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第49日 〜2003.8.18(月)〜

千歳駅西口→日高ターミナル

323.千歳駅西口8:35→9:02千歳駅東口(ビーバス)160円 札幌200あ・134 オムニノーバ
ビーバス ビーバスのバス停  千歳駅を中心に8の字に運転されている「ビーバス」という小型バスがある。オムニノーバという外国製の小型ノンステップバスが使われているそうで、まだその車両には乗ったことがない。
 駅前には2本のポールが立っていた。「ビーバス」のビーはどうやらBEE、ハチのことのようだ。2台のバスがそれぞれ逆方向に8の字型に循環しているからだろうか。オレンジ色のAコースが北海道中央バスの担当。ブルーのBコースが千歳相互観光の担当とのこと。
 Aコースの初便を見たところ、それほど混んではいないようだった。小型バスだから、よそ者が用もないのに乗っては迷惑かなと考えていたが、これなら1周乗ってもそれほど迷惑をかけることはないだろう。次のBコースに8の字の上の○1つ分乗ってみることにした。
 バスは両開きの前ドア仕様で、座席は15席ほどだった。運賃は160円均一だが、後払いとのこと。千歳駅を出ると、昨夜歩いて行った「ビア・ワークス・ちとせ」の近くを走ったりする。
 乗客が最多になったのは、千歳市民病院の直前の区間だった。それでも数えてみると、乗車人数は13人と座席数よりは少なかった。
 そこから先は、狭い住宅地の中を何回か曲がって、やがて千歳線の高架に沿って走っていく。やがて、千歳駅東口に到着する。
 このまま一周、西口まで乗っても同じ運賃なのだが、さすがに乗った停留所で降りるのは気が引けて、他のお客さんと一緒に千歳駅東口バス停で降りることにした。
ビーバス
324.千歳駅前9:35→9:46新千歳空港(北海道中央バス)190円 札幌200か・980 日野(ワンステ)
千歳駅の中央バス  北海道中央バスの千歳駅前バス停は、駅前広場ではなく西口の道路上にある。そこで、高架駅の下を通って東口から西口へと抜ける。道路をコの字に迂回するビーバスに乗っているよりも、歩いた方が早く西口に出ることができた。
 やってきた千歳空港行きのバスは、前中ドアのワンステップバス。空港リムジンバスではなく、純然たる路線バスだ。そんなバスに、大きなスーツケースを持った人が何人か乗っている。生活路線であるとともに、やっぱりこれは空港連絡バスなのだ。
 千歳駅前から、走ってしまえば10分ほどで新千歳空港に到着する。まずは国際線乗り場に停まって、終点が国内線乗り場だった。国際線乗り場バス停で降りる人は誰もおらず、乗っていたお客さんはみな国内線乗り場で降りた。
 到着したのは、国内線乗り場2番線。10:25のバスに乗り継ぐ予定だったのだが、乗り継ぐバスがすぐ近くの4番乗り場からだった。これなら1本早いバスに間に合う。予定のバスでは、苫小牧での乗り継ぎがギリギリなので、これはありがたい。そこで、ターミナルビル見学はやめて、すぐのバスに乗り継ぐことにした。
325.新千歳空港9:56→10:40苫小牧(道南バス)600円 室蘭22う・325 日デ/富士重工
苫小牧に着いた道南バス  やって来たバスは前ドアの車両。これだけ見れば、さすが空港連絡のリムジンバスと思えるのだが、ちょっと様子が違っていた。リクライニングシートではあるものの、標準床で非冷房なのだ。北海道でも、これまで乗ったバスは使っていないときはあるものの冷房車ばかりだった。ここに来てようやく北海道らしいバスに出会えたということなのだろう。
 今日は少し暑いので、みな少しずつ窓を開けていく。このバスはリムジンバスではないので、途中の停留所にも停まっていく。ウトナイ団地やウトナイ団地中央は、どこに団地があるのだろうという草地が広がるだけだったが、ウトナイ中央橋からは住宅が広がってきた。そうなると、停留所には地元の方が、何人かずつ待っているようになってきた。
 やがて室蘭本線を跨いで、南側から苫小牧駅前に到着した。駅前は降車専用で、乗り場は駅前のダイエーの前にある道南バスの待合室の前からとのこと。
 空港では乗客も多くゆっくり写真を撮れなかったので、ここで撮っておいた。あとで見ると、運転席上のベンチレータが開いている。昔のバスは、暑いときはみんなこれを開けて走っていたのだよなと懐かしくなった。
326.苫小牧11:32→12:59平取(道南バス)1220円 室蘭22う・327 日デ/富士重工
苫小牧の道南バス  駅ビルのハンバーガー屋でひと息入れてから、ダイエー前の道南バス乗り場に向かう。ここから平取(びらとり)行きのバスに乗る。今日の目的地は、かつて国鉄富内線の終点だった日高町。廃止代替バスは、廃線跡に沿って走っていたのだが、2002年9月で富内〜幌毛志間の代替バスが廃止されてしまった。富内線は、鵡川から鵡川沿いを穂別町の富内までさかのぼり、峠を越えて平取町の幌毛志から沙流川をさかのぼって日高町まで行っていた。穂別町は胆振支庁、平取町は日高支庁。支庁を越える人の流れは少なかったのだろう。
 このバスは、沼ノ端から国道235号線を沙流川河口の富川まで行き、そこから沙流川をさかのぼって平取まで行く。先の台風10号の被害で、JR日高本線が鵡川以南が不通になった。そのためか、このバスも乗客が多い。
 鵡川を過ぎてしばらく行くと、バス停に10人ほどの小学生が待っていた。北海道の学校は今日から始まったところが多いようだ。バスは胆振から日高に入る。やがて、左手に門別競馬場が見えてくる。その周辺で小学生たちは降りていった。
 富川で左折して沙流川をさかのぼる。周りには畑が広がっている。結局、苫小牧で乗ったお客さんの半分は、終点まで乗り通したようだった。
327.平取13:15→13:24史料館前(道南バス)320円 室蘭22う・330 日デ/富士重工
平取の道南バス  平取13:10発のバスは2本ある。日高ターミナル行きと貫気別行きだ。どちらに乗っても、次の目的地である資料館前バス停には行けるので、遅く来た方に乗ろうと待ちかまえる。
 先に来たのは日高ターミナル行き。先ほど乗ったのと違う型式だったので食指が動いたものの、今日の目的地が日高ターミナル。目的地と違うバスで用が足りるなら、それに乗って行こうと次のバスを待つ。少々遅れてやってきた貫気別行きは、先ほどと同じ型式のバスだった。これで3本連続、同型の非冷房バスだ。これなら、日高ターミナル行きに乗っていけばよかったかなと、ちょっとくやしい。
 平取を出てすぐに沙流川を渡る。河原が大量の倒木やゴミで汚れている。台風の時はそうとう荒れ狂ったの流れになったであろうことが見て取れた。
 平取町の二風谷地区にある資料館前バス停でバスを降りる。いつしか前を走る日高ターミナル行きに追いついた。あちらのバスからは、けっこうたくさんの人がここで降りている。こちらのバスの乗客はごくわずかで、ここで降りたのは自分1人だった。
昼食&見学 平取町二風谷(にぶたに)地区 アイヌ文化博物館、アイヌ史料館(2館入館券 700円)
アイヌ食堂BEE シト  まだきちんとした昼食を食べていない。バス停の前にあるアイヌ料理の店BEEで昼食にする。
 いろいろ料理が書いてあるのだが、よくわからないので質問しながら注文する。シトといういなきびと米の粉をこねあわせて団子にして煮たものに昆布のたれをかけたもの。それからキトピロラーメンというギョウジャニンニクの入ったラーメンを注文する。
 甘めの昆布タレは、ちょっと想像がつかなかった味。キトピロラーメンのキトピロは白と緑と茶の3つ入っている。聞いてみると、白と緑は生で、茶は醤油漬けしたものとか。おいしくいただいて、資料館へ出かける。
史料館の看板
史料館 史料館の入館券  まずは、国道の沙流川側にある平取町立二風谷アイヌ文化博物館へ行く。アイヌ文化に関する資料館で、事前学習せずにふらりと立ち寄ったのでは申し訳ないほど充実している。アイヌ語で「アイヌ」とは「人」という意味だということ、ここにきて初めて知った。
 次は山側に立つ萱野茂二風谷アイヌ資料館へ行く。いきなり、心に刺さる看板が立っていた。収集したアイヌ文化に関する大半は町立博物館へ寄贈してしまったので、ここには世界各地から収集した少数民族の資料をいろいろと展示してある。アイヌで初めて日本の国会議員になった萱野茂さんの著書もいろいろと販売していた。
328.史料館前16:22→16:50振内案内所(道南バス)750円 室蘭22う・330 日デ/富士重工
史料館前の道南バス  やってきたのは、先ほど平取からここまで乗ってきたのとまったく同じバスだった。あれから終点の貫気別へ行き、その後富川まで往復してきたようだ。こんなことなら、さっき日高ターミナル行きのバスに乗っておけば、違ったバスも体験できたのに。まあ、今さら言っても遅いけれども。
 バスに乗っていたお客さんは、じきに降りてしまい、車内は貸切になってしまった。空も曇ってきて何だか寂しくなってきた。それでも、途中で1人お客さんが乗ってきたのだった。
 途中で左側の細道に入っていった。そこが幌毛志だった。かつての富内線は、富内からここまで峠越えをして胆振と日高を結んでいたのだ。その三叉路の富内方面には「台風の災害により通行止」の車止めが立っていた。道路が不通でも支障がないくらい、人の流れは少ないのだろう。
 その少し先が振内の集落だった。バスはやがて、細い道を左折する。そこが振内案内所だった。旧振内駅だった場所だ。線路やホームが残っていて、ちょっと奇妙なD51型蒸気機関車や客車が置いてある。国鉄のD51にハイフンの入ったナンバープレートはなかったし、車体に不釣り合いな大きなヘッドライトではなかったはずだ。後日調べてみると、旧ソ連サハリン向け輸出車30両のうち里帰りした1両とのことだった。
329.振内案内所16:59→17:33日高ターミナル(道南バス)320円 室蘭22う・330 日デ/富士重工
振内案内所の道南バス 旧振内駅のD51
振内案内所バス停  ここで、日高ターミナル行きのバスに乗り換えることになるのだが、運転士さんによると、「代行バスの関係で、このバスがそのまま行く」とのこと。
 後で調べてみると、今日から学校が始まり、日高本線のバス代行が今日から始まっていたのだ。そのバスに、JRバスの他道南バスも活躍しているとのこと。そこで、バスが足らなくなり、特別な運用になっていたのだろう。
 行き先だけ変わって、三度同じバスに乗ることになった。今度は終点まで乗客は私だけだった。もう学校は始まっているというのに、学生にも相手にされないのだろうか。まあ、今日は始業式なので、もっと早い時間のバスで帰ったとも考えられるのだが。
 富内線の廃線跡を車窓から探すけれども、なかなか見つからない。曇って薄暗くなってきた国道を、バスはひた走っていく。30分ほど走って、ようやく家並みが見えてきたなと思ったとき、「日高営業所」の放送が流れる。どうやら営業所とターミナルは別なようだ。運転士さんに「終点はどこですか」とたずねると「道の駅のところだね」とのこと。到着した終点には、道南バスの日高ターミナルバス停と、町営バスの日高役場前バス停のポールが仲良く並んでいた。
日高ターミナルバス停

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