第2日 〜2007.12.23(日)〜

三成駅→松江駅

5.三成駅8:13→8:26亀嵩駅(奥出雲交通)200円 島根22か19−05 いすゞ(ワンステ)
三成駅の奥出雲交通 三成駅バス停  駅前でバスを待っていると、やってきたのは昨日と同じキュービック。と思ったら登録番号が1番違い。奥出雲交通というのは、大きなバスを何台も持っているのだろう。
 乗客は自分だけだった。バスはいったん、サイクリングターミナルの前を通って、丘の上にある奥出雲病院に寄り道する。しかし、日曜日の早朝、病院での乗降はまったくなかった。
 再び丘を下りて、今度は木次線の線路沿いを走る国道を、亀嵩へ向けて走っていく。途中、川の対岸に「県営三成発電所」と書かれた建物が見えてきた。発電所って電力会社や企業が持っているものと思っていたが、実際はそうでもなく、水力発電を中心に県営発電所というものが結構あるのだと後で知った。
 やがて国道とは名ばかりの、センターラインのない道になってしまう。そんな道の途中に、木次線の亀嵩駅があった。
亀嵩駅と扇屋のそば
木次線亀嵩駅 駅舎内の蕎麦屋「扇屋」  もう20年近く、一度は行きたいと思っていながら寄れなかったのが、木次線亀嵩駅の蕎麦屋「扇屋」だ。本数の少ない木次線。列車で訪れるのは簡単ではない。それでも1回、寄れるチャンスがあったのだが、残念ながらその日は蕎麦屋が休みだった。
 ということで、念願かなっての訪問となった。朝早いが、蕎麦屋は朝9時から営業しているという。これまた驚きの早朝営業だ。そんなこともあって、朝食もちょっと抑え気味にしておいたのだ。
 せっかくだから、木次線の写真も撮っておきたい。9時20分過ぎに、宍道行きがあるのでそれを撮影してから蕎麦にしよう。木次線を走るキハ120は2種類あるけれども、やってきたの鋼製車体の6号だった。日曜日だからか、乗客は少なかった。
 その後、ようやく扇屋のドアを開けてはいる。開店はしているものの、まだ仕込み中といった雰囲気。その際中にも電話がなっている。年越し蕎麦の通販の注文が、けっこうきているようだ。迷惑な時間に来ちゃったかなと思ったが、注文も取りに来てくれたのでそのまま座って待つことにする。
 注文したのは、割り子蕎麦。3段で650円とのこと。しばらくして出てきたのは、写真のようなもの。3段とも載っているのは、ネギ、海苔、おかかと同じ。短めでコシのある蕎麦で、これがおいしかった。
 長年の夢が叶って、とりあえず満足。扇屋さんは、駅の委託もされているので、会計をしながら記念にと亀嵩駅の乗車券も1枚購入しておく。ホームの駅名票や出札口などの写真を撮ったり、待合室のベンチでメモをまとめたりして、バスを待った。
扇屋のわりこそば
6.亀嵩駅10:50→11:10亀嵩温泉(奥出雲交通)200円 島根22か19−04 いすゞ(ワンステ)
亀嵩駅のきっぷ 亀嵩駅バス停  奥出雲交通は、土日でもそれほど減便がないのだけれども、この先乗り継ぐ、安来市域のバスが大幅減便。朝の1便の次は14時前までないのだ。
 そこで、再び少しだけ進むことにする。次のバスに乗って亀嵩温泉まで進み、温泉入浴と昼食にしようと思う。
 やってきたバスは、今度もキュービック。昨日、高野から乗ったバスだった。今度は数人の乗客がいる。やっぱり、時間によっては休日でもちゃんと利用者がいるんだ。
 しばらく行くと、国道を左折してどんどん奥へ進んでいく。停留所はなく、どこまで行くのだろうと思っていたら、やがて小学校が現れた。そこが高田バス停。今日は学校が休みなのにと思ったが、ちゃんとここで降りていく人がいた。奥出雲交通は第3セクターとのこと。住民がいるところには、路線を延ばしているのだろう。
 再び来た道を戻って、左折して国道へ入る。緩い上り坂を上ったところが、郵便局などがある亀嵩の街の中心地のようだ。ここでも降りていく人がいた。
 その先で、右手に広がる水田の向こうの高台に、大きな建物が見えてきた。あれが亀嵩温泉のようだ。でも、まっすぐそちらへ行く道はないようで、少し先に行った道の駅のところで右折をする。
 そして、向かい側の丘を登っていく。建物ばかりでなく、駐車場もかなり広い。そして、その駐車場にかなりの車が停まっている。けっこう人気の温泉だと聞いていたが、本当のようだ。
 バスは玄関の前が降り場だった。ちょうど冬休みのバイトに来たといった雰囲気の、男子高校生とともにここで降りる。
 さて、降りたはいいのだが、バス停がどこにも見あたらない。もしや、降車場所と乗車場所は別の場所なのか。さっそく受付で確認すると「玄関前のベンチのところでお待ち下さい」とのこと。時刻表は館内に貼ってあり、ベンチに座っていれば必ず停まってくれると言うことらしい。
亀嵩駅の奥出雲交通
7.亀嵩温泉12:58→13:07西比田(奥出雲交通)200円 島根22か19−05 いすゞ(ワンステ)
亀嵩温泉 地元素材のしゃくなげ定食  亀嵩温泉は、正式には玉峰山荘というホテルの温泉部門。入口を入りホテルのフロントの前を通り過ぎて、日帰り温泉の入口へ向かう。自動券売機で500円の入湯券を買って、温泉へ向かう。
 脱衣所は広くて気持ちよい。そして、浴室もこれまた清潔で広く気持ちよかった。500円でこれだけ施設がよければ、人気が出るのもうなづける。
 そして、昼食はレストランへ。レストラン以外にも麺処が別にあるのだから驚きだ。最初は、ウェブのメニューに載っていた「仁多牛ステーキ丼」にしようと思っていた。でも、メニューを見たら地元食材で作っているという「しゃくなげ定食」に興味をひかれてしまった。
 仁多牛陶板焼、やまかけ、ざる豆腐、天ぷら、手打ち蕎麦、お茶のゼリー他。仁多米のご飯はおかわり自由。いや〜、おいしかったぁ。
 心もお腹も満足して、西比田行きのバスに乗車する。今朝、三成駅から乗ったのと同じバスだ。どうやらこの路線、2台のバスで運行されているようだ。
 数人のお客さんが乗っていたものの、国道に戻った上久比須バス停で皆降りてしまった。その先、久比須峠を越えると奥出雲町から安来市に入り、道路も下り坂になった。市町境を越えて利用する人は、少ないのだろうか。
 やがて、国道から脇道に入り、木造の大きな車庫の前が終点の西比田だった。バスはその車庫に入ることはなく、そのまましばらく停まってから、再び三成へと走っていった。
亀嵩温泉の奥出雲交通
8.西比田車庫13:50→14:32広瀬ターミナル(安来市広域生活バス)200円 島根200さ・・57 三菱
西比田車庫のイエローバス 西比田車庫バス停  西比田から安来駅までは、安来市広域生活バスに乗っていく。愛称はイエローバスで、その名の通りボディが黄色に塗られたバスが走っている。
 西比田から広瀬へ行くバスは、学校のある平日ならば1日8本あるのだが、日曜日は1日3本しかない。これから乗るのが、今日の2本目なのだ。
 やってきたのは、黄色の三菱ローザ。発車時間の少し前に来てドアを開けてくれた。ここから乗ったのは自分だけだったが、途中でもうひとりご婦人が乗ってきた。
 バスは国道432号線を行くものの、ところどころ集落では旧道に入っていくのが、コミュニティバスの楽しいところ。
 そんな途中に、白椿湖というダム湖があった。ダムサイトを過ぎると、一気の下り坂。桜並木になっていて、花の季節ならさぞきれいだろう。
 このバスの運転士さんも話し好きで、しばらく前にもバスに乗りに来た人がいたよという。広瀬から奥、西比田方面は観光の利用者はほとんどいないとのこと。奥出雲交通と接続はしているものの、よほど公共交通旅行マニア(なんているのかな)でないと乗らないのだろう。
 広瀬の街に入ったところで、もう一人の乗客のご婦人が降りていった。このバス、行き先は広瀬となっているが、ターミナルを過ぎてせんだん橋というところまで行くのだという。街中にあるバスがたくさん停まっている広瀬ターミナルで降りると、バスはそのままターミナルには入らず、さらに街中へと走っていった。
 待合室でしばらく待っていると、先ほど乗ったバスが回送になってターミナルに戻ってきた。
広瀬を去るイエローバス
9.広瀬ターミナル14:50→15:18安来駅(安来市広域生活バス)200円 島根200さ・・63 日野
広瀬のイエローバス 広瀬の駅舎  ここは、一畑電気鉄道バスの広瀬営業所だったところ。山陰本線の荒島駅から出雲広瀬まで、かつては一畑電気鉄道広瀬線という鉄道が通っていたが、鉄道駅は街の手前だったとか。
 待合室の建物には、うっすらと出雲広瀬駅という字が読み取れる。一畑バスの時代から使われているのは確かだが、鉄道時代の出雲広瀬駅を移築したものでもあるらしい。
 次に乗る安来駅経由吉佐入口行きは、先ほどより少し大きな前中ドアのリエッセ。正面は方向幕を使っているものの、横幕はパウチした紙を吸盤で貼り付けてあった。待合室で座っていると、窓口から声がかかり「乗っていて下さい」という。
 それではと、まだ無人のバスに乗り込む。発車時刻が近づいて、運転士さんもやってきた。ターミナルから乗ったのは自分だけだった。やはり日曜日の昼間に、駅へ向かう人はいないのだろうか。県道をしばらく行くと、足立美術館、安来節演芸館それに鷺湯温泉がかたまって建っていた。
 その先で飯梨川を渡ると、しばらく堤防の道を走っていく。川から少し離れて、情報科学高校入口バス停。確かに入口で、水田の中に見える校舎までは少し距離がある。イエローバスの路線の中には、情報科学高校バス停を通る系統もあるので、通学生はそちらを利用するのだろう。
 そのまま行くと、ようやく周りに人家が増えてきた。安来の市街地に近づいたのだろうか。山陰道をくぐり、さらにしばらく行くと山陰本線が正面に見えてきた。バスは線路の手前を右折して、しばらく線路の沿って走る。そのまま坂を登り、左折して山陰本線を跨げば、安来駅まではあとわずかだった。
吸盤で貼り付けたサボ
10.安来駅前15:30→15:59矢田(日ノ丸自動車)590円 島根200か・205 日野
安来駅前の日ノ丸バス 安来駅前のバス停  イエローバスの安来駅バス停は駅前だけれども、乗り継ぐ日ノ丸自動車の安来駅前バス停は国道上だという。発車予定時刻は15:22だから、あと4分しかない。
 あわててバス停に向かうが、時間を過ぎてもバスはいっこうに現れない。まさか早発ということもあるまい。それなりに国道の車が多いから、遅れているのだろう。ようやく15:30になってバスが姿を現した。
 鳥取県の米子と島根県の松江を結ぶ、県境越えの路線バス。バス旅は東へ向かうのだから、本当なら米子行きに乗るところだけれども、今回は中海を一周したいので西へ向かう松江行きに乗車する。
 車内の乗客は数人。バスはひたすら国道9号線を西へ走る。すると、途中で左折して山陰本線の踏切を渡る。どこへ行くのかと思ったら、荒島駅前を通る。駅前はバス1台がやっとの道。再び国道に戻ると、右手に中海が見えてきた。
 しかし、中海が見えた区間はわずか。すぐに山陰本線と一緒に湖岸を離れていった。東揖屋でお客さんが待っていた。松江が近づいたからだろうか。そして、道路もだんだんと渋滞してきた。松江へ続く道はこれしかないのだろう。
 車内放送が「あだかえ」とバス停を告げている。渋滞してノロノロ運転のバスから信号を見ると「出雲郷ADAKAE」と書いてある。出雲郷って書いて「あだかえ」とは読めないよ。地名って難しいなと、あらためて思い知らされる。
 このまま乗っていけば松江へ行けるのだが、どうしても矢田の渡しが見たくて、矢田バス停で降りる。今日が平日だったら、このまま矢田の渡しに乗って対岸の矢田渡し場バス停から松江行きのバスに乗り継げるのだが。
中海の風景
見学 矢田の渡し
矢田の渡し
矢田の渡し 矢田の渡し  今回のバス旅の+α第1候補だったのが、この矢田の渡し。中海と宍道湖を結ぶ大橋川に今も残る渡し船。営業時間が短く、朝の7:00〜9:30と夕方の16:00〜19:00だけ。
 運行回数は決まっておらず、お客がいれば運行する。大人40円で対岸まで運んでもらえる。残念ながら、土休日運休で乗ることができない。せめて現場が見たいと、ここまで歩いてきた。見てしまうと、なおさら乗ってみたいという気持ちになってしまった。
矢田の渡しの案内
11.矢田16:24→16:43松江駅(松江市営バス)250円 島根22き19−76 日デ/富士重工(ワンステ)
矢田の松江市営バス  日ノ丸自動車の松江線は、ほぼ1時間に1本の運行。矢田はすでに松江市内に入っているので、同じバス停から松江市営バスも出ている。こちらも、ほぼ1時間に1本あるので、両方合わせるとほぼ30分間隔でやってくる。
 次のバスは、松江市営バスの四季ヶ丘行き。道路は相変わらず渋滞しているものの、始発が市境の竹矢なのでそれほど遅れずにやってくるだろう。
 予想は当たって、わずか1分遅れただけで、バスは姿を現した。先客は1名。日曜日も夕方になって、少し人の流れが路線バスにも出てきたのだろう。その先のバス停でも、所々で待ち人がいた。
 まっすぐ国道を行くのかと思ったらそうではなかった。津田小学校入口で右折して、いったん山陰本線の高架橋沿いの道を行く。やがて道路は高架橋と離れるがそのまま進み、サティが見えると右折。そのサティの前を通り、高架橋をくぐって線路の北側に出た。
 松江駅は北側がメイン。左折してしばらく行くと、松江駅前に出た。松江の街は、どちらかというと大橋川の北側にあるようだ。バスも駅が終点ではなく、ここで全員が降りるわけではなかった。
夕食 松江堀川地ビール館
松江堀川地ビール館 各種地ビール  さあ今日の行程は終わった。せっかく松江に来たのだから、夕飯は心置きなくビールを飲みに行こう。駅のコインロッカーに荷物を納めて駅前のバス乗り場に向かった。
 目指す松江堀川地ビール館は、松江温泉駅の先でこの時間なら、堀川遊覧船乗場西入口バス停が近いらしい。北循環線の出る1番のりばでバスを待つ。
 ようやくついた地ビール館は、閑散としていた。2階のレストランに入ると「17時からは焼き肉になるのですがいいですか」と言われる。どうやら、夜は焼き肉レストランになるらしい。ビールは飲めますよねと確認すると、それは大丈夫とのこと。それなら、焼き肉相手に飲もうではないか。
 ペールエール、ヴァイツェン、スタウトといただく。焼き肉は、焼き野菜お変わり自由という、何ともおおらかなシステム。好物の椎茸焼きにビールで、かなり気持ちよくなった。一番好みの銘柄ヴァイツェンが今ひとつの感じ。ここのビールなら、ペールエールの方が自分の好みにはあっていたかな。

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