第1日 〜2007.12.22(土)〜

福山駅→三成駅

1.福山駅8:55→9:48目崎車庫(中国バス)530円 福山22く10−00 日野
福山駅の中国バス  バス旅初日は雨になってしまった。曇ってもいいから、雨は降らないに越したことはない。福山駅前には、いろいろなバス会社が乗り入れている。前回乗ってきた鞆鉄道に井笠鉄道。それに、今回乗る中国バス。
 それぞれ乗り場が分かれており、駅を背にして右手が鞆鉄道と井笠鉄道。左手が中国バスになっている。傘を差して左手に進み、案内所でこれから乗るバスのきっぷを買おう。路線図には庄原駅前まで2130円と書かれている。窓口の方に通しで買えないのか聞いてみたがダメとのこと。目崎車庫まで530円のきっぷを買って乗り場に向かう。
 停まっていたバスは府中と行き先を出している。たしか、府中の街を抜けた目崎車庫行きのはずだがと運転士さんに確認すると、車庫まで行くという。終点ではなく、目的の都市名を表示するバスというものに何回かであったことがある。ここもそういう表示なんだろう。
 福山駅を出たバスは、横尾駅まではほぼ福塩線に沿った道路を走っていく。その先は、川の対岸へ渡り、鉄道とは離れたところを行く。雨であまり景色が楽しめないのが残念。府中の街を抜けてかなり行ったところに目崎車庫があった。
2.目崎車庫10:28→12:11庄原駅前(中国バス)1600円 福山200あ・・97 日野/J-BUS
目崎車庫の中国バス 目崎車庫バス停  待合室もある大きな車庫。ここから大阪や広島行きの高速バスも出ていて、それに乗るために待っている人もいるようだ。
 ポールも目崎車庫のほかに、府中営業所というものもあって、どうやら中国バスの運転の拠点になっているようだ。ここでもきっぷを買っておこうと事務所をたずねるが、路線バスは現金払いして欲しいとのことだった。
 上下駅前での乗り継ぎ時間が短いので、大丈夫かたずねると、次のバスが庄原まで直通なので大丈夫とのこと。中国バスのウェブサイトの時刻表では別のバスだけれども、実際は府中〜上下〜庄原のロングラン運行をしているのだ。
 発車時刻の少し前に、車庫の奥からリエッセがやってきて、雨に濡れないように待合室のそばでドアを開けてくれた。遅れていた福山からのバスを待って、乗り継ぎ客を乗せ5分遅れで目崎車庫を発車した。
 発車してまもなく、父石大渡橋で右折して国道から県道府中上下線に入っていく。対岸を走っていた福塩線が見えなくなると、川幅が狭くなり上り坂の勾配も急になってきたようだ。数人いた乗客も、いつしか自分だけになってしまった。
 上下駅前で小休止する。でも、もう乗ってくる乗客はなかった。今は上下も府中市の一部。大原までが府中市で、峠を越えて庄原市に入ると黒目入口バス停が現れた。田総の街外れで、上下行きのリエッセとすれ違う。あちらも乗客は少ないようだ。
 庄原インターの先で右折して、かんぽの里に寄り道するが乗客はいない。坂を下って、けっこう狭い庄原駅前まで1時間50分あまりのバス旅になった。
目崎車庫の中国バス
徒歩 庄原駅前→庄原バスセンター(約125m)
庄原バスセンター バスセンターの時刻表  駅前にこれといった食堂がない。通りに1件だけ、サッシ2枚だけ入口に暖簾がある食堂があった。選択の余地はなくそこにはいる。
 その後、駅前から1本上の県道沿いにある、備北交通の庄原バスセンターへ歩いていく。ものの5分とかからなかった。
 庄原バスセンターでしか売っていない、備北交通オリジナルおみやを買おうと中へ入るが、今日は「高野のりんごぱん」は入荷無しとのこと。小奴可のリンゴどら焼き「りんりん」と「あんりん」を買って、バスが来るまでの間にベンチでいただくことにした。
リンリンとアンリン
3.庄原バスセンター14:03→15:03健康福祉センター:自由乗降(備北交通)1360円 広島22く40−51 日野
庄原センターの備北交通 庄原センターの備北交通  この次に乗り継ぐバスは、高野町の健康福祉センターというところから出るという。備北交通で行くとどこで降りればいいのか。バスセンターの方に調べてもらうと「殿垣内(とのごうち)」というバス停が最寄りとわかった。
 庄原から高野町方面のバスは、平日4本、土曜2本、日祝1本しかない。その貴重なバスが、そろそろ来る時間とカメラを構えていると、やってきたバスには「下高」の行き先が。あれっ、これでいいのかなと、停車したバスの横幕を見てもやはり「下高」しかなく判断が付かない。運転士さんに声をかけると、これで間違いないとのこと。しかし、下高野町という行き先を「下高」と表記されては、余所者には困ってしまう。
 バスセンターから乗ったのは自分だけ。ジョイフルというショッピングセンターから、ご婦人がひとり乗ってきて、乗客2名で庄原の市街地を後にした。
 バスは国道432号線を走っていく。ものの5分と走らないうちに、ご婦人は降りてしまった。またしても乗客は自分だけになってしまった。今は、この辺り一帯がすべて庄原市だけれども、これから旧比和町、高野町へと入っていく。やがて、道路に庄原市比和町のカントリーサインが現れた。
 旧高野町に入ったので、運転士さんに「健康福祉センターで奥出雲交通に乗り継ぎたい。最寄りバス停は殿垣内らしいのだが」と告げると、「たしか老人センターの温泉のところで、何かバスが停まっているの見たな」という。自由乗降区間だから、そばで停めるよと言ってくれる。そのうち「ああ、あれだろう」と言ってセンターの前で停めてくれた。
健康福祉センターを去る
4.健康福祉センター15:23→16:13三成駅(奥出雲交通)400円 島根22き19−04 いすゞ(ワンステ)
健康福祉センターの奥出雲交通 健康福祉センターバス停  駐車場の隅に停まっていたのは、意外にも大きなキュービックだった。ローザ等を使ったマイクロバス路線じゃないかと予想していたのだが、みごとに外れてしまった。
 バス停は健康センターの玄関の脇。雨に濡れずに待っていられるのがうれしい。やがて時間になり、バスがやってきてドアを開ける。一番前の席で、荷物を抱えて座っていると「空いているから、座席に荷物置いていきな」と運転士さんがいう。
 平日はそれでも何人か乗るけれども、土日はほとんど乗客がいないという。今は町からの要望で土日もやっているが、今後はどうなるかわからないねとも言う。
 国道432号線の坂道を行くと、やがて島根県奥出雲町のカントリーサインが見えてきた。いよいよ県境を越える。道路も下り坂に変わった。周りは山林ばかりで、人家がほとんどない。心配した雪は全くない。運転士さんによると、去年はこの時期もう積もっていたという。
 運転士さんは話し好きで、奥出雲町とくに旧仁多町のことについていろいろと教えてくれた。ホッケーの町だということ。西日本で唯一といってよいブランド米「仁多米」の産地だということ等々。
 途中で同じ塗色のワゴン車とすれ違う。あれもバスですかとたずねると、最初はこの便に使う予定だったとか。冬休みで、いつもと違う時間に高校生がたくさん駅に待っていたので、急遽車両変更したのだとか。高野方面にキュービックが入ることはほとんどないのだとか。貴重なバスに乗ったのだ。
 途中、鋳物屋というところで国道を離れて、バス1台がやっとの狭隘路を見寄、尾白と走っていく。やはり、これはワゴン車が走る路線なんだと納得する狭さだった。
広島・島根県境
奥出雲サイクリングターミナル(宿泊)
奥出雲サイクリングターミナル  今日は、三成駅近くの奥出雲サイクリングターミナルに宿泊する。その前に、木次線三成駅に併設されている物産館へ寄ってみる。
 中に入ると「仁多米のおにぎりいかがですか」と声をかけられる。もう、宿に入って夕食も近いのだが、せっかくだから1ついただいてみる。冷めてはいるが、なかなかおいしい。
 地元のそば粉を使ったそばや、正月商品としてのお餅などが並んでいる。せっかくだから、そばを1パック買っていく。
 サイクリングターミナル正面の建物は、1階がレストラン。宿泊は脇の入口からとのことで、そちらに回る。和室、洋室とも同じ値段とのことだった。ただし、トイレが付いているのは洋室のみとのことで、今日は洋室を予約してある。
 その洋室は、あのレストランの上だった。部屋の中は、あの建物の形に合わせて、微妙な台形をしていた。レストランの夕食もなかなかよかった。地元の素材を、できるだけ出そうという心意気が感じられる内容だった。

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