第5日 〜2007.8.15(水)〜

斜里ターミナル→西20線

斜里バス 知床方面のバス乗車券
知床への乗車券 斜里バスのスタンプ  7時半頃に斜里ターミナルへ行くと、まだ窓口は閉まったまま。営業時間は8時からとある。それじゃ8時の初便に間に合わないではないか。待合室には大勢の人がいるのに。
 たずねると、初便に間に合うように開けるとのことだった。7:45頃に開き、きっぷを買おうとすると行程を聞かれる。知床五湖では、その先のきっぷを販売しないので、カムイワッカまで行く人は事前に全行程を買わなければいけないのだ。
 ほとんどの人が、色刷りの往復券を手渡される中、行程途中までの斜里→カムイワッカ→自然センターまでのきっぷが渡される。
16.斜里ターミナル8:00→9:00知床自然センター(斜里バス)2240円 北見22う・351 三菱
斜里ターミナルの斜里バス オシンコシンの滝  カムイワッカ湯の滝までの乗車券を持って、初便のバスに乗車する。このバスは数少ないカムイワッカ湯の滝直通便だ。しかしながら、行きは知床自然センター、知床五湖の2ヵ所で途中下車しながら行くつもりだ。
 夏の一般車通行規制期間は、知床五湖〜カムイワッカ湯の滝間は一般車が通行できない。知床五湖の駐車場は五湖見学専用で、ここに車を停めてカムイワッカへ行くことは禁止されている。カムイワッカへ行くためには、ウトロか自然センターに車を停めてバスに乗り換えることになっている。
 そのため、知床五湖に車を停めてカムイワッカへ行ってしまうことがないように、知床五湖ではバスの乗車券を売っていないのだ。事前にカムイワッカまでの乗車券を買っていないと、知床五湖でバスに乗せてもらえないシステムになっている。
 そんなわけで、途中下車可能な乗車券を手にしてこのバスに乗ったのだ。バスは知床半島に入ると、海沿いの道を行く。昔に比べて海側に拡幅されているようだ。標準床の観光タイプのバス。本来の観光用としては、もうあまり見かけなくなった型だ。そのバスの半分以上の席が埋まっている。地元の方はほとんどいないようで、観光客ばかりといった雰囲気だ。
 やがてバスは、オシンコシンの滝を通る。かつてはウトロ行きの定期観光に乗ると、海沿いではなく滝の上の旧道から滝を見学できたらしい。しかし、今では旧道は通行止め。定期観光バスに乗っても、下車時間があるだけで上から眺められないとのことで、今日は8:40の定期観光ではなく8:00の路線バスにしたのだ。
 やがてウトロに到着。数人を残して、皆ここで降りてしまった。ここから乗ってくる人は10人ほどだった。運転士さんから声がかかる。「自然センターで降りられる方はおりますか」。数人が手を挙げる。ウトロから乗った女性係員が空席を数えて電話している。自然センターからは、カムイワッカへのシャトルバスの役目を果たすようだ。
バスのサボ
海岸沿いの道をウトロへ向かう
見学 フレペの滝
フレペの滝 フレペの滝
海上から滝を眺める観光船  知床自然センターには、コインロッカーがある。インターネットでそこまでは調べることができた。でも数が少ない。空いているだろうか。
 心配することはなかった。ここに来る人は、ほとんどが自家用車か観光バス。路線バスの人はここへは寄らず、知床五湖やカムイワッカへ直行してしまう人がほとんど。大きな荷物を持って来る人はほとんどいないのだ。
 ロッカーに大きな荷物を収めて、まずはここから歩いて行ける「フレペの滝」通称乙女の涙へ行くことにした。センターを出てすぐ、有料のガイドブックを売っているボックスがあったので、代金を入れて1冊購入。これを読みながら歩いていく。
 途中までは林の中なので、何ということはなかった。ところが、途中からは草原。太陽を遮るものがない一本道を歩いていく。とにかく暑い。ようやく、フレペの滝の展望所に到着。
 この滝は川のない滝。地下水が岩の割れ目からわき出して、海へと流れ落ちているのだ。ちょうど絶壁の途中から涙を流しているような感じだ。展望所も、その滝を斜めから眺められるだけ。正面から眺めるには、観光船に乗って海から見るしか方法はないのだ。その観光船は、たくさんのお客を乗せていた。
17.知床自然センター10:20→10:38知床五湖(斜里バス)−円(通し運賃) 北見200か・・22 三菱
自然センターの斜里バス  一般車の通行規制期間は、定期路線バスに加えて自然センター〜カムイワッカ間のシャトルバスが運転されて、自然センター以遠は20分間隔の運行になっている。そこで、次は知床自然センター始発のシャトル便に乗っていこう。
 バス停に待っていたのは、ふそうのハイデッカーバス。斜里から乗ったバスより、だいぶ上等になった。バスの座席数は多いのだが、自然センターから乗った乗客は数えるほどだった。
 しかしながら、その先の臨時駐車場に入ると、たくさんの人が待っていた。たちまち、ほとんどの空席が埋まっていった。
 バスは快調に走っていく。周りは人家などなく、自然の中にアスファルト道路が延びているだけだ。やがて岩尾別というところにでる。ここから右側のダート道を行くと岩尾別温泉がある。しかしながら、その温泉まで入る便は1日2本だけ。先ほど自然センターで降りた、斜里からの初便が温泉経由便だった。
 このバスは、その道を見ながらアスファルトの道路を走っていく。やがて、前方に乗用車が渋滞している。しかし、誘導員の合図でその脇をすり抜けて五湖駐車場へと入っていった。
見学 知床五湖(1湖と2湖)
ヒグマ出没 二湖  知床五湖の駐車場は満車。こういう時は、路上駐車でバスはなかなか近づけないところが多いのだけれども、知床は違った。しっかり渋滞の最後尾に係員がつき、路上駐車をさせない。1台出ると1台を誘導するという形でしっかり管理されていた。
 でも、これだけの車が来ているのだから、五湖の遊歩道も大混雑。入口には熊出没で、1湖と2湖しか歩けないとの説明があった。その遊歩道も、1湖から2湖への一方通湖になっている。
 駐車場から出てすぐの分岐に、1湖方面への一方通行の矢印がある。それに従って左の道を行く。それでも、どこにでもいるのがルール無視の逆行グループ。自分たちだけ、何かおかしいと気づかないのだろうか。
 やがて目の前に1湖が現れた。静かな水面が広がっている。水面の向こうは緑の草原。その中に、低い木が何本か生えている。そして遠くに知床の山々が。遊歩道の人の多さとは対照的に、対岸に人がいないせいかとても静かな雰囲気を漂わせている湖だった。
 そこからしばらく歩いて行くと2湖があった。こちらは、周りを高い木に囲まれ、水面にも植物が生えている。湖畔といえる空き地があるわけでもなく、林のすぐ隣がもう湖岸なのだ。森の中に突然現れた湖という雰囲気だ。
 2湖は、湖岸に行くために出戻りとなる区間があり、行き来する人が交錯する。また、湖岸が見える区間が短くそこに集中するので、1湖より騒々しい湖といった印象が残ってしまった。
一湖
18.知床五湖11:59→12:24カムイワッカ湯の滝(斜里バス)−円(通し運賃) 北見200か・・38 日野(ハイブリッド)
湯の滝についたハイブリッドバス ほとんどがダート道  駐車場にあるのが売店と軽食堂の入ったレストハウス。ちょっと早いが、この先食事のとれるところはなさそう。そこで、カレーと飲み物のセットを注文する。レストハウスの中に座席はないが、外には自由に使えるテーブル付きのベンチがいくつもならんでいる。
 なかなか空いているところがなかったが、ようやく空席を見つけて一時の休息。食べ終わった食器を戻しに行って建物を出ると、ちょうど銀色のハイブリッドバスがやってきてお客を降ろしているところだった。
 予定では次のバスでカムイワッカ湯の滝へ行くのだが、このバスが来たからにはぜひ乗ってみたい。やっぱり知床にはハイブリッドバスだよなと、写真を撮るのも忘れて乗り込む。さいわい知床五湖で降りた人が多く、車内は空席が目だった。空いていた運転席後ろ席に座っていく。
 知床五湖から先の一般車通行規制の道は、ずっとダートだった。バスが走ると土煙が上がる。バスは20分間隔で走っているから、途中のすれ違いが多い。道路も広くはなく、ダートで走りながらのすれ違いは難しい。
 そのダートには、ところどころポールが立っていてそこに数字が書いてある。運転士さんは、無線でやりとりして、どうやらすれ違う数字を確認しているようだ。やがて、こちらのバスが停まっているわきを、ペパーミントグリーンのハイブリッドバスがすれ違っていった。
 バスの車内は、テープによる観光ガイドが流れて、ミニ知識を得ることができる。すれ違うバスの色が毎回違うのも楽しく、乗車時間の25分はあっという間に過ぎてしまった。バスを降りて、今度は忘れずに写真を撮っておく。リアウインドにも日野マークが入っていた。
ハイブリッドバス
見学 カムイワッカ湯の滝バス停付近
川を登ると湯の滝がある この川の上流に湯の滝がある  ある意味、何もない終点のバス停だ。川に橋が2本かかっていて、それぞれ一方通行になっている。これがバスの折り返し場。バスから降りて歩けるのはこの一帯だけ。知床五湖への道はバス専用で歩行禁止。ここから先は落石防止工事中で、関係者以外立入禁止になっている。
 建っているのは、その工事の詰め所だけ。売店も水道もない。こんな何もないところに、何で人はやって来るのか。それは、この橋の架かっている川の上流に温泉が湧いていて、滝壺が天然の温泉になっているからだ。四の滝まであるのだが、ここも災害で一番手前の一の滝までしか登ることができない。
 もちろん道などなく、緩い上り坂になった川を歩いて行くしかない。温泉からの酸性水で、川底の岩にはコケが生えていないので、ゴム草履や運動靴で登れるという。しかしながら、こちらは濡れてもよい支度をしてはいない。とりあえず、ここで風景を眺めるしかないようだ。
 やがてセパレート水着の金髪女性が上流から下りてきた。う〜ん、外国の方にも有名な温泉なのか。世界自然遺産だからなぁ。しかし、こんな山の中に突然水着姿の金髪女性が現れると、ちょっとどうしてよいのか自分の行動に迷ってしまう。
 バスは20分毎にやってくる。みなダートの砂埃を巻き上げて走ってくる。1台毎に、ピンクだったりペパーミントグリーンだったり、たまに今朝乗ったような3色塗色のバスがきたりと、違う塗色がやってくるので見ているだけでも楽しい。
 さて、どのバスで戻ろうか。今朝斜里ターミナルでもらった時刻表を見ると、一部の便に「ガイド乗車便」の文字がある。
ダート道をバスがやってくる
19.カムイワッカ湯の滝13:13→13:56知床自然センター(斜里バス)590円 北見200か・・20 日野(ハイブリッド)
湯の滝の斜里バス バス停と標識  1台バスを見送り、次のバスに乗るためポールに並ぶ。次のバスが「ガイド乗車便」と書かれている便、どうせ乗るならガイドさんの前の席に座ってみたい。
 バス停はそれなりのものだけれども、交通標識は木製の杭に打ち付けただけだった。夏場だけしか使わないからだろうか。
 やってきたのは、ペパーミントグリーンのハイブリッドバスだった。銀色のバスには、大きくハイブリッドと書かれていたが、こちらのバスにも小さくハイブリッドの文字がある。知床を走る斜里バスには、ハイブリッドバスが何台もあるのだ。
 予定通りの座席に座って、知床センターへ戻る。行きのバスではテープによる観光案内があったので、このバスではガイドさんによる肉声の案内を期待したのだが、残念ながらそれはなかった。もしかすると、カムイワッカへ来るときはあったのかもしれない。帰りのガイドさんの仕事は、下車停留所の案内だけだった。「ガイド乗車便」の記載に間違いはなかったけれども、その文字に期待しすぎてしまったようだ。
 知床五湖からの乗車で、ほぼ満席となって自然センターを目指す。途中の草むらにエゾシカがいた。ツーリングのお兄さんが、その鹿と戯れていた。
 自然センターの臨時駐車場で、半分以上の人が降りていく。やはり自家用車で来てシャトルバスに乗り換えた人が多いようだ。
知床五湖の規制区間入口
20.知床自然センター14:48→15:26羅臼営業所(阿寒バス)1120円 釧路200か・138 三菱
自然センターの阿寒バス 知床峠バス停  夏の間だけ1日4本運転されている斜里〜羅臼のバスに、知床自然センターから乗って羅臼に向かう。斜里バスと阿寒バスが2往復ずつ運行していて、羅臼行きの最終便は阿寒バスの担当だ。
 阿寒バスだから、あのクリーム色とブルーに赤い丸がついた丹頂カラーのバスがやってくるものとばかり思っていた。発車予定時刻に少し遅れてやってきたのは、藍色とクリームの小型バス。どこかの貸し切りバスかと思ったのだが、阿寒バスの行灯がついている。ボディには「ひかりごけ」の文字があった。
 バス停のところでドアが開いた。「羅臼行きですか」と聞くと、そうだが降りる人が済むまで待つようにとのこと。どうも支払いに手間取っているようで、それではと写真を1枚撮っておく。
   自然センターから乗ったのは2人。バスは発車すると、すぐに知床峠への上り坂になる。知床峠の標高は728m。ほぼ海岸沿いから一気に700m近く登るのだ。今まで晴れていた空が、みるみるうちに曇ってきた。そして、いつしか目の前を霧が漂うようにさえなってきた。短時間での急激な天候の変化に、びっくりしてしまう。
 もっとびっくりしたのが、知床峠バス停にこのバスを待っている乗客がいたこと。1日4本しかないこの路線。いったいどんな行程でやってきて、ここから乗るのか聞いてみたい衝動にかられてしまった。
 峠を過ぎて下り坂になる。少し下ると、こんどはみるみる晴れてきた。そして、正面に国後島が見えてきた。大きい。地図で見る以上に、その島の大きさを実感した。
国後島が見える
見学 羅臼の街と道の駅
羅臼の港から国後を望む 道の駅きっぷ  羅臼での乗り継ぎ時間は、1時間半もある。同じ阿寒バス同士なのだが、あまり接続は考慮されていないようだ。
 そのおかげで、なかなか来ることができない羅臼の街を歩くことができた。バスターミナルには格安のコインロッカーがあり、大きな荷物を納めて街歩きに出た。
道の駅の昆布ソフト 欄干にはオジロワシ  まずはバスターミナルからまっすぐ港へ向かう。途中、郵便局に寄り道して風景印を押してもらったりする。その郵便局にも、観光記念スタンプが置いてあった。絵葉書などを出す人へのサービスなのだろう。
 港まで来ると、国後島は見えるものの峠の坂道から見たときより、遠くに小さくなってしまった感じがする。
 港から国道沿いの『道の駅』まで、足を伸ばす。途中の川に架かる橋が『オジロ橋』。欄干には「オジロワシ」のブロンズ像が建っていた。
 道の駅で「道の駅きっぷ」を購入する。最近、職場の同僚のまねをして、見つけると買うようになってしまった。
 そして売店で買ったのが「こんぶソフト」。バニラが250円でこんぶが300円。その差は何かというと、見ての通り。バニラソフトに一面、粉末昆布がまぶしてある。そして、スプーン代わりに板状の昆布が1枚ついてくるというもの。昆布味の薄緑のアイスという予想を覆してくれた。味は・・・けっこう塩味がきいておいしかったです。
21.羅臼営業所16:50→18:14西20線(阿寒バス)2260円 釧路200か・・15 三菱
羅臼の阿寒バス 羅臼営業所のスタンプと乗車券  羅臼のバスターミナルである営業所から釧路市立病院へ向かう長距離バスに乗る。全区間乗ると3時間半、途中の釧路駅まででも4740円する。しかも、全区間一般道を走るバスだ。
 今日はこのバスで、中標津の市街地の入口にある、チロロの湯という温泉に併設された北ホテルというところへ行く。最寄りバス停は定かでないが、西20線が近いようだ。運賃がわからないので、営業所できっぷを作ってもらうと2260円だった。
 ドアを開けたバスは、高速バスと見まごうばかり。ハイデッカーのトイレ付きバスだった。乗客は、日本人観光客2人と大きなレジ袋をいくつも持った外国人グループ。これだけだった。
 外国人グループは、羅臼の街外れで降りていった。この辺りで働いているのだろう。
 もう一人のお兄さんは、どこか「とほ宿」を予約しているよう。運転士さんと降りるバス停を確認している。ところが、疲れていたのか降り損ねてしまったようで、人家もない途中のバス停で降りていった。大丈夫だろうか。知床半島の人家がないところは、携帯の電波も届かないのではと人ごとながら心配になってしまった。
 標津までは、ほぼ海沿いを走っていく。廃業したホテルやレストランが海沿いに点在している。世界自然遺産とさわがれても、どうも賑やかなのはウトロ側だけの雰囲気。標津線が廃線になって、公共交通機関を使って旅する個人旅行者が気軽に来るのが難しい地域になってしまったことは、間違いないことだろう。
バスのサボ
オホーツクを見ながら走る

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