第1日 〜2007.1.5(金)〜

名古屋駅→本長篠駅前

1.名古屋駅6:25→6:55光ヶ丘(名古屋市営バス)200円 名古屋22か71−96 三菱
名古屋駅ターミナルの市営バス 名古屋駅ターミナル  1月の6時半前はまだ真っ暗。せめて明るくなってからスタートしたいのだが「ムーライトながら」を降りて、ホームのきしめんを食べれば、あとはバスに乗るしかない。
 こんな早朝に駅へ向かうのではなく、駅から出るバスだから、どうせ乗客は自分だけだろうと思っていたのだが、始発の時点で3人が乗車した。
 このバスは基幹バスという種類で、停留所間隔が比較的長い系統だ。名古屋駅を出てしばらく行くと大津通りに入る。ここからが、基幹バスの本領発揮だった。
 路面電車のように、道路の中央に色分けされた専用レーンがあり、そこをバスが走っていく。そして、停留所も路面電車のように道路上の安全地帯に設置されていて、中央を走行するバスが路肩に寄らなくても乗降できるようになっていた。
 ただ、このバスレーンを猛スピードで走っていく一般車両があるのにはびっくりした。どこにでも、ルールを守らない人はいるものだと感じた。
 茶屋ヶ坂で基幹バスの専用レーンも終わり。右折して、けっこう急な坂道を上っていく。やがて、団地の中のバス停に着いた。すぐ近くには折り返し場もある。そこが基幹2系統の終点、光ヶ丘だった。
 だいぶ明るくなってきたので、折り返し場で待機するバスの写真を撮る。ラッピングでわからなかったが、塗色は赤と白。正面には基幹バスの愛称「ミッキー」の文字も入っていた。幹だからミッキーなんだそうだ。
光ヶ丘の市営バス
2.光ヶ丘7:05→7:20星ヶ丘(名古屋市営バス)200円 名古屋22か69−65 日野
光ヶ丘の市営バス 光ヶ丘バス停  光ヶ丘から星ヶ丘へ向かう。バス停名だけ見ると、夢のあるところを走っていく路線のように感じられる。
 10分ほどの待ち時間で、今度は普通タイプの路線バスがやってきた。基幹バスとは違い、今度は前乗り先払い。3扉で、前ドアと後ろドアが折り戸。中ドアが引き戸という、名古屋以外ではあまり見かけないタイプのバスだった。
 乗客はそれほど多くはなかった。平和公園というとバス停が放送から流れてきた。名古屋の平和公園っていったいどんな施設だったかなと思いあぐねていると、目の前に広がってきたのは広大な墓地だった。
 平和公園口というバス停まで来ると、目の前に東山動物園の観覧車が見える。名古屋の地理には詳しくないのだが、何となく星ヶ丘に近づいているのがわかった。
 広い道路の両側にビルが建ち並ぶ星ヶ丘まで、約15分のバス旅だった。一気に都会に放り出されたようで、少々戸惑ってしまう。
 でも、これだけ都会なら朝食くらいなんとかなるだろう。星ヶ丘は地下鉄駅と接続したバスターミナルがあるところ。ターミナルの周りには、かなりお店もあるようなのだが、まだ時間が早く開いていない店も多いようだ。ターミナル近く、大通りから一本奧の通りにある喫茶店が開いていて、けっこうお客さんも入っている。そこで温かいコーヒーのモーニングをいただく。
星ヶ丘の市営バス
3.星ヶ丘8:00→8:19岩崎御岳口(名鉄バス)330円 名古屋200か17−79 三菱
星ヶ丘の名鉄バス  ここからは名鉄バスになる。地下鉄出口と直結したターミナルは市営バス専用。名鉄バスは、ターミナルの先の道路上に乗り場があった。
 乗車するのは五色園行きのバス。数人の乗客を乗せて、星ヶ丘を発車する。名鉄バスは、ハイバックシートにレースの枕カバーという仕様で、普段着バスとしてはちょっと豪華に感じる。
 この辺りは市営バスの区域なのか、どこまで行っても次のバス停が現れない。とにかく、次の西高針バス停までは長かった。
 その後も、住宅街の中の道を走っていく。途中で市営バスの姿を見たし、市営バスのバス停はあるものの名鉄バスはないところがあった。まだ名古屋市内で、市営バスのエリアだからだろう。
 そのうち、市営バスの姿も見えなくなり、名古屋市から日進市に入ったようだ。岩崎神明という放送がある。もうすぐかなと思ったら、次が降車する岩崎御岳口だった。
4.岩崎御岳口8:41→8:54赤池駅(名鉄バス)260円 尾張小牧200か・760 三菱(ワンステ)
岩崎御岳口の名鉄バス  次の乗るのは、愛知学院大学前と赤池駅を結ぶ路線。最初の計画では、藤が丘から愛知学院大学前まで乗って乗り継ぐ予定だったのだが、まだ大学が休みのこの時期は、特別ダイヤで運行のためうまく乗り継げなかったのだ。
 そこで、星ヶ丘からの乗り継ぎにしたのだが、この岩崎御岳口バス停は交差点にあるバス停。先ほどのバスは、交差点の手前にポールがあった。次に乗るバスはこの交差点の右側・左型どちらにポールがあるのだろう。横断歩道のところから目を凝らせば、どうやら右側に見えるのがポールのようだ。
 横断歩道を渡り歩いていくと、喫茶店の駐車場の前にバス停のポールが立っていた。この路線は、本数も少なく学休中でもダイヤ変更はないとのこと。待っている間、通学用の貸切バスがけっこうな数走っていく。まだ学校は休みのはずなのだが。
 やがてやってきたのは、ノンステップバス。すでに数人の乗客があり、始発地点が大学前というだけで、通学専用の路線ではなく地元の足にもなっているようだ。
 片側2車線中央分離帯もある広い通りから、右折して片側1車線の歩道もない通りに入る。しばらく行けば15分弱で、名古屋市営地下鉄の赤池駅に到着した。
5.赤池駅8:57→9:41豊田市駅(名鉄バス)650円 三河200か・846 日野/J-BUS(ワンステ)
豊田市の名鉄バス  予定では、もう1本あとのバスに乗る予定だったのだが、降りたバスのすぐ前に豊田市行きのバスが停まっている。電車の見えない地下鉄の駅前で待ってもつまらないので、そのままバスに乗ってしまうことにした。赤池から先は、地下鉄から名鉄線になって、列車も地上に出てくるのだが。
 名鉄バスもこれで3台目。登録ナンバーが名古屋、尾張小牧、三河と乗る度に変わっていく。赤池駅と豊田市駅を結ぶバスは2系統あるが、このバスは新屋経由。座席がほぼ埋まるくらいの乗車で、今までのバスに比べると乗っているなという印象だ。
 片側2車線の広い通りを走ったと思ったら、側道に入ったりする。その先で右折して、片側1車線の道を行く。けっこうアップダウンがあるし、乗降もそこそこある。
 豊田市駅が近いのか、乗ってくる人が増えてきた。鉄道の高架が見えてきて、もう駅かと思ったのだが、これは愛知環状鉄道のものだった。高架をくぐって左折して少し行ったところが、豊田の駅。左手が愛知環状鉄道の新豊田駅で、右手が名鉄の豊田市駅。両駅を結ぶデッキの下に豊田市駅の降車バス停があった。
6.豊田市駅10:20→10:40松平支所前(名鉄バス)440円 三河200か・744 日野(ノンステ)
豊田市駅の名鉄バス  1本早いバスで来たので、少し時間がある。高架下のハンバーガーショップで、眠気覚ましのホットコーヒーを飲んでひと息つく。夜行明けは、どうしても眠気が襲ってくる。
 今度は東口からの乗車になる。やってきた中垣内行きは、今までとはちょっと塗色の違うノンステップバスだった。ノンステップバスでも、座席には布製の座席カバーがかけてある。そのためか、他社のノンステップバスと形は同じでも、名鉄バスはちょっと高級に感じる。
 10人弱のお客を乗せて、豊田市駅を発車した。右折して左折して、何とも変わった形の橋で矢作川を渡っていく。調べてみると、久澄橋(きゅうちょうばし)という日本でも数少ない単弦ローゼ橋という種類の橋なのだそうだ。左手に豊田スタジアムを見ながら、バスは走っていく。
 東海環状自動車道の高架橋をくぐれば、まもなく巴川を渡って松平橋バス停だ。ここで降りても次のバスに乗り継げるのだが、時間もあるし郵便局などがある松平支所前まで乗り進める。それほど距離はないのだが、松平橋で380円だった運賃が、九久平で420円、松平支所前では440円に上がっていた。
7.松平支所前10:50→11:16香嵐渓(名鉄バス)680円 三河200か・487 日野/J-BUS(ワンステ)
松平支所前の名鉄バス  ここからは、東岡崎から足助へ向かうバスに乗り継ぐ。豊田市からも足助行きのバスは出ているのだが、本数は1日4本しかない。東岡崎からなら、その倍はある。
 やってきたバスにも、10人弱のお客さんが乗っていた。松平橋までに数人が降りたから、このバスは駅からのお客を降ろしながら足助へ向かうのが、主な乗客の流れなのだろう。
 松平橋から2つ目、鍋田上バス停のところで、道端にオレンジ色のネコバスが現れてびっくり。廃車体のバスに飾りをつけただけらしいのだが、何か店にでも使っている様子もあった。
 ところどころ、センターラインのない細道になるけれども、行き違いに難渋することもなく巴川沿いの道を走っていく。則定というところで、豊田市からの道と合流した。巴川が左手から右手に変わった。
 白鷺温泉口を過ぎ、足助大橋を渡って再び巴川が左手になれば、香嵐渓はまもなくだった。乗客はそこそこ乗っているのだが、この時期香嵐渓の観光で乗っている人はいないようで、降りたのは自分だけだった。
8.香嵐渓11:22→11:27足助(さなげ足助バス)200円 三河200か・425 日野/J-BUS
香嵐渓バス停 香嵐渓のさなげ足助バス  JTBの大判時刻表にあるとおり、ここから稲武バスに乗って稲武に行く予定だった。ところが立っているポールは、さなげ足助バスと名鉄バスだけ。稲武バスのポールがない。
 心配になってバス停前にある旧足助町役場の豊田市足助支所でたずねると、そこに来るとのこと。それでも心配で、ちょうどやってきたさなげ足助バスの運転士さんにたずねると「稲武バスは停まったかなぁ」という。
 不安になって、そのままさなげ足助バスに乗って足助まで乗ってしまう。こんなことなら、最初から名鉄バスで足助まで行くのだった。
9.足助11:31→12:12稲武(稲武バス)470円 三河200は・・58 三菱
足助の稲武バス 稲武バスのバス停  バスを降りると、先ほど名鉄バスに乗っていた人も何人かいる。みんな終点で稲武バスに乗り継ぐのだろう。
 それほど待たずに、白ナンバーの稲武バスがやってきた。トップドアの自家用送迎バスのような車両だ。始発の足助病院から乗ったのだろうか、前半分くらいの座席がうめていた乗客は13人。ここ足助から乗ったのは、自分を含めて4人だ。
 足助を出て、すぐに左折する国道153号線を走っていく。先ほどのさなげ足助バスは、そのまま県道を直進する百年草行きだった。
 かなり登り坂が続く。人家がほとんどない山の中を走っていく。新盛というところで右折して、さらに山の中を走っていく。伊勢神トンネルという1km以上あるトンネルを抜けると、どうやら旧足助町域から旧稲武町域に入ったようだ。
 黒田というところを過ぎると、国道から左側の側道に入っていく。ここが稲武の市街地を抜ける旧道のようで、商店街の中を走っていく。その商店街を抜けた交差点の斜め前が稲武の車庫だった。
 降りるとき運転士さんに香嵐渓バス停のことを聞いてみる。名鉄から路線を引き継いだとき、足助〜足助病院間はノンストップだった。その後、途中の停留所にも停まるようになったものの、足助病院行きは下車のみ、足助病院発は乗車のみという扱いになった。本来なら、その時にバス停に表示をつけてもよかったのだが、そのままになっているとのこと。
 ということは、あのまま香嵐渓で待っていれば乗ることができたのだ。
稲武の車庫
10.稲武13:21→14:02田口(設楽バス)900円 豊橋200さ・800 三菱
稲武の設楽バス 稲武車庫の設楽バス  稲武車庫に近い商店街の中にあるうどん屋さんで昼食をとって、ふたたび車庫に戻ってきた。次に乗る設楽バスも、元は名鉄の路線だったものを引き継いだもの。
 豊田市(旧稲武町)の稲武と設楽(しだら)町の中心地、田口を結んでいる。しばらくしてやってきたのは、マイクロバスだった。バス停は稲武バスの車庫の隅に立っていて、バスもそのまま稲武バスの車庫に入って停まった。
 その車庫の中でドアを開けたから、そこから乗っていいようだ。運転士さんに「終点までいくらですか」とたずねると「900円ですね」とのこと。けっこうするなというのが印象だけれども、設楽町内だけでなく隣町までの足を確保して路線を引き継いでくれたことを感謝せねばなるまい。
 設楽町に入り少し行った「アグリステーションなぐら」の先で、左側の細道に入る。その道沿い、古い石塔がある川口バス停から1人乗ってきた。
 しばらく行くと、カーブが連続する。そしてそれがつづら折りの下り坂に変わっていく。その坂を下ると、久しぶりに信号機のある交差点に出た。
 右折をして少し行くと、かつてユースホステルをやっている頃に泊まったことがある添沢温泉の前を通る。いくつかのカーブを抜けると、そこから田口の市街地までは、わずかな時間だった。豊橋鉄道バスの車庫になっている田口に到着した。設楽バスもそのまま奧の車庫へと走っていった。
設楽バスのサボ
11.田口15:03→15:41本長篠駅前(豊橋鉄道バス)900円 豊橋22あ・269 三菱
田口の豊橋鉄道バス 田口鉄道の廃鉄橋  田口から新城病院前行きのバスに乗って、本長篠駅前へ向かう。本長篠〜田口間はかつての豊橋鉄道田口線(元田口鉄道)が走っていた区間だから、いってみればこれも廃止代替バスということなのだろう。
 4名ほどの乗客を乗せて田口を発車する。ここ田口と本長篠の標高差は400m以上ある。鉄道時代も勾配の連続だったそうだが、バスが走る国道257号線も本長篠に向かって下る一方だ。
 川の対岸に、廃線跡を利用した細い道路が見える。やがて、その道路が1車線の橋になって国道に合流したところから、逆にバスは対岸の細道に入っていく(写真左下)。田内、呼間とバス停を過ぎて、再び国道に戻る。
 田峰で国道は左折するが、バスはそのまま直進して県道に入る。長いトンネルを抜けてしばらく行くと、鳳来寺に到着する。
 鳳来寺を過ぎて左折すると、また下り勾配が急になる。下っていく途中で、廃線跡を扱った本には、かならずといっていいほど載っている、田口線の橋脚(写真右)が見えてくる。川と県道を一気に跨ぐ高い橋脚で、田口までの標高差をかせぐために、本長篠を出てすぐに上り勾配が始まっていたのだろう。
 その県道と国道との交差点のところにある広場が、本長篠駅前バス停だった。小さなターミナルになっていた。
狭隘路もある

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