第17日 〜2006.8.29(火)〜

二股・津軽今別駅→函館駅

98.津軽今別8:14→8:45知内(北海道旅客鉄道)1230円 特急「白鳥41号」 3号車(モハ485-3038)
白鳥41号 津軽今別駅の時刻表  昨夜は青森に泊まって、津軽線の列車で津軽二股駅までやって来た。どこかでトラブルがあったようで、ずいぶん列車が遅れていた。途中の蟹田駅では、すれ違うはずない夜行急行「はまなす」と行き違った。
 JR東日本の津軽二股駅から、通路を通ってJR北海道の津軽今別駅に移動して列車を待つ。小さな待合室があり、そこに時刻表が貼られている。そこに書かれているのは、1日2本だけ。その中で、隣の知内駅に停まるのは、朝の「白鳥41」号だけだ。
 今朝の乱れがすぐに復旧するはずもなく、案の定、青森始発の「白鳥41号」も7分ほど遅れてやってきた。
 こんなところから乗る人はいないだろうと思っていたのだが、実際に乗ったのは3人。自分以外は地元の方のようで、少数とはいえ定期的に使っている人がいるのだ。自由席は6両中2両。夏休み中なので込んでいるかなと心配したものの、それほどでもなく、2席並びの空席を簡単に確保できた。
 発車してすぐに青函トンネルに突入。これでもう外は何も見えない。竜飛海底駅を確認すると、いよいよ海底区間だ。吉岡海底駅は、青函トンネルの新幹線化工事のため2日前の8月27日で営業をとりやめている。果たして車窓に見えるかと注目すると、蛍光灯が灯っているのが見えた。
 外が明るくなってきてトンネルを抜けると、もうそこは知内駅だった。知内駅で降りたのは自分だけ。乗った人はいないようだった。発車していく特急の写真を撮り、跨線橋を渡っていけば、そこは駅舎ではなく道の駅になっていた。
津軽今別駅の駅名標
道の駅しりうち
白鳥41号 知内駅の入口  跨線橋を渡ると、壁に時刻表と長いすが1つ置いてあった。どうやらそこが駅らしい。その先のドアを開けると、そこは駅舎ではなく『道の駅しりうち』だった。本州最後の駅と北海道最初の駅が、両方とも道の駅併設とは思ってもいなかった(『道の駅』にJR駅が併設されているといった方が正しいようだが)。
 ここ知内は北島三郎の故郷だそうで、道の駅にもサイン色紙がお土産で売られていた。看板など、あちこちにサブちゃんの似顔絵がある。
 バスまで時間があるので、おみやげ物などを見て過ごす。建物の外に出ると、知内駅前バス停が立っているものの、1日2本しかバスが書いてない。道の駅の方にたずねると、駅前ロータリーまで入るのが2本だけ。それ以外は国道沿いのポールから出るという。行ってみると、こちらも名前は知内駅前。こちらには、ほぼ毎時1本のバスが書かれていた。
 駅の脇では、新幹線化への工事基地にするため、路盤整備などの工事が行われていた。とりあえず、知内駅はレール運び込みの基地になるらしい。たしかに、すぐそばに国道が走り、ホームに沿って長い直線が取れるのも好都合なのだろう。
 ここにも道の駅のスタンプがあった。鉄道駅は無人でも道の駅はちゃんとスタンプがあるだなと思う。道の駅スタンプラリーなるパンフレットも置いてあった。スタンプラリーはやらないが、記念に押しておく。時間があるので、青函トンネルの北海道側入口を見てくることにした。
道の駅のスタンプ
青函トンネル撮影所
撮影台 撮影台の看板  福島・松前方面に10分ほど歩くと、知内観光協会が作った撮影台の看板が見えてきた。ちょうど、道路工事をやっている区間の始まりで、誘導に注意しながら道路を渡る。
 行ってみると、下の駐車場から階段で上がるようになっている。その駐車場は、道路工事関係者の車でいっぱいだ。その車の隙間を通って階段まで行き、ようやく撮影台まで上がった。さらに木で出来た撮影階段が何段かある。
 まったくダイヤは持っていないものの、15分も待っていれば1本くらいやって来るだろう。その予感の通り、本州側から貨物列車がやってきた。1枚撮れれば、それで満足。再び駅へと歩いて戻る。
 でも気になって調べてみたら、ここで示されていた青函トンネルの入口は、青函トンネルとほぼ一体化(地上部分がシェルターでつながっていて青函トンネルを出ても外が見えない)している第一湯の里トンネルの出口とのこと。北海道側の青函トンネル口というのは、簡単に見ることが出来ないらしい。
貨物列車
99.知内駅前9:54→10:20木古内駅前(函館バス)500円 函館200か・239 いすゞ/J-BUS(ワンステ)
知内駅前の函館バス 知内駅前バス停  津軽海峡線開業と同時に、木古内〜松前間の松前線が廃止された。その松前線はバスに転換され、その時に導入されたのは、ハイデッカーの観光タイプの路線バスだった。その廃止から20年経ってバスも代替わりしたようだ。
 やって来たのは、前中ドアのワンステップバス。ただ、長距離輸送に対応してか、なかなか車内が興味ある造りになっている。車イス対応の折りたたみ座席以外は、ハイバックシートになっていて、そのほとんどの座席にリクライニングシートが採用されている。もちろんシートベルトも装備されている。都市部で活躍するワンステップバスとは、かなり仕様が違うようだ。
 旧松前線知内駅付近にある、知内営業所か木古内駅で函館行きに乗り継げるとなっているのだが、知内ではわずかに早く函館行きが発車してしまった。どうやら、木古内駅で接続するようだ。
 この辺りは平野になっていて、右手に海を見ながらバスは走っていく。海だけでなく、牧場や畑も広がっている。北海道の広々とした風景の中を走っているということを実感する。
 やがて、前を走っていた函館行きのバスが客扱いしている間に、こちらが追い抜いていった。
 こちらのバスの方が、木古内駅前には早く到着した。運転士さんに「函館行きは?」と聞いている人が多い。「まもなく来ますからここで待ていてください」と言っている。やはり、きちんと乗り継ぎ便になっているようだ。
 ほどなくして、先ほど追い抜いた小谷石からの函館行きバスが到着した。
木古内に着いた函館バス
100.木古内駅前10:24→11:56函館駅(函館バス)780円 函館200か・243 三菱(ワンステ)
木古内駅の函館バス  バスはいすゞから三菱になったけれども、車内の仕様はこちらも同様だった。ワンステップバスだけれども、ハイバックシートに一部リクライニングシート。シートベルトも装備している。やはり、長距離対応のワンステップバスなのだろう。
 車内は木古内から乗り込んだ人もかなりあって、かなり席が埋まっている。バスは右手に海を見ながら、快調に走っていく。江差線の普通列車が少ないためか、けっこう途中からの乗車がある。函館〜木古内は鉄道が存続しているので、この間を走るバスは木古内以遠に比べて本数が少ないのだ。それも、朝晩に集中していて昼間の便はあまりないのだ。
 上磯駅近くの太平洋セメント前を過ぎると、片側2車線の広い通りになる。だんだんと海側にも建物が増えてきて、函館湾は見えなくなってきた。
 市街地が近づくと病院の前へ寄ったり、いろいろと寄り道をしながら駅へと向かっていく。市街地を走る銀色のバスとは違うからか、停留所で待っていても乗ってくる人は少ない。市街地で少しずつお客さんを降ろしながら、木古内から1時間半ほどかかって函館駅前に到着した。

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