第4日 〜2005.10.11(火)〜

十王駅→植田駅

26.十王駅7:38→7:48いぶき台団地(椎名観光) 200円 水戸200か・578 いすゞ/IK COACH
十王駅の椎名観光
十王駅の椎名観光
 
十王駅の椎名観光  十王駅は2004年3月12日までは、川尻駅を名乗っていた。同年11月に十王町が日立市に編入合併して、町の名前が消えてしまうため、せめて駅名に旧町名を残そうと改称されたそうだ。
 かつては、川尻駅〜高萩駅を結んでいた国鉄〜JRバスの南半分が廃止されて、地元の椎名観光という会社が運行を引き継いだ。その路線に乗ってみようと、昨日は無理して十王駅まで乗っておいたのだ。
 発車時刻ちょうどにバスが到着してお客を降ろす。発車は3分ほど遅れたが、乗客は自分だけ。こんな時間に駅から団地に向かう人は、普段はいないのだろう。運賃は200円均一ということで、運賃表示器は取り外されていた。車内の座席は肘掛けまでモケットが張ってあって、ちょっと豪華な雰囲気。
 いぶき台団地の循環部分は、高萩駅からのJRバスと重なるので、どこで降りてもよかったのだが、せっかくだから、行き先にも表示されている「いぶき台団地」で降りることにした。
27.いぶき台団地7:53→8:08高萩駅(ジェイアールバス関東) 200円 水戸22あ20−40 いすゞ
いぶき台団地のJRバス
高萩駅に並ぶ各社のバス
 
いぶき台団地のJRバス  いぶき台団地の時刻表がわからなかったのだが、5分後にあることがわかり、それに乗ることにする。だって、団地の中の停留所。朝の乗客は、みんなご近所で顔見知りらしい。知らない男が大きなバッグを持ってうろついていては、怪しまれるかもしれないもの。
 団地の中の停留所ごとに乗車客がある。十王へ出るより高萩へ出る方がメインのようだ。だから、JRバスのまま残ったのだろうけれども。
 高萩工高前を過ぎると、「びんずる坂」というつづら折りの坂を下りる。短いけれども、けっこう高低差がある高台に団地はあったのだ。しかし、その先で制服姿の男子高校生とすれ違う。あの高校生達は、歩いて坂を登って高校へ行くのだろう。始業時間に間に合うのだろうか。
 高萩駅は、大きなバスターミナルになっていた。バスは到着すると、行き先を上和野に変えた。奥の方には5台のバスが「松丘高校」と行き先を出して停まっている。次々と高校生が乗り込んでいく。大型のからリエッセまで色とりどりだ。それが行ってしまうと、各社のバスがズラリと並んだ。
28.高萩駅9:05→9:17南中郷駅(日立電鉄交通サービス) 280円 水戸22あ13−01 いすゞ/富士重工
高萩駅の日立電鉄サービス
高萩駅の日立電鉄サービス
 高萩駅から、中郷ニュータウン行きのバスに乗る。この路線は、高萩駅〜南中郷駅間は平日のみの運転。土休日だと、この間がどうしてもつながらないのだ。今日はこの後も、土休日運休や学休日運休のバスに乗る。今日はバス旅ができる貴重な平日なのだ。
 当初の予定では、この1本後のバスに乗る予定だった。ところが、まだ乗っていなかった旧塗色のバスがやってきたので、南中郷駅での待ち時間が長くなってしまうが、これに乗っていくことにした。日立では、ほんの数台しか見かけなかった旧塗色のバスも、高萩地区には割と残っているようだ。
 お客は数人。制服姿の女子高生も2人乗っている。発車すると、すぐに線路を越えて国道6号線へと入っていく。あとは、国道を北上していくだけ。途中の赤浜というところで、女子高生が降りていく。松丘高校行きのバスは、通学時間帯だけだから、遅刻をした生徒は、ここから歩いていくのだろう。他の乗客も、途中で降りてしまい、いつしか車内は自分だけになってしまった。
 やがて、国道から別れてバス1台やっとの道に入っていく。さらにその先を左折すると、その先が南中郷駅だった。駅前にバス乗り場やタクシー乗り場がきちんとあり、小さいながらもまとまった駅前風景だ。
 ここから中郷ニュータウンまでは、土休日でも運転されている生活路線。しかし、この時間に駅からニュータウンに向かう人はいないようで、バスは無人で発車していった。
29.南中郷駅10:30→11:27大津港駅(北茨城市内巡回バス) 100円 水戸22い・191 日野
南中郷バス停
南中郷の北茨城巡回バス  北茨城市には、月から金の毎日運転の『市内巡回バス』と、週1〜2回運転の『地域巡回バス』の2つのバスが運転されている。ただし、『市内巡回バス』も、朝夕の便以外は、曜日を決めての運行になっている。
 まずは、南中郷駅と大津港駅を結ぶ、市内巡回バス南北線に乗っていく。日中の便は、月・火・木の3回運行。今日は火曜日なので大丈夫だ。南北線の路線図表記は黄色。それと同じ、真っ黄色のボディーのバスが待っていた。
 南中郷駅を出たときは自分1人だった乗客も、中郷ニュータウンを回るうちにほぼ満席になった。それでも、磯原駅に到着すると2人をのぞいてみんな下車。ここからは、乗客もほとんどなく大津港駅に到着。ここが常磐線、茨城県最北の駅だ。
30.大津港駅12:50→13:14平潟(北茨城市内巡回バス) 100円 水戸22い・173 日産
大津港の北茨城巡回バス
大津港の北茨城巡回バス
 
平潟バス停  ここからは、市内巡回バス大津港駅東西線に乗る。こちらは、路線図の色は青。待っていたのは、全身ブルーに塗られた日産シビリアンだった。大型バスを造っていない日産のバスに乗る機会はあまりなく、リアガラスの下にあるCIVIRIANの文字を見るまで、メーカーがわからなかった。
 この路線の日中は、火・金の2回運行。今日は、火曜日なので大丈夫。つまり、この2つの路線の日中乗り継ぎができるのは、唯一火曜日だけなのだ。
 バスは市街地を抜け、六角堂などがある五浦地区へと向かう。途中から、道がマイクロバスがやっとという細道になる。それでも、観光客が2人ほど乗っていて、五浦で降りていく。
 その先で、突然広い道に出る。しばらく行くと、右手に立派な五浦美術館の入口が見えた。国道から美術館までは、道が立派になっているのだ。昨日が祝日で月曜開館したためか『本日休館』の札が下がり、入口が閉まっていた。その先の日帰り温泉施設は、そこそこにぎわっているようだった。
 その温泉の先で右折して、五浦と平潟を結ぶ海岸沿いの細道に入っていく。ここの景色がなかなかよかった。手に取るように、太平洋の間近を走るところもあった。やがて、トンネルを抜けると、平潟の街中。いくつかの温泉旅館がその中にある。はやっているところは、昼食時なのに、車がたくさん停まっていた。
平潟→徒歩(茨城・福島県境)→平潟入口(約370m)
平潟の碑
平潟港の交差点
茨城・福島の県境  平潟で温泉に入って魚を食べようと思っていたのだが、はやっているところは、すでに予約で満員。いくつか事前に電話をかけたのだが、11月のアンコウの時期でないと、お昼はやらないと断られるところも。まあ、1人旅だからしかたがない。
 温泉はあきらめて、とにかく食事。平日でもやっていたのは、港の前にある国民宿舎兼業の食堂だけだった。ついに、茨城県ともさようなら、ということで昼間から生ビールなぞ飲んだのがいけなかった。港近くを散策しようという気もどこかへ飛んでしまい、お昼の営業終了まで居座ってしまった。
 県境越えといっても、アップダウンがあるわけでもなく、距離もわずかに370mしかない。県境には『縣界』と彫られた石柱と、災害時の給水管配置図の看板があるだけ、どこにも「茨城県」「福島県」といった標識はなかった。
31.平潟入口15:52→16:00勿来駅(常磐交通) 200円 いわき22か・250 いすゞ/川崎車体
平潟入口の福島交通
平潟入口の福島交通
平潟入口バス停  平潟入口から勿来駅行きのバスに乗る。このバス、JTBの時刻表にも載っている路線なのだが、完全な通学対応路線。運転は朝夕だけ。しかも学休日運休。平日でも、春・夏・冬休み期間は走らないのだ。
 もちろん、今日は10月の火曜日だから走っているだろう。それでも、バスが現れるまでは不安だった。バス停は、国道からそれた細道にポールがポツンと立っているだけ。やがて、『九面(KOKOZURA)』と行き先を出したバスが、国道から左折してやってきた。誰も乗っていない。もはや小中学生も利用しなくなってしまったのか。
 そして、行き先を『勿来駅(NAKOSO STA.)』に変えると、後のドアが開いた。よかった、これで貴重なバスに乗り継ぐことができるのだ。
 まだ何回か常磐交通にお世話になるからと、1000円のバスカードを買っておく。走り出してしまえばあっという間。わずか8分で、終点の勿来駅に到着してしまった。その間、途中からの乗車はナシ。もしかすると、普段は乗客0で走っているのかもしれない。
 ちなみに、JTB時刻表の巻頭地図では、茨城県まで路線を伸ばしているように書いてあるが、実際は福島県内しか走っていない。
32.勿来駅16:43→16:55植田駅(常磐交通) 290円 いわき22か・250 いすゞ/川崎車体
勿来駅の常磐交通
 勿来駅前には2台のバスが停まっていた。1台は先ほど乗ってきたバスだ。さて、どちらが植田駅まで行くのだろうと待っていると、先ほどのバスが『植田 早稲田(WASEDA)』に表示を変えてやってきた。結局、植田駅までバスも運転士さんも同じだったのだ。
 国道6号線は、海よりのバイパスがあり、ほとんどの車はそちらに行ってしまうようで、バスが走る国道はそれほど混んでいない。今度も貸切かと思ったら、途中から乗ってくる人がわずかだがあった。
 植田の街は、中心街が駅からは少し離れているようで、短区間だが利用者がいるのだ。しかも、このバスは駅止まりではなく、その先早稲田という地区まで足を伸ばす。
 植田駅に到着すると、その早稲田方面へ向かう乗客が列を作って待っていた。平日の夕方だから、学校帰りの高校生が多いようだった。

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