発式をやっているのだろうと思った。ところが、4分ほど遅れてやってきた最終バスには、何の飾り付けもなかった。しかも、乗っていた2人のお婆さんはここで降りてしまい、車内の乗客はここから乗った自分1人になってしまった。
 車外には何の飾り付けもなかったが、車内には運転席の後ろに1枚「永い間ご利用下さいましてありがとうございました JRバス岩泉営業所」という紙が貼られていた。でも、運行終了を告げるものはこれだけだった。
 名目入を過ぎて少し行くと、運転士さんが話しかけてきた。「お客さん、マニアの方かい」、「ごらんの通り、お客が乗らないんですよ」、「峠を越えるお客は、1人いるかいないです」。そして「私は3度職を変わりましたが、こんな形で仕事を終えるのは今度が初めてです」という言葉には、何ともいえない重さを感じた。たった1人のマニアにそこまで話してくれるなんて。
 「やっと1人おったわ」の言葉に前を見ると、中国境バス停でマニアでないお客さんが待っていた。次の上国境では乗車がなく、この最終バスで国境峠を越えて葛巻町へ入ったのは、この2人だけだった。
 峠の坂道を下り上荒沢口バス停を過ぎると、畑の中に国鉄バスの廃車体があった。中ドアの2マン仕様。まだ、それほど痛んでいないようだ。
 葛巻町に入ってからは、乗車がだんだんと増えてきた。中国境から乗ったおばさんは、山岸というところで降りていった。その後もぽつぽつと乗る人がいて、結局10人ほどになって、終点の葛巻に到着した。
 葛巻〜上荒沢口間は、そのままJRバスとしての運行が残るものの、岩泉町内は今日限りで廃止になる。岩泉町内は代替バスがあるものの、峠越え区間は週1回運行されるのみだという。さっき山岸で降りていったおばあさんは、明日からどうするのだろうか。
上国境付近
葛巻到着
264.葛巻10:00→10:45伊保内営業所(岩手県北バス)690円 岩手22き12−53 日デ/富士重工
葛巻の県北バス  この葛巻に1日3本やってくる岩手県北バスは、九戸村のふれあい広場行き。このバスに乗って、九戸村の伊保内営業所まで行く。
 やってきたのは、前ドアの中型バス。乗客は6人。私以外はすべておばあさんと呼べる年齢に見える女性ばかり。
 バスは茶屋場までは来た道を戻る。そこで左折して国道340号線を行くかと思えば、久慈方面の281号線を行く。一瞬乗り間違えたかなと思ったが、丘の上の「グリーンコテージ」という宿泊施設に寄って、坂を下りると340号線に出た。
 やがて登り坂にかかり、その頂上には「サツ峠」の標識がある。ここを過ぎると一気の下り。雪の牧場が一面に広がっていた。曲面のコンクリートブロックを積んで造った小型のサイロがあちこちに建っている。
 九戸の中心街の入口に伊保内営業所があった。いったんそこで降りて街中へ歩いてみる。すると、市街地の中心に小さなロータリーと待合室があり、その前に立つバス停が「ふれあい広場」だった。
265.伊保内営業所12:22→13:03軽米病院(岩手県北バス)690円 岩手22き12−53 日デ/富士重工
軽米病院についた県北バス 伊保内の廃車たち  伊保内営業所には、廃車になってナンバーを外されたバスが何台も置かれていた。なつかしい形のバスが多い。パノラマウインドウのかつては観光車として働いていたバスが、最後は路線車としてがんばっていたのだろう。そこへ、観音林行きのバスがやってきた。これまた、古い観光タイプだ。宮古で見た里行きと同じ形式だろう。乗ってしまいたくなったが、観音林では食事ができる可能性が低い。
 次に乗るのは、国道340号線沿いにある町、軽米に行くバスだから、当然国道340号線を走るだろうと思ったのが甘かった。このバスは、途中の江刺家から県道をショートカットして軽米に向かうのだった。国道340号線を忠実にたどるのなら、先ほど乗り過ごしてしまった観音林行きで終点まで行って、JRバスで軽米へ行かなければならなかったのだ。
 しかも、やってきたバスは先ほどとまったく同じバス。今度は、下校の中学生がたくさん乗っている。街中のあの「ふえあい広場」バス停から乗ってくる人もけっこういた。それでも、江刺家に着く頃には、中学生はみんな降りてしまい、一般のお客さんも数えるほど。
 ショートカットの県道には、八戸〜久慈の岩手県北バスのバス停がいくつか立っている。新幹線開業で、この辺りからはバスを使ってのアクセスが飛躍的に向上したということのようだ。
 軽米町の円子というところで3人ほど乗ってきた。この地区にとっては、1日3本のこのバスが唯一の公共交通機関なのだろう。やがて、軽米の市街地の外れにある軽米病院に4分ほど遅れて到着した。
乗っておけばよかった観音林行きのバス
266.軽米病院13:30→14:33八日町(南部バス)1120円 八戸22か・496 いすゞ/川崎車体
軽米病院の南部バス バスの正面  軽米病院と八戸の中心街を結ぶ南部バスに乗って、岩手・青森県境を越えていく。
 軽米病院には、岩手県北バス、ジェイアールバス東北、南部バスと3社のバスが乗り入れているが、一番多いのは岩手県北バス。二戸と久慈を結ぶJRバスの本数は意外と少なく、県境を越える南部バスが1〜2時間に1本と健闘している。
 やってきたのは、けっこう古めのバス。床は木で座席は堅めの座面がスプリングで浮いたようになっている。背もたれの枠がそのまま握り棒になっている、そういえば昔乗った記憶があるようなもの。たぶん、都会の中古車ではないだろうか。
 軽米病院ではバスを待っている人がけっこういたのだが、このバスに乗ったのは自分1人だった。それでも、軽米の街中から3人ほど乗ってくる。軽米の街を抜けて、やがて渓谷のような雰囲気の谷間を登っていく。やがて「県境」というバス停があり、そこを過ぎると青森県南郷村に入っていった。いよいよ本州最後の県だ。
 青森県に入ると同時に、降っている雨が大粒になってきた。南郷村に入り、道も平坦になってきた。そして、南郷村の中心辺りから、バスを待っている人が増えてきた。だんだんと座席が埋まってくる。
 やがて信号待ちの渋滞。どうやら八戸の市街地に近づいたようだ。左手に南部バスの営業所、市営バスの営業所が順に現れる。車内はいつしか、ほぼ座席が埋まるほどの乗客になっていた。
 八戸の市街地は一方通行。その一方通行の商店が建ち並ぶ通りを、ノロノロと走っていく。十三日町、三日町と下車が続く。信号を渡った先の八日町がこのバスの終点だった。
バスの車内

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