第2日 〜2009.3.27(金)〜

元町→波浮港→大島公園→岡田港→館山港

6.元町港8:20→8:35地層断面前(大島バス)310円 品川22か48−12 三菱
元町港の大島バス 元町の路線図  泊まった宿の近くにもバス停はあるのだが、昨日降りた元町港まで行って乗車路線がつながるように乗っておこう。乗ってみてわかったのは、市街地の元町北口だけは両路線とも停まるということ。町役場前は岡田港方面のバスしか停まらないバス停だった。
 やってきたのは、昨日最初に乗ったのと同じ、古い三菱ふそうの観光タイプ。でも、ドアの脇に旗が付いていない。昨日のバスが特別だったのだろうか。
 元町港からの乗車は、自分たちを含めて3名。今朝も船は岡田港に着いたようで、元町からの乗車が少ないのはそのためだろうか。右手に海の見える区間が多く、乗って楽しい区間だ。野増の集落を過ぎると人家もあまり見えなくなる。地層切断面の放送を聞いて降車ボタンを押した。
見学 千波地層切断面
湾曲した地層
 目の前には、見事な地層が見える崖が続いている。ただそれだけ。人家も自販機もなにもない海沿いの道だった。地層と道路の間は数メートルの空間があり、その前には立入禁止の頑丈な柵が作られていた。
 150万年前からの噴火による堆積物が作った地層なのだとか。この切断面の研究によって、大島は世界で研究の進んだ火山の1つになっているとのこと。
7.地層断面前8:50→9:00火山博物館前(大島バス)290円 品川22か44−25 三菱
地層切断面の大島バス 地層切断面バス停  先にここまで来たのは、火山博物館の開館時間までにちょうど折り返せるから。ところが8:47のバスがやってこない。ずいぶん先まで見通せるので、早発してしまったことはありえない。
 そのバスは3分ほど遅れてやってきた。やってきたバスは、昨日から何回もお世話になった906号、あのドア脇に旗が立っている車両だ。車内にはかなりの人が乗っている。朝は各集落から元町へ向かうのが人の流れのようだ。それでも後ろの方に空席を見つけて座っていく。
 野増バス停には、まとまった人が待っていた。やはり集落の中心に来ると乗ってくるようだ。それでも立ち客が出るほどではない。座席数が多い、観光タイプだからだろう。
 火山博物館前の放送で降車ボタンを押す。降りるのは自分たちだけだろうと思っていたのだが、もう1人、観光客の方が降りた。到着は2分遅れ。ちょうど開館時間の9時だから、なんとタイミングがよいことか。
見学 伊豆大島火山博物館 入館料400円(フリーパス割引券使用)
火山博物館入り口 観測機器  階段を上って火山博物館へ向かう。受付でフリーパスの割引券を出して、入館券を購入する。1割引と書かれていたが、実際は500円の入館料が400円と、2割引になった。
 見学する前に、次に乗るバスの時刻確認。次の便は、入港地により20分時刻が違うのだ。今日は間違いなく岡田港ダイヤだそうで、20分遅い10:54。それまで、約2時間見学できることになった。
 ゆっくり見学させていただきますねというと「時間があるならビデオをご覧になりませんか」と小さな部屋に通される。大島ができた経緯や、あの三原山噴火の様子など、2本のビデオで予習をしてから館内の見学をすることができた。
 大島だけでなく、伊豆諸島各島が火山島であり、それぞれ構造に違いがあることなどが丁寧にパネルで解説されて、知らなかったことが多く興味深く展示を見ていくことができた。屋外に、火口探索に使われたカプセルのレプリカがあった。あれに乗って火口に降りるのは・・・。
8.火山博物館前11:06→11:34波浮見晴台(大島バス)620円 品川22か46−61 三菱
火山博物館前の大島バス 見晴台から見た波浮港
 次に乗るバスは10:54。ところが10分過ぎてもやってこない。もしや、今日は船が休航して元町港ダイヤになったのかも。心配になって、バス停にある番号に電話をする。すると「岡田港からのバスが遅れているんだと思います」とのこと。そのまま待つことにする。
 すると、11:06にようやくバスが姿を現した。朝乗ったバスとは比べものにならないほど、大勢の人が乗っている。何とか空席を見つけて、座ることができた。地層切断面までは今朝乗った道を走る。波浮は、いったん海沿いの波浮港まで行ってから、来た道を戻って一段高い波浮見晴台に到着した。残っていたほとんどの乗客がここで降りた。
波浮港
9.波浮見晴台11:53→12:17大島公園(大島バス)780円 品川22か46−61 三菱
波浮見晴台の大島バス 波浮見晴台バス停  波浮見晴台から大島公園へ、大島の東岸を走る波浮・大島公園ラインは、片道1本のみの運行。これから乗るのが、唯一の便なのだ。
 バス停の時刻表示も、元町行きは何本も書いてあるが、大島公園行きは下の方に1本書いてあるだけだ。今乗ってきたバスが、終点のセミナー入口から回送されてきて、この便になるという。
 先ほどのバスで降りた人の半分以上の人がこのバスに乗り継ぐようで、バス停に列を作って待っている。やがてバスが戻ってきたのだが、観光客の路上駐車があってバス停脇の回転場で方向転換できず「街中まで行って戻ってくるので待っていてください」と言い残して、走り去ってしまった。
 結局、バスが発車したのは11:45の予定時刻を8分遅れてのことだった。発車すると、すぐに左折して山の中へと入っていく。大島一周道路の筆島付近が落石で通行止めのため、山の中を迂回運転するのだそうだ。
 乗っているのは観光客が多いのだが、1人明日のマラソン大会の下見で乗っているんですという人がいた。何でも、明日大島一周マラソンが開催されるのだとか。一番長いクラスは100kmというウルトラマラソンだとか。道理でこの週末の船がとれなかったわけだ。
 東岸は海岸線から離れた、高いところを走っているので、なかなか海を眺めることはできなかった。途中のバス停も大島大砂漠だけ。もっと広大な砂漠が見られるのかと思っていたのだが、海まで続く砂漠は幅数十メートル程度。バスの速度では、あっという間に通過してしまった。
 バス停も車も少ない東岸の道だったので大島公園に着いたときは2分遅れまでに回復した。  
大島大砂漠バス停の表示
昼食 大島公園にて
椿園のメインエントランス 明日葉アイス
 昨日ここに来て、食堂がないことは確認済み。売店でラーメンだけはやっているのを見ていたので、今日はここでラーメンの昼食。屋外のベンチに座って食べるのもなかなか気持ちよい。
 その後、地元の明日葉アイスも食べてみる。後味に苦みあって明日葉を実感できる。
10.大島公園12:50→13:06三原山温泉(大島バス)600円 品川22か46−61 三菱
大島公園の大島バス  乗り継ぎ時間は30分ほど。ラーメンを食べて少しだけ時間がある。同居人は「家に帰ったら植えるんだ」と明日葉の苗を買いに行った。
 無事に苗も買え、バス停から1日2本の三原山レインボーラインの三原山頂口行きに乗車する。やってきたバスは、三度同じ車両と運転士さん。バスの運用と自分たちの行動が、ピッタリと一致してしまったのだろう。
 大島公園から乗車したのは、10人弱といったところ。ゆったり座って定刻に発車する。しばらくは、今走ってきた道を戻る。途中で右折して、大島一周道路からあじさいレインボーラインに入っていく。道路は登り坂の連続になる。
 この路線も観光路線だから、放送で観光案内が流れる。まずは樹齢800年になるというオオシマザクラの老大木。国の天然記念物に指定されていて、近くには桜株バス停もある。
 その次は、今走っている道路の名前にもなっているアジサイの話し。ガクアジサイは大島の風土に根付いて、現在のように広まったのだとか。椿だけでなくアジサイのシーズンにも多くの観光客が来るのだそうだ。湯場三叉路で登山道に入って、昨日も寄った三原山温泉で降りる。
11.三原山温泉13:47→14:05岡田港(大島バス)630円 品川200か16−57 日デ/富士重工
三原山温泉の大島バス 三原山温泉バス停  バスの乗り継ぎ時間は40分ほど。大島温泉ホテルの日帰り入浴は、13時から受け付け開始。この温泉は、大島で唯一食塩泉ではない温泉なのだそうだ。
 フロントで、フリーパスの割引券を出すと、800円の入浴料が500円になった。1割以上の割引じゃないか。かなりうれしかった。
 昼食時間を過ぎたばかりだからか、先客は1人だけ。今日も天気はよく、露天風呂からは三原山がきれいに見える。吹く風も心地よく、大半の時間を露天風呂で景色を眺めながら過ごした。
 そろそろバスの時間と温泉を出て、ホテルの正面玄関前にあるバス停に向かう。やってきたバスは、昨日乗った真っ黄色の路線車だった。大きな方向幕には、堂々と「出港地」の行き先が出ている。メモを見ると、昨日とは車番が違う。大島バスにも路線タイプの車両が複数走っているようだ。
 乗車すると運転士さんから「岡田港まででいいですか」と聞かれる。出港地行きだから、元町港へ行くなら乗り換え案内をしてあげようということなのだろうか。「そうです」と答えておく。
 ここから岡田港までは、昨日も通った道ばかり。でも、大島で乗るバスもこれで最後だと思うと、景色を見るのも自然と力が入ってしまう。椿の森公園は、相変わらず人影がなかった。リス村は相変わらず繁盛しているようだった。
 大島一周道路を左折して、岡田港への下り坂に入る。カーブしたトンネルを抜けて左折すると、まもなく下の方に岡田港が見えてきた。
 2日間で乗ったバスは11本と、思ったより少ない。それでも、正規運賃の合計は5950円になる。フリーパスのおかげで、運賃を気にすることなく、バス旅を楽しむことができた。
 椿まつりスタンプラリーも、規定の3カ所以上のスタンプを押したので、港の抽選会場でくじを引く。残念ながら同居人共々末等。塩飴を1つずつもらう。港売店での買い物も、フリーパスの割引券で1割引。運賃以外でも大いに役立ったフリーパスだった。    
大島温泉ホテル
館山へ 岡田港15:20→16:10館山港(東海汽船)3010円(インターネット平日割引)セブンアイランド虹(ボーイング)
べっこう寿司 州の崎灯台
 昼食はラーメンを食べただけ。少し何か食べたい。港の前の食堂に「べっこう寿司」の文字が見える。大島に来て初めて、べっこう寿司なる郷土料理があることを知った。
 白身魚の切り身を、島唐辛子のピリッとしたタレに漬けたにぎり寿司だそうで、家庭料理なのだそうだ。せっかくだから、大島を離れる前にそれを食べていこう。1人前10カンで1000円とそんなに高いものでもなかった。『今日は「めだい」になってます』といって運ばれてきた。
 帰りも行きと同様、進行方向右側の2階席。東京湾に入るところで、右手に州の崎灯台が見えた。千葉に住んでいても、この灯台を海から見る機会はほとんどない。
岡田港
館山港にて
JRの臨時バス 館山港での下船風景
 予定通り50分で館山港に到着する。出口は1階だという。浮桟橋ではなく、岸壁直づけなので、潮位によって乗船口を使い分けているようだ。昨日は上下船とも右舷2階。今日は乗船が左舷2階で、下船が右舷1階になった。
 船の近くには、館山駅行きの臨時バス「御神火ストーリー」が待っていた。自分たちもそうだが、この港は駅から離れているので自家用車で来ている人がほとんど。数人を乗せて、バスは発車していった。できれば乗ってみたいのだが、駅まで乗ってしまうと、ここまで戻ってくるのが大変なので、あきらめざるを得なかった。
臨時バス御神火ストーリー

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