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第41日 〜2003.4.2(水)〜

酸ヶ湯温泉→むつターミナル

274.酸ヶ湯温泉10:40→11:33観光物産館(ジェイアールバス東北)−円(通し運賃) 青森22か・621 いすゞ/富士重工
酸ヶ湯温泉のJRバス 酸ヶ湯温泉  昨日バスを降りたあたりで待っていれば青森行きのバスに乗れるのだろう。でも、本当のバス停はいったいどこにあるのだろう。探してみると、なんと除雪した雪に埋もれてバス停が建っていた。これには、びっくりしてしまった。
 秋の紅葉シーズン以外は、青森行きの初便は10:40と遅い。
 青森行きの初便の前に、青森からの十和田湖行きがやってきた。昨日乗ったバスとは違い、正面から見ると運転席上に大きな行き先表示器がある路線バスタイプだ。しかし、車内は前ドアにリクライニングシートが並ぶ観光タイプだった。
 次にやってきた青森行きの初便も同じようなバスだった。行き先表示がちょっと小ぶりになり、行き先よりも大きく「みずうみ号」の表示が目立っている。かつてはバス指定券を必要とした、特別な路線だった名残を感じる。
 酸ヶ湯温泉を出発すると、まだ雪の壁はあるものの、道は下る一方。それでも下るにつれて、壁の高さも低くなっていく。かなり乗っていた乗客も、半分以上が八甲田ロープウェイで降りてしまった。大きな荷物を持ったスキー客が中心だった。
 展望所では「下北半島、津軽半島が一望できます」とテープから流れるが、今日は海上が霞んでいて、それほど遠くないはずの半島がまったく見えなかった。
 ねぶたの里入口まで下ると、もう雪はほとんどなかった。数十分前にはあれほどの雪に囲まれていたのだが。
雪に埋もれたバス停
275.観光物産館12:50→14:14野辺地病院前(十和田観光電鉄)1260円 八戸22か・596 いすゞ/川崎車体
観光物産館の十和田観光電鉄 リベットボディとサボ  バス停の名前は観光物産館だけれども、アスパムと言った方がガイドブックでさがしやすだろう。食堂街や展望台など観光と食堂街や土産物屋がある施設だ。
 時間もちょうどよいのでここで昼食にしよう。時間もあるので、有料の展望台にも上ってみた。さて、そろそろ時間とアスパム前にある観光物産館バス停へ移動する。
 観光物産館からは、昨日通った十和田市行きのバスに乗って野辺地まで行く。やってきたバスは、リベットがボツボツと浮き出た古い観光タイプのバスで、ドアの脇には手書き風のサボが入っていた。座席は12列の60人乗りで、シートピッチが狭かった。
 観光物産館を出て青森駅へ寄っても、それほど乗ってくる人はおらず、ゆったり座ることはできた。東北本線よりも海側を走るのかと思っていたのだが、そういう区間でも海を眺められるところはあまりなかった。その中でも、浅虫付近はJRの線路を越えた辺りから、青森湾の眺めを楽しむことができた。
 しかし、それも夏泊半島の付け根まで。付け根を横断して、野辺地湾側へ出ると、意外に国道は海から離れたところを走る区間が多かった。それでも、ちらちらと、海の向こうに下北半島が見える。
 柴崎というところから旧道に入っていく。そんな旧道の途中にある野辺地案内所でトイレ休憩と両替タイム。ここは車庫もあって、なかなか古いバスが並んでいるではないか。このバスは野辺地駅へは入らないので、駅に一番近い野辺地病院前で降りた。
野辺地案内所の十和田観光電鉄
徒歩 野辺地病院前バス停→野辺地駅 約600m
 バスの放送でも「このバスは駅にはまいりません。駅へおいでの方は野辺地病院前でお降り下さい」とあった。ここから駅までは、先の交差点を右折して、緩い坂道を登って10分ほどだった。
276.野辺地駅15:10→16:44泊車庫(下北交通)2020円 青森22か・373 三菱/新呉羽
野辺地駅の下北交通 風力発電が見える  今日はむつターミナルまで行くのだが、まっすぐ行ってしまってはつまらない。下北半島の東岸にある六ヶ所村を通っていこう。
 野辺地から六ヶ所村へ行く路線は、千才経由で南回りで村の中心尾鮫方面へ向かう十和田観光電鉄の路線と、陸奥湾側の向田から半島を横切り尾鮫へ出て北端にある泊車庫へ行く下北交通の2路線がある。今回は下北交通の泊車庫行きのバスに乗っていく。
 駅前を発車したバスは先ほど降りた病院前を通り、野辺地の中心街を抜けていく。大湊線の踏切を渡って少し行ったところが、野辺地出張所。ここで青森からの特急バスと接続をとる。
 大湊線の海側を走っていく。砂丘の向こうに海が見えるところもあり、けっこう景色がよい。有戸を過ぎると右折して、いよいよ半島の東岸を目指す。そのうちに正面に風力発電の風車がいくつも見えてきた。鷹架沼のほとりから台地の上の風車がよく見えた。
 石油備蓄基地のタンクを見たり、運動公園に日本一深い温泉なるものがあったり、ウラン濃縮工場の脇を通ったりと、なかなか普段見られないものの近くを走っていく。村役場のある尾駮地区に入ると、白鳥が優雅に泳ぐ尾駮沼に出る。
 ここからは、ひたすら国道338号線を北上する。赤平口から海沿いの旧道にはいると、そこが南北に細長い泊の集落だった。狭い道を走り、一番北の北滝の尻でUターンして、一段高い国道を南へ走る。かなり戻った国道沿いが泊車庫だった。
泊の集落
277.泊車庫17:05→18:35むつターミナル(下北交通)1710円 青森22か・373 三菱/新呉羽
泊車庫の下北交通  泊車庫からむつターミナル行きの最終バスに乗る。バスも運転士さんも先ほどと同じだった。
 バスは赤平口を目指して南下する。途中の歯科医の前で、小学生くらいの男の子が乗ってくる。Uターンして、海沿いの集落を行くと、その途中で男の子は降りてしまった。結局、その後終点まで、運転士さんとの2人旅になってしまった。
 今度は北滝の尻を過ぎても、そのまま国道を北上する。六ヶ所村泊と東通村白糠の間、わずかな距離なのだが、ここは崖の上に細く曲がりくねった道がつづく難所だった。海側には崩れた部分がいくつもあって、道路上に危険を知らせる赤いコーンが立っている。
 東通原発建設地の脇は、見違えるほどの道路に変わっていた。その先は、原発建設労働者のためなのだろう、プレハブの「ビジネスホテル」が何棟建っていた。
 そして、下北研究所から猿ヶ森までの約7kmが、このバスで一番寂しかったところ。建物は見えない。動物の姿がない牧場が1カ所あっただけ。追い抜く車はもちろん、対向車さえ現れない。人類滅亡後の地球を運転士さんと2人で走っているような、そんな気分さえした。猿ヶ森で人家と宅配便の車を見たときには、正直ホッとしたものだ。
 バスはいったん下田代まで戻って、そこから狭い道を走っていく。途中に廃校になった学校があった。やがて国道へ出ると、あとはむつターミナル目指して、暗くなった道を西へと走っていった。

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