第8日 〜2006.5.6(土)〜

喜多方→津川駅前

40.喜多方8:45→9:27坂下営業所(会津乗合自動車)730円(G) 福島200か・124 日デ/富士重工
喜多方の会津バス  喜多方と坂下を結ぶバスは、全便日祝日運休。このゴールデンウィーク後半の5連休で、運転されるのは土曜日の今日だけ。そんなこともあって、この路線を今日乗るように経路に入れてみることにした。
 坂下行きは駅前ではなく営業所始発。営業所で乗り込むと運転士さんから「どこまで行くの」と聞かれる。「坂下まで」と答えると「これから街中を一回りしてきて、もう一度ここを通るから、それから乗った方が運賃も安い」という。「会津ぐるっとカード」を見せて、全区間乗ってみたいのでと言って営業所から乗り込んだ。
 本当に喜多方の街を時計回りに1周する。再び、喜多方営業所バス停があったものの、営業所の建物には寄らず、向かいの道路上にポールがあった。いよいよ磐越西線が通る喜多方の街を後にして、只見線が通る坂下へと向かって進んでいく。
 磐越西線の踏切を渡ると、あとはひたすら水田の中の道を行く。そして、途中からの乗客はゼロ。やがて坂下の街に入っていく。東西に細長い街のようで、けっこうな商店が並んでいる。坂下営業所は街の西外れにあった。
41.坂下営業所10:00→10:28七日町駅前(会津乗合自動車)680円(G) 福島200か・123 日野
坂下営業所の会津バス  坂下営業所の敷地はけっこう広い。バス停は道路上ではなく、その敷地内に方面別にポールがズラリと並んでいた。建物の一角は待合室になっているようだ。
 会津若松駅行きは一番手前のポールから発車する。次のバスは坂下始発ではなく、柳津からやってくる。発車時刻の少し前にやって来るとドアを開けた。「10時ちょうどの発車です。しばらくお待ち下さい」と運転士さんの声が流れる。
 やがて発車時刻になると、営業所からジリリリリと発車のベルが聞こえてくる。ドアが閉まって、ようやく出発だ。
 坂下の街を抜けると、あとはひたすら水田の広がる中、国道49号線を走っていく。坂下から会津若松は、JR只見線は大きく南に迂回して、それなりに所要時間がかかるからか、今までのバスに比べると乗客が多い。半分ほど座席が埋まっている。
 若松が近づくと、バス停で待っている人もちらほら現れる。水田が住宅や商店に変わっていく。もうすぐかなと思っていたら、正面に踏切が見えた。すぐに七日町駅前との放送が流れ、降車ボタンを押す。降りたのは、自分だけだった。
42.七日町駅前10:40→11:04会津武家屋敷前(ハイカラさん)200円(G) 福島200あ20−01 三菱
七日町のハイカラさん 七日町駅前バス停  ここからは、まちなか周遊バス「ハイカラさん」に乗っていこう。このバスも「会津ぐるっとカード」で乗ることができる。30分毎に若松市内を反時計回りに運転している小型バスで、ゴールデンウィーク期間や夏休み中は、満員で乗れないこともあると聞いている。今日は果たして乗れるのだろうか。
 しばらくして、ボンネットタイプに改造されたマイクロバスがやってきた。どうやら立ち客はいないようだ。駅前にある、マイクロバスでないと無理な小さなロータリーをぐるっと回ると、2人降りる人がいた。そのおかげで、空席もできて座ることができた。
 発車して、すぐの道を右に曲がる。そこに1台の会津バスが停まっていた。なんでこんなところにと思ったら、このバスの後ろをついてくるではないか。こんなところに一般路線バスは走らないはずと、不思議に思い振り向くと、フロントガラスに「ハイカラさん」と貼り紙されている。どうやらハイカラさんの増号車のようだ。さすがに、七日町駅前のロータリーは小さすぎて路線バスでは回転できないので、道路上で待機していたのだろう。あちらの路線車にも何人か乗っているようだ。
 まちなか周遊バスの名の通り、街中の一方通行を含めて、とにかく狭いところを次々と通っていく。しかも、その後ろを路線タイプのバスが、しっかりついてくるのだ。狭い交差点を曲がるのは、マイクロバス改造のハイカラさんには簡単でも、路線車は大変そうに見えた。
 ようやく東山へ向かう県道に出た。その先にある会津武家屋敷前バス停で降りることして、降車ボタンを押す。さすがに観光地で、バス停に待っている人もいて、バスの行き先を確かめて乗り込んでいた。
2台続行運転のハイカラさん
寄り道 会津武家屋敷
武家屋敷の桜 武家屋敷の桜  「会津ぐるっとカード」で入場料が割引になるので、武家屋敷に入ってみる。順路の掲示がしっかりしていて、見学しやすかった。時間が限られているから、急ぎ足で見て回る。
 建物や資料だけでなく、目をひいたのが咲いていたサクラ。写真右の萌黄色のサクラが御衣黄。花に葉緑素があるんだそうで、黄色というより黄緑色の花といった感じ。こんな色のサクラを見たのは初めてだ。ちょっとした感動だった。
 そして、写真左の濃いピンク色のサクラも近くで咲いていた。それほど広くない施設なのだが、なかなかきれいな彩りを楽しませてくれた。そろそろバスの時間が気になって、出口へと向かった。
43.会津武家屋敷前11:46→11:56合同庁舎(会津乗合自動車)200円(G)福島22か20−32 いすゞ/富士重工
武家屋敷の会津バス  市内循環の路線バスに乗っていく。循環運転なのだが、奴郎ヶ前〜会津武家屋敷前は循環の輪から飛び出して、折り返しの枝線になっている。そのため、入口前はちょっとしたバスターミナル風になっていて、ちゃんとバスの回転場を兼ねている。
 少し早めに着いたバスは、ここで時間調整。飯盛山先回りなので、この先は飯盛山へは行かないのだが、方向幕が飯盛山・鶴ヶ城・若松駅となっているから、「飯盛山へ行きますか」と運転士さんにたずねるお客さんが、次々とやってくる。
 こんどは、ハイカラさんとは違い県道を走って、鶴ヶ城近くの合同庁舎まで行く。そんなこともあって、所要時間はたったの10分。
 今日から、2枚目の会津ぐるっとカードを使い始めたのだが、今回のバス旅の経路では、使えるバスもこれで終わり。1枚目に比べて、まだぜんぜん元が取れていないけれども、明日帰路で会津鉄道を使うから、それほど損はしないはずだ。
 時間もちょうどよいから昼食にしよう。近くの食堂で会津若松名物の「ソースカツ丼」の昼食にする。
44.合同庁舎12:40→13:38野沢駅前(会津乗合自動車)600円 福島22か20−47 いすゞ/富士重工
合同庁舎前の高速バス 合同庁舎前バス停  ここが会津若松の高速バスの始発地点。ターミナルではなく、道路上のポールだ始発地点だとは思わなかった。
 しかも、一般路線バスは「鶴ヶ城合同庁舎前」で、高速バスは「合同庁舎・若女前」と微妙に名称が異なっている。
 12:40は、高速郡山行きと野沢行きが同時発車だ。野沢行きが先に到着して乗り込んだのだが「郡山行きを先に通しますから、ちょっと待ってくださいね」という。
 郡山行きの福島交通に続いて、合同庁舎を発車する。合同庁舎で2人、駅前ターミナルで4人。これがこのバスの乗客すべてだった。1日2本の野沢行きだし、土曜日の昼間だからもう少し乗っているかと思ったのだが、意外と乗客は少なかった。
 所要時間は約1時間。運賃もわずか600円。たまたま高速道路を通る、普段着の高速バスといった感じだった。もちろん、予約不要、全席自由席になっている。到着した野沢は、新潟県と接する西会津町の中心地。町内のローカル輸送は、すべてコミュニティバスになっている。
高速バスのサボ
45.野沢駅14:05→14:17ロータスイン(西会津町民バス)100円 福島200は・144 三菱
野沢の西会津町民バス  先のバスが到着したのは、野沢駅前にある「会津バス野沢出張所」。窓口もある立派な出張所だが、並んでいるバスは、薄いクリーム色の西会津町民バスばかり。
 それもそのはず、ここから出る会津バスは、1日2本の高速バスだけで、一般路線バスはまったくないのだ。
 ここからは、「Let's Go シャトル」という愛称がついている、西会津町民バスに乗っていく。まずは野沢尾野本循環線で、温泉宿泊施設のロータスインまで乗っていこう。
 バスは大型もマイクロも、すべて三菱製のようで、乗車したバスだけでなくマイクロバスのローザも同じ塗色になっていた。
 駅前から乗ったのは、自分だけだったが、途中の道の駅からおじさんが1人乗ってきた。ちゃんと停留所の放送もあり、町民バスといえども、きちんとした路線バスとなんら変わりはないようだった。
 駅前から10分ほどで、ロータスインに到着。道から離れて、建物の正面まで乗り入れていく。道の駅で乗ったおじさんもここで降りていった。降車時に払った運賃は100円だった。
入浴 ロータスイン(入浴料400円)
ロータスイン  一昨日の「郡山ユラックス」、昨日の「湖望の湯」。そして今日は「ロータスイン」と3日連続の温泉入浴となった。バス旅で温泉に入ることはあるけれども、3日連続というのはなかなかない。
 入浴料は400円。施設は新しく清潔だけれども、銭湯のようや雰囲気で温泉のありがたみはその分少なめ。それでも、自家用車なしで来ることができることに感謝しなくては。
 次のバスまでの待ち時間は2時間。さすがに入浴だけでは時間をもてあましてしまう。お昼が、湖畔でのおにぎりだけだったので、何か食べたい。残念ながら食堂はこの時間開いていないそうだ。けれども、大広間でかんたんな食事と飲み物が出せるという。
 それではと、大広間へ移動する。畳敷きの大広間に長テーブルが置いてあり、勝手に座布団を持ってきて休んでいいようだ。脇にはカウンターがあり、そこで軽食が注文できるようになっている。
 さっそく生ビールと鶏唐揚げを注文する。軽食コーナーとのことで、唐揚げはレンジでチンのものらしいが、湯上がりに楽しむには、それなりにくつろぐことができた。
46.ロータスイン16:15→16:36宝川(西会津町民バス)100円 福島200は・141 三菱
ロータスインの西会津町民バス ロータスインバス停  次に乗るバスは16:15の高陽根線の出戸行きだ。ところが行き先は中ノ沢になっている。時間はあっているが、このバスでよいのだろうか。この時間帯は5分おきに各方面行きのバスがやってくる。心配になって、ドアが開くと運転士さんに確認する。「このバスは『たからがわ』に行きますか」「え〜と」「それじゃ『ほうせん』って読むのかな」「あぁ、『ほうかわ』だね。行くよ」とのこと。どうやら、このバスで間違いないようだ。
 まずは国道49号線を走る。となりを磐越西線が走っている。あと20分もすれば、SL「ばんえつ物語号」が野沢駅をでる時間なのだが、さすがに見ることはできない。しかし、この線路を越えたあたりから、下を走るSLを見たらさぞかし気持ちよさそうだ。
 やがて右側の細道に入って、上野尻駅前を通っていく。来た道を戻るのかと思ったらそうではなく、そのまま群岡小学校の前を通って下野尻から、バス1台がやっとの細道を通って国道に戻った。
 その後は、国道を走っていく。国道は集落より高いところを通っていて、ここを走っていては、乗ってくる人はいないだろう。再び、右側の細道にはいる。ここが宝川の集落だ。先ほどのバスと違い、車内放送がないのでどこがバス停なのかわからない。
 集落内の三叉路で、あの独特のピンクのポールに宝川とあるのを見つけて「ここで降ります」と声をかけて下ろしてもらった。
宝川バス停
徒歩 宝川バス停→福島・新潟県境→八ツ田バス停(約2.4km)
福島・新潟県境 福島・新潟県境  愛用のプロアトラスで調べてみると、福島・新潟県境の峠越えの細道だと、曲がりくねっていてかなりの距離になる。しかし、国道を歩けば約2.5kmで新潟県側の八ツ田バス停にたどり着くことができる。ただ、宝川バス停も八ツ田バス停も地図に表記はないので、若干距離が違うかもしれない。
 実際に、宝川バス停は国道より下に広がる集落の中にあった。まずは、ここから国道まで登らなければならない。それでも5分ほどで登ることができた。
 国道49号線には歩道はなかった。それでも路側帯が広く、歩いていて怖いと感じることはなかった。また、国道は峠越えがないかわり、八ツ田までほぼ全区間登り坂の連続だった。それほどきつい坂道ではないのが、救いといえば救いだ。
 やがて県境に到着。登り坂の途中だ。行く先は、新潟県阿賀町。振り返れば、福島県西会津町。東京から北の青森を目指しているのに、なぜか新潟県にまで足を記してしまった。これで、東京・埼玉・千葉・茨城・栃木・福島・新潟と7都県目に入ったことになる。
 そのまま登っていくと、少し勾配が緩くなったところに、トイレのある駐車スペースがあった。この辺りから、八ツ田の集落が始まるようで、一段高い山側に人家が少しずつ見えてきた。
福島・新潟県境
47.八ツ田17:45→18:12津川駅(新潟交通観光バス)550円 新潟22か15−89 いすゞ/川崎車体
八ツ田へ来るバス 八ツ田バス停  八ツ田のバス停の位置がわからない。国道沿いなのか、集落のある一段高い脇道にあるのか。さいわい、夕方ということもあり畑に人の姿が見えたので、たずねてみる。見知らぬよそ者にもかかわらず、親切に「この先の道を左に曲がった、お宮の石段のところにあるよ」と教えてくれた。
 行ってみると、そこは国道から集落への脇道を入ってすぐのところだった。待合室はあるものの「スクールバス専用」と書かれていて、一般の人が入ってはまずい雰囲気。まあ、このバス停から乗る大人は、まずいないということなのだろう。
 やがて、折り返しとなるバスが、八ツ田の行き先を出して、坂道を登ってきた。お宮の下の空き地で回転すると、行き先を津川駅に変えた。ドアが開いたので「お願いします」と言って乗り込む。
 八ツ田から三川駅へのバスは、1日3本。土休日も運転されているのがうれしい。そして、これが今日の最終バスだ。最終バスの折り返しが回送ではなく、ちゃんと客扱いしているのだ。
 でも、実態は回送とほとんど同じ。結局、終点の三川駅前まで、誰も乗ってこなかった。たぶん、普段は乗客ゼロで運転されているのだろう。
 経路は、ほとんどが国道49号線を快走していく。天満工業団地前から、わずかな区間だけ脇道を走っていった。その後、右の道へ入ったところが、津川の市街地だった。
 津川駅は市街地から離れているようで、市街地をどこまでも走っていく。市街地を抜け阿賀野川を渡った先に、終点の津川駅があった。
八ツ田の新潟交通観光バス

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