第1日 〜2009.3.26(木)〜

館山港→岡田港→三原山→大島公園→元町

大島へ 館山港9:20→10:10岡田港(東海汽船)3010円(インターネット平日割引) セブンアイランド虹(ボーイング)
館山港の建物 アイランド虹  館山港には旅客船専用の岸壁はない。プレハブの平屋が、約2ヶ月間だけここにやってくる東海汽船の事務所兼待合室になっていた。伊豆大島だけでなく、東京から南房総への観光の足としてもPRしているので、館山近辺のパンフレットもたくさん並べられていた。
 テーブルを並べてノートパソコンを置いただけの窓口で、インターネットの予約券を見せる。まもなく2人分の往復乗船券が渡される。行きの乗船券には船名が入っていたが、明日の帰りの券には船名はなかった。インターネット平日割引で20%引き。大島まで3010円、わずか50分で行けるのだ。やがて窓の外にジェット船が見えてきた。
乗船券
館山港の風景
臨時バス
館山駅から館山港への臨時バス「御神火ストーリー」が到着する
バスとジェット船
バスが到着してすぐにジェット船が港にやってきた
港に止まるバスと船
普段は旅客船は来ない小さな港なので、バスと船の距離はこんなに近い
アイランド虹
2階船室にタラップがかけられ、下船に続いて乗船が始まった
『伊豆大島フリーパス』(2日間用)を購入 3000円
バスのフリー乗車券
大島バスの整理券  伊豆大島のバスは、船と同様東海汽船が運行していた。観光客の減少と自家用車の普及により利用者が減少したこともあり、事業の効率化と収支の改善を図る目的で、2003年(平成15年)に自動車部門を分社化してできたのが大島旅客自動車(通称大島バス)なのだ。
 この旅で利用したバスの整理券も、未だに「東海汽船」の文字が印字されているものに出会った。実質的に影響がないところには、無駄な投資はしていないようだ。
 さて、これから2日間大島を回るのだからと、岡田港の大島バス案内所で2日間用のフリー乗車券「伊豆大島2日間フリーパス」を購入した(1日用2000円、2日間3000円)。小豆島もそうだったが、2日間用がだんぜんお得だ。
1.岡田港10:30→10:55三原山頂口(大島バス)860円 品川22か44−25 三菱
岡田港の大島バス 新火口展望台バス停  天気もいいし、初日は三原山登山をしようと考えていた。それなら荷物を預けたいと、バスの案内所でたずねてみるが、港にコインロッカーはないという。乗船券売り場でたずねると、すぐ近くの観光協会が荷物預かりをやっているという。これはありがたい。
 荷物を預けて身軽になって、三原山を目指す。10:30の三原山ラインは、入港地発というもの。今日は岡田港入港だから、港の脇のバス駐車場には各方面へのバスが3台ならんでいる。大島公園行きは乗客ゼロで発車していった。どうやら、定期観光バスに乗る人が多いようだが、三原山ラインにも10人近い人が乗っている。
 岡田港を出ると、一方通行を一気に上っていく。この路線は観光路線なので、街中の停留所は通過していく。岡田郵便局を過ぎて少し行くと、左手の細道に入っていく。この道の途中にリス村バス停があった。観光バスも止まり、にぎわっているようだったが降りる人はいなかった。
 その先で、三原山登山道へ出る。左折して登山道に入ると、坂道とカーブの連続になった。その途中に椿の森公園バス停があった。椿の各品種が植えられた模範樹林なんだそうで、公園とはいっても歩いている人さえ見ることができなかった。
 三原山温泉を過ぎて、新火口展望台バス停に着くと、一気に視界が開けた。三原山の山頂まで見渡すことができたし、何ともいえない黒々としたカルデラが広がっていた。
 海側の展望が開けるところもあり、大島空港の滑走路が見えるところもあった。やがて、バスは終点の三原山頂口に到着した。名前の通り、ここは山頂への入口で三原山へ登るにはここから舗装された登山道を歩いていくしかないのだった。
大島空港
三原山頂口バス停〜三原山山頂展望台 往復5.2km
元町の町並み
山頂口バス停から下を見ると、元町の港と町並みが広がっていた。
登山道入口から三原山を眺める
登山道の入口から三原山を眺める。
山頂のパノラマ
ようやく登山道を登って、火口を一周する「お鉢まわり」の遊歩道までたどり着いた。
利島がすぐ近くに見える
山頂展望台からは利島がすぐそこにあるように見える。
 バス停から山頂の展望台まで、往復5.2kmある。バス停からいったんカルデラまで下り坂。途中までは、そのほぼ平坦なカルデラを歩いていく。その先がいよいよ坂道になって、火口を目指すことになる。
 我が同居人は、子供の頃から股関節が悪く、走ったりすることがあまりできない。長時間の歩行も得意ではない。ただ、今回は山頂まで挑戦したいという。そこで、休み休み先に進むことにした。
 カルデラが終わりかけると、少し緩い上り坂になる。ここでいったん休憩。つづら折りの登り坂になると、その折り返しごとにある小さなベンチでしばし休憩して、先を目指すことにした。
 途中2回ほど挫折しかけたけれども、なんとか火口をまわる「お鉢めぐり」の遊歩道まで登ることができた。さすがに「お鉢めぐり」は、岩場のところもありパスしたが、展望台までは舗装路が続いている。
 噴煙ではないということだが、火口の岩場から湯気があがっている風景は、何とも言い難い迫力を感じるものだった。
 海の方を見れば、利島がすぐそこに見える。その左には新島の島影も見えている。案内図によると、その間に鵜渡根島というのがあるそうなのだが、よくわからなかった。
カルデラの風景
登山道途中にある展望所から眺める三原山カルデラのパノラマ。海の向こうに見えるのは伊豆半島。
2.三原山頂口12:50→12:57三原山温泉(大島バス)330円 品川200か15−37 日デ/富士重工
山頂口の大島バス 三原山頂口バス停  無事に三原山から山頂口バス停に戻ってきた。どれくらい時間がかかるかわからなかったので、早く戻ってくれば三原山温泉まで下って昼食、時間がかかってしまったら、山頂口の茶屋で昼食と考えていた。
 今日は出港地が岡田港になったこともあり、少しだけ乗り継ぎ時間に余裕ができた。12:50のバスで三原山温泉まで下っても、1時間弱の余裕がある。食事と温泉の両方は無理だけれども、食事だけなら大丈夫だろう。
 12:50のバスは、行きに乗った三原山ラインではなく、東側の大島公園へ下るレインボーラインという路線。湯場三叉路までは三原山ラインと同じ登山道を下っていく。
 やってきたのは、真っ黄色に塗られた前後ドアのバスだった。大島の路線バスというのは、観光タイプばかりだと思っていたら、最近では都会と同じ路線タイプのバスも導入されているのだった。まあ、正確にはその都会の中古車なのだが。それでも、三原山へ行く観光路線にもこの車両が入っているとは思っていなかった。
 ドライバーは女性の方。観光路線だからなのか、放送で観光案内をしてくれる。乗っているのは5人ほど。新火口展望台に着くと、その中の1人、外国人のお兄さんが写真を撮りたいから降りてもいいかという。それならどうぞと、ミニ撮影タイムになってしまった。乗客はみんな観光客だから、文句を言うどころかみんなお礼を言っていた。
 このあたりの道ばたに、コンクリの小屋があり馬が放牧されているのが目に入る。何でも与那国馬という日本在来馬だそうで、与那国島からオス1頭、メス2頭がやってきて、それが元気に増えているんだとか。今日はやっていなかったが、季節によっては山頂まで引き馬に乗っていくこともできるとのこと。
 次の三原山温泉で降りたのは自分たちだけ。バス停の前に建っているのが「大島温泉ホテル」。ここのレストランで椿御膳の昼食。早起きして歩いて疲れたので、ご飯は大盛りに。
三原山の馬
3.三原山温泉13:47→14:05岡田港(大島バス)630円 品川22か44−25 三菱
出港地行きのバス 大島温泉ホテルから見る三原山
 今日は食事だけで時間がなくなってしまった。また明日も、ここへくる予定。明日こそは温泉に入ろう。レストランからの眺めもよかったが、外に出て登山道入口から三原山を眺める。ここから草原を抜け、その先は岩がごろごろするカルデラを歩いて行かなければならない。それほど標高差があるわけではないが、ここから登山道をあるいて三原山を目指すのはなかなか大変そうだ。
 次のバスは、13:47の出港地行き三原山ライン。今日の出港地は岡田港だから、岡田港行きのバスが来るのだろうと待っていた。定刻に現れたバスの行き先は、そのものズバリ『出港地』と表示されていた。観光路線だし、その日によって違う行き先を表示するより、この方が乗るとき安心できるかもしれない。
 車内の運賃表示器の下には『本日の出帆地』という札が下がっており、これで行き先は確認できるようになっていた。
 乗車したバスは、朝、岡田港から山頂口まで乗ったのと同じ車両だった。座席カバーの背面には椿の花がプリントされて、入口ドア脇には旗が付いていた。古いけれども、黄色い路線車にはない観光色があって、なかなかいいなと思った。  
椿のプリントのある座席カバー
4.岡田港14:29→14:43大島公園(大島バス)360円 品川22か52−46 日デ/富士重工
岡田港の大島バス 岡田港のかめりあ丸
 岡田港の観光協会が16時で閉まってしまうので、荷物を引き取ってから大島公園へ向かうことにした。ちょうど竹芝桟橋行きの旅客船「かめりあ丸」が入港するところ。せっかくだから、写真を何枚か撮ってから観光協会へ行った。
 次に乗るのは、元町港からやってくる大島公園行きのバス。行き先表示がないので、定期観光バスかと思ったのだが、ポールの前に停まってドアが開く。よく見ると、行き先を書いた札がぶら下げてあった。
 岡田を出てすぐは、新しく付け替えた道路。泉津からは一転して昔のままの狭隘路だった。
椿トンネル
見学 大島公園の椿園と動物園
椿園の遊歩道 いろいろな椿
 まずは椿資料館でお勉強。今、ここの椿園で咲いている椿の切り花が1品種ずつ生けられている。その数が半端じゃない。感心していると「椿園はこれから見学ですか。それじゃ、荷物置いていってもいいですよ」と言ってくれる。これは助かった。
 椿って赤だけじゃないのは、資料館で勉強済み。でも、実際に咲いているのを見ると、なかなかどうして。1本の木から赤一色と赤白まだらの両方が咲いたりと、驚かされることもある。温室内には、珍しい黄色い椿もあるとのことで行ってみる。恥ずかしがって、下を向いて咲いていた。
 無料の動物園は大改修の最中。入口近くのワオキツネザルとゾウガメだけ見て出てきた。
動物園のワオキツネザル
5.大島公園16:00→16:33元町港(大島バス)540円 品川200か15−37 日デ/富士重工
大島公園の大島バス  大島公園のバス停には、中年の女性が7〜8人バスを待っていた。椿まつりも今度の日曜日まで。売店で働いていた方のようだ。
 やってきたのは、今日山頂口から乗った黄色のバス。ドライバーさんも同じ女性の方だった。発車してしばらく行くと、観光客が乗ってきた。観光客が乗ったからかどうかわからないが、この路線でも椿トンネルのところなどで光案内をしてくれた。
 その先の泉津で、地元の方が皆降りていってしまった。車内に残ったのは、観光客ばかり4人になってしまった。平日の夕方便なのだが、これほど利用者が少ないとは思っていなかった。まあ、学校が休みの時期ではあるけれども。撤退話しがでるのもわかるような気がした。
 岡田港でちょっとハプニング。このバスに乗っていた観光客が、観光案内所で荷物を受け取ろうと思っていたようなのだが、16時を回っているのですでに閉まっている。ここでも女性ドライバーさんが、携帯電話で問い合わせをしてくれて、岡田港にある観光案内所の本所で預かっていることを確認してくれた。
 その後、ほとんど乗降のないまま、終点の岡田港に到着した。とにかく風が強く、桟橋は波に濡れていた。

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