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第25日 〜2002.9.15(日)〜

京王八王子駅→三鷹駅

徒歩 八王子駅バス停 → 京王八王子駅バス停 約400m
 今日乗るバスは、昨日バス旅を終了した八王子駅前から乗ることはできる。しかし、始発は京王線の八王子駅だ。座席も確保したいし、1区間乗り残すのももったいない。歩いてもすぐそこなので、始発地点に敬意を払って行ってみることにする。
 京王線の八王子駅は、大きく変わっていた。しばらく来ないうちに鉄道は地下に潜ってしまい、バスターミナルだけが地上に残っていた。
182.京王八王子駅8:23→9:02五日市駅(西東京バス)670円 八王子200か・161 日デ/富士重工(ノンステ)
五日市駅に着いた西東京バス  今日はまず、JR五日市線の武蔵五日市駅へ行くバスに乗る。五日市駅行きは、川口経由と秋川駅経由の2つの路線がある。この先の径路とぶつからない、川口経由に乗っていこう。
 8:21の川口経由武蔵五日市駅行きは、少し遅れてやってきた。中ドアより後ろが2段高くなったノンステップバス。ノンステップ部分は座席が低く眺めが悪いので、後ろの方の高い席に座っていく。
 浅川を渡っても、まだ市街地は続いている。川を渡ればすぐ山かと思っていたのだが、そうでもないようだ。正直、それほど代わり映えのしない風景が広がっていく。
 経由名にもなっている川口を過ぎて、今熊というところへくると、誘導員の方が乗ってきた。かつては、この先に小峰峠というカーブが連続する細道の難所があったそうだ。現在は新小峰トンネルで、一気に抜けるようになってる。
 走る道は誘導員が必要なほど狭い道ではないなと思っていたら、秋川を渡ってからのほんのわずかの区間が、きついカーブの続く細道になっていた。でも、そのカーブの登り坂を過ぎれば、すぐに大通りに出る。そこはもう、武蔵五日市駅の目の前だった。
183.五日市駅9:45→10:01つるつる温泉(西東京バス)390円 八王子22け・・・1 日野
待機場で待機するSLバス 乗り場にやってくるSLバス
乗り場にやってきたSLバス 車内前方  ここからは、日本で唯一のトレーラーバスに乗って、日の出町にあるつるつる温泉へ行ってこよう。しかもこのバス、単なるトレーラーバスではなく、トラクターがSL型をしているのだ。ちなみに、トラクターの登録番号は、八王子22あ・173。トラクターもトレーラーもどちらも22ナンバーだから、バスであることは間違いなさそうだ。
 乗り場へ来る前に、待機場で普通の路線バスと一緒に停まっているのが見える。連結部分にある程度高さが必要だからか、トレーラーの高さは普通のバスよりも高いようだ。
 やがて機関車の前部に「青春号」というプレートを付けた、トレーラーバスが乗り場にやってきた。ドアは、トレーラーの中央部に1カ所あるだけ。ドア脇に車掌さんが乗っていて、ここで運賃の支払いをする。ツーマンだが、車内には押しボタンはあり、たぶんこれを押すとトラクターに停車の指示が行くのだろう。こんなバスだが、バス共通カードのステッカーが貼ってあり、ちゃんと共通カードが使えるのだ。
 五日市駅から満員の乗客を乗せて、つるつる温泉へ向けて出発した。中高年の方が多いので、遠慮して立っていく。デイパックを持った人が多いので、日帰りの登山かハイキングをしに行くのだろう。
 乗ってみて感じたことは、けっこう上下動があり、あまり乗り心地がよくないということ。とくに立っているには、あまりいい振動ではない。やはり、トレーラー部分に車輪が1軸しかなく、トラクターの振動が連結部分から伝わるのかもしれない。
車内後方
184.つるつる温泉12:10→12:25幸神(西東京バス)320円 八王子22け・・・1 日野
幸神についたSLバス  つるつる温泉で入浴と昼食を楽しむ。今日は、男湯が露天のない方だった。さすがに10時の開場とほぼ同時だったので、それほど混むこともなく温泉にはいることができた。
 入浴の後は、展望レストランへ行ってみる。ここでは「多摩の恵」という地ビールを飲むことができた。窓の外を見ると、土産物屋に「ロン・ヤスまんじゅう」の文字がある。日米首脳会談で中曽根総理とレーガン大統領が会談したのは、日の出町の山荘ということを思い出した。お互い、「ロン」「ヤス」と呼ぶ間柄だと言うことは、当時の新聞で報道されてはいたけれども、そのものずばりのまんじゅうがあるとは知らなかった。
 お昼を過ぎたばかりで、まだ帰る人は少ないようだ。そんなわけで、帰りは座ることができた。座ってみても、やっぱり突き上げるような上下動が気になる。
 運転士さんに、このトレーラーバスの運転免許のことを聞いてみると、「牽引2種が必要」とのことだった。このバスは免許を所持している、選ばれた運転士さんによって運転されているのだろう。
 帰りは五日市駅前まで行かずに、途中の幸神(さちがみ)でバスを乗り換えることにした。
185.幸神12:36→12:52菅瀬橋(西東京バス)280円 八王子200か・・25 日デ/西工(ノンステ)
幸神の西東京バス  幸神バス停のある交差点の名前は、つるつる温泉入口。この温泉、周辺ではすっかり有名なようだ。
 やってきたのは、前中ドアのノンステップバス。やはり中ドアより後ろが高くなっているので、そちらの方に座っていく。
 周辺は市街地がぼつぼつと続いている。そのせいか、けっこう途中での乗降が多い。たえず、降りたり乗ったりしている。もっと田舎のローカル路線かと思っていたのだが、実際はそうではないようだ。
 15分ほどで、国道411号線滝山街道と交差する、菅瀬橋に到着した。ここでバスを乗り換える。途中バス停から乗って、途中のバス停で降りるというのは、ここしばらくやってなかった。
 降りるときにバス共通カードがトラブルを起こす。さきほどのトレーラーバスでは何の異常もなかったのに、このバスで降りるときには、何としても認識しない。運転士さん曰く「カードの磁気がおかしくなった」とのこと。まだ3000円以上残っていたのに。しかたなく、現金で払って降りた。
186.菅瀬橋13:24→13:39小作駅西口(多摩バス)330円 八王子22か・582 日野/富士重工
菅瀬橋の多摩バス  秋川駅から出ている、菅生高校行きのバスに乗って終点まで行き、そこから小作駅行きに乗り換えるつもりだった。ところが、入出庫便を客扱いして秋川駅から小作駅へ直接行く便が、1日数本新設されたのだという。その直通便に乗って、菅瀬橋から小作駅西口まで一気に行ってしまおう。
 ところが多摩バスの小作方面のバス停が見つからずに、焦ってしまう。秋川行きのバスがやってきたので運転士さんにたずねると、橋とは反対方向の坂の途中にあるのとのこと。ようやく目的のバス停を見つけて一安心。やがて、正面にTamaと書かれた多摩バスの小作駅西口行きがやってきた。
 車内は、中ドアから後ろにロングシートがあるなつかしい座席配置。学生時代、駅から学校まで乗ったバスは、みんなこんな座席配置だった。当時は貸切バスに「サロンバス」という豪華バスがはやりだした頃。この部分を路線用サロンルームなどと言って、よく座っていたのを思い出した。その「サロン席」に座って、景色を眺めていく。友田で多摩川を渡れば、小作駅はもうすぐそこだった。西口は、バス乗り場とパチンコ屋があるだけで、けっこう寂しい駅前風景だった。
187.小作駅西口14:04→14:22青梅駅(多摩バス)310円 八王子22か・766 日野/富士重工
小作駅西口の多摩バス  次に乗る青梅駅行きも、先ほどとまったく同じ座席配置のバスだった。JR青梅線に乗ってしまえば、3駅ほどの距離。しかし、バスはいったん友田までは来た道を戻って、多摩川の対岸を青梅に向かって走っていく。
 多摩川にそれほどたくさんの橋が架かっているわけではなく、鉄道駅に出るには、小作か青梅しかないためか、途中からの乗車がけっこうあった。走っている道は吉野街道の名前もあり、道の両側に家が続いている。
 上長渕を過ぎると右折して、再び多摩川を渡って行く。川沿いにもけっこうな街並みが続いているのだが、バスは坂道を登って段丘を一つ上がる。ここが、JRの線路と同じ高さの街並みのようだ。
 青梅の市街地はレトロな街並みが再現されていて、昔の映画の看板が道沿いにいくつも並んでいる。喫茶室「となりのレトロ」なんていう店が、車窓からも見ることができた。たしかに、隣はレトロ関係の資料館になっているようだ。
徒歩 青梅駅バス停 → 青梅車庫バス停 約850m
森下駅跡 レトロな映画看板
 次のバスは、もちろん青梅駅から乗ることはできる。しかしながら、全区間乗りたくて始発の青梅車庫まで歩いていくことにした。バス停にして3つ分。ゆっくり歩いても15分とはかからなかった。その途中、酒屋さんのところに、中武馬車鉄道の森下駅跡の碑が建っていた。何でも1917(大正6)年には廃止されてしまった、古い馬車鉄道の終点が、この地にあったのだという。
188.青梅車庫15:10→17:27柳沢駅(東京都交通局)560円 八王子22か・847 日野
青梅車庫の梅70 青梅車庫バス停  都内を走る路線バスの最長路線が、この梅70系統、青梅車庫〜柳沢駅なのだ。路線長31.82kmで、停留所数92、所要時間101分というのが、この路線のデータだ。そんな路線だから、全区間に乗りたくてここまで歩いてきたのだ。これでも短くなっていて、自分が学生の頃は、青梅車庫〜阿佐ヶ谷駅ともう少し長い区間を走っていたのだ。
 ところが道路に立つ青梅車庫バス停のポールには、柳沢駅行きの時刻が書いていないのだ。これはおかしい。たしかに車庫始発なのだが。そこで、もしや始発便は車庫内からでるのではと、車庫の中をのぞいてみる。するとそこには屋根付きのベンチもある乗り場とともに、柳沢駅行きのポールが立っていた。
 この路線は均一運賃ではないので、都営バスだが中乗り整理券方式になっている。さすがに車庫から乗ったのは、自分だけだった。定時で走っても1時間50分ほどかかる路線だ。水分を控えて、心してかからねば。
 とにかく乗降の多いバスだった。シルバーバスが使えるから、お年寄りの短区間利用が多かった。一番混んだのは、東大和市駅から新小平駅の間。ここは、立ち客もでる盛況ぶりだった。
 また、今日は東京都指定の秋祭り日ではないかと思うほど、あちこちで祭りの御輿や山車に出会った。そのたびに大渋滞。渋滞を抜ければ、軽快に走るものの、なかなか遅れは取り戻せなかった。けっきょく、定刻より30分近く余計にかかって柳沢駅に到着した。
 運転士さんは、乗客がみな運賃を払って降りてしまうと、行き先を青梅車庫に変える。するとすぐに、どこかへ走っていった。きっと、トイレに違いない。この渋滞、往復4時間以上の勤務は、さぞきついことだろう。
柳沢駅に着いた梅70
189.柳沢駅17:38→17:54三鷹駅(関東バス)210円 多摩22か34−84 日デ/富士重工
柳沢駅の関東バス  今日はもうひと路線乗っておこう。柳沢駅は西武新宿線の駅だが、ここからJR中央線の三鷹駅へ行くバスに乗ろう。この路線は関東バスが運行をしている。
 この路線から均一区間に入ったので、今までの整理券方式から、運賃先払いの前乗り方式に変わった。
 関東バスは3扉の車両を、数多く導入していることでも有名な事業者だ。もちろんこのバスも3扉だ。3扉のバスは、名古屋市営バス以来だけれども、名古屋とは違い中ドアと後ろドアが引き戸になっている。関東バスの特徴なのか、1人掛けの座席の幅が少し広めにできているのがうれしい。
 この路線は、柳沢駅からの帰宅と住宅地から三鷹駅への輸送の2つをまとめた路線かと思っていたのだが、柳沢駅からの乗車は少なかった。それよりも途中から乗ってくる人が、けっこう多い。そのほとんどの人たちが、終点の三鷹駅まで乗り通した。日曜日の夕方に限れば、中央線に出るための路線として使われているようだ。
 まだ18時前なのだが、すっかり暗くなってしまった三鷹駅北口に到着した。

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