第2日 〜2008.7.20(日)〜

三浦海岸駅→鎌倉駅

14.三浦海岸駅9:41→10:21三崎港(京浜急行バス)★510円 横浜200か・544 日野(ワンステ)
三浦海岸駅の京浜急行バス たくさんのキス釣りボート [海35]全区間フリーきっぷ使用可能
 昨日は三浦海岸から京急で久里浜へ。そこからホリデーパスを使って、JRで自宅へ戻った。今日もホリデーパスを使って、昨日とは逆に三浦海岸までやってきた。
 今日は、当初の予定では海34系統の剣崎行きに乗ってどこか海沿いの停留所で降りて、そこから海35系統に乗って三崎港へ行くというものだった。どちらの系統も1時間に1本。つまり、途中の剣崎までは30毎で、その先三崎港までは1時間毎の運行だ。
 ところが、バス停の貼り紙によると、今日は三崎市街地が夏祭りで、お昼以降は運行経路の変更などがあると書いてある。これは、早めに三崎を抜けてしまった方が良さそうだ。そこで、予定より1時間早い海35系統に乗って、そのまま三崎港まで行ってしまうことにした。
 海水浴シーズンの日曜日とあって、ほぼ満席で三浦海岸駅を発車した。海岸通りの県道に出ると、もう駐車場は海水浴客でいっぱい。海の家もたくさん建っている。そんな海岸通りのバス停で、少しずつお客さんが降りていく。
 海水浴場が一段落すると、今度は会場にボートがたくさん浮かんでいる。この辺りの金田湾は、キス釣りで有名なところだそうで、どうやらキス釣りのボートらしい。小浜から海岸を離れて高台の道に変わった。そんな高台にある松輪バス停で、父娘が穴場の海水浴場に行くと言って降りていった。
 その先の江奈湾では、たくさんの漁船が見えたり、高台に登った毘沙門付近はバス1台の狭隘路が続いたりと、風景も変化に富んで乗っていて楽しい路線だった。
漁港の風景
15.三崎港10:38→10:42城ヶ島ポンツーン(三浦海業公社)200円 白秋
三崎港に到着した白秋 白秋の乗り場案内  2008年初めに、油壺〜城ヶ島や城ヶ島周遊の航路を運行していた三崎観光が、2007年度いっぱいでの航路廃止を決めた。すでに2007年12月16日から冬季運休期間にはいっていたので、その前日の2007年12月15日をもって、城ヶ島から定期観光船が消えてしまった。
 そこで、三崎で海中展望船「にじいろさかな号」を運行していた(株)三浦海業公社が、同船を使って城ヶ島一周の貸切運行を始めたほか、2008年5月24日から「白秋」という船を使って、三崎〜城ヶ島の渡船の運航を始めたという。
 それならば、行きは渡船、帰りはバスと違う経路が楽しめるので、ぜひ三浦半島南端の城ヶ島にも足を伸ばそうではないか。三崎港にある渡船乗り場へと歩いて行った。
 運賃も200円と安く、城ヶ島も旧観光船桟橋よりも灯台に近い、城ヶ島ポンツーンというところに着くので散策にも便利だ。運行は20分間隔とのことで、10:40の便に乗れそうだ。
 乗船場に着くと、家族連れを中心にすでに並んでいる人がいる。定員12名の小さな船。子どもを含めて10人ほど乗ったので、これで満員と判断されたのか、定刻より2分早く出港した。出港してすぐに、左手に帰りに通る城ヶ島大橋が見えてくる。大型船も通るからか、かなり高い位置に橋が架かっている。
 あの橋ができるまでは、渡船が唯一の交通機関だったとのこと。1960年の橋完成と同時に廃止になっていた渡船の48年ぶり復活ということで、運行開始日には市長も参列して記念式典が行われたそうだ。  
城ヶ島に着いた白秋
白秋から見る城ヶ島大橋
散策&昼食 城ヶ島灯台周辺
城ヶ島の海岸風景 タイルの美しい城ヶ島灯台  船を下りてまっすぐ2分と歩くことなく、城ヶ島バス停に到着した。まだバスに乗るには早い。ひとまず、灯台付近を見学してこよう。
 両側に土産物屋が迫る狭い道を歩く。どう見ても遊歩道なのだが、これが車も通る道。前方から土産物屋の陳列台ぎりぎり車がやってくる。もう、店の中に避難するしかない。
 そんな土産物街の途中に、右に曲がる道があり、その先の階段を上がると城ヶ島灯台に行けるようになっていた。
 それほど大きくなく、内部も見学できる灯台ではないが、日本で5番目に点灯した西洋式灯台とのこと。今建っているのは二代目で、関東大震災後の1925(大正14)年に建造されたものとのこと。小さな白いタイルが一面に貼られていて、とてもきれいな灯台だと思う。
 その後、海岸沿いに降りる。「元祖!でぶや」にも登場した相模亭という海の家のような食堂で、焼きイカとビールでひと休み。続けて、まぐろたたき定食を昼食にする。おいしかった。
相模亭のまぐろたたき定食
16.城ヶ島12:15→12:43三崎口駅(京浜急行バス)★390円 横浜200か21−09 日野/J-BUS(ワンステ)
城ヶ島バス停の京浜急行バス 城ヶ島大橋を渡る [三9]全区間フリーきっぷ使用可能
 13時を過ぎると、三崎港バス停付近の交通規制があるようなので、12時台のバスで早々に城ヶ島を後にする。発車の5分ほど前にやってきて、お客を下ろすと三崎口行きのポールに停まった。エルガ顔の日野車だ。
 城ヶ島を出ると、次のバス停は観光船発着所。もう、観光船が廃止されて半年以上経つが、バス停は昔の名前のままだ。白秋碑前をすぎると、右にカーブしながらループ状に坂道を登り、城ヶ島大橋を渡る。渡り終わったところに料金所がある。この城ヶ島大橋は有料道路なのだ。
 また、ループ状に坂を下り、対岸の海沿いを行く。先ほどバスを降りた三崎港バス停に到着する。辺りは祭りの衣装の老若男女が大勢いる。交通制限をして、この一帯が祭り一色になるまで、あとわずかなのだろう。
 そこから緩く左右にカーブしながら坂道を登ったところが、三崎東岡バス停。バスの営業所もある三崎の運行拠点だ。ここを始終着にするバスも多い。この付近は、三浦半島西岸を走るバス路線はなく、内陸部を走るこの路線に乗っていくしかない。油壺入口というバス停がある。ここから西へ進めば、かつて観光船がでていた油壺に行くことができる。
 その先で松輪入口バス停があった。松輪って、今朝三浦海岸から乗ったバスに松輪バス停があった。たしかに位置的には、あの松輪に一番近いところなのかもしれないが、地図で見てみると3km以上離れている。
 いつしかバスは満席になって、三崎口駅に到着した。城ヶ島から30分ほどのバス旅だった。
城ヶ島大橋の料金所
17.三崎口駅12:55→13:06長井(京浜急行バス)★230円 横浜200か15−46 日デ/西工(ワンステ)
三崎口駅の京浜急行バス [須8]全区間フリーきっぷ使用可能
 次は、逗子行きのバスが出ている長井というところを目指す。長井へ行く系統はいろいろあるが、次のバスは須8系統の横須賀駅行きだった。三崎方面のバス停にはたくさんの人が並んでいたが、こちらのバス停に並んでいるのは10人足らずだった。
 たくさんのバスが並ぶ待機場から出てきたのは、西工ボディのワンステップバス。今回の旅ではじめて出会うタイプの車両だ。ちょっと小さめの車体だが、写真を撮ってから乗り込んでも、まだ空席が残っていた。
 駅前の国道を右折して、アップダウンのけっこうある道を走っていく。横須賀まで行くなら鉄道を使うだろうし、ほとんど人が途中までの利用者だろう。実際その通りで、発車してすぐに、下車する人が出始めた。もちろん、途中の停留所で待っている人もいる。
 バスは三浦市から横須賀市に入っていく。西の前バス停では、西へ向かう真っ直ぐな道路が、畑の中に続いている。ソレイユの丘行きの急行バスが、この道を走るのだろう。
 その少し先、商店や住宅が建ち並ぶ道路上が長井バス停だった。ここ始発の路線があるから、車庫の前かと思ったのだがそうではなかった。折り返し場は別の場所にあるようだ。
18.長井13:11→13:23浄楽寺(京浜急行バス)★240円 横浜22か92−30 いすゞ(ワンステ)
長井の京浜急行バス 長井バス停 [逗6]全区間フリーきっぷ使用可能
 長井始発の逗子駅行きの逗6系統に乗っていく。どこからやってくるのだろうと観察していると、少し手前の道の向かい側に回転場があるようで、バスが顔を出したのが見える。
 やってきたのは、キュービックのワンステップ。ここから、自分を含めて2人が乗り込んだ。途中で降りるので、運転席側の折りたたみ席に座って行く。左側が自衛隊の駐屯地になっている、1km以上続く直線道路を走っていく。
 ようやくカーブするところにある交差点が林バス停。横須賀駅行きは、ここで右折して内陸部を行く。こちらのバスは、海は見えないながらも、半島西側を走る国道を走っていく。
 佐島入口からは、より海側にある佐島マリーナ入口への路線が分かれているが、枝線でその先へ行くことはできないのが残念だ。
見学 浄楽寺にある前島密の墓所
浄楽寺の本堂 墓所への案内  このまま真っ直ぐ逗子駅へ行ってしまうのはもったいない。そこで浄楽寺バス停で降りた。
 4月に高田に行ったとき、上越市池部にある『前島記念館』に行ったのだ。バスの本数が少なく行きづらいところなのだが、いつかは行ってみたいと思っていたのだ。
 「郵便の父」前島密がいなければ、日本に郵便切手がなかったかもしれないし、切手収集を趣味にすることもなかったかもしれない。それ以上に、郵便為替のような全国一律の送金制度を作ってくれたおかげで、クレジットカードのない中学生の頃から通信販売が利用できたのだ。
 前島記念館には、密かの墓所は横須賀市にあると書かれていた。どこにあるのかと調べてみると、浄楽寺というところだとわかった。ちゃんと浄楽寺というバス停もあるというので、今日途中下車をしてみたのだ。
 本堂の脇を見ると「前島密翁の墓」という表示があり、その指示通り高台へと墓地を歩いて行くと、その一番高いところに密翁の立像が載った墓所があった。他人のお墓なので、写真を撮るのはちょっとためらったが、立像まで載った立派なモニュメントなので1枚だけ撮らせていただいた。
 もっと大きなお寺で、目的地を探すまで時間がかかるかと思ったが、すぐに見つけることができて、滞在時間は10分ほどだった。
 実は、重要文化財の仏像が安置されていて、そちらの方が有名らしい。年2回ご開帳の日があるとのこと。それ以外でも、平日なら予約すれば拝観させていただけるらしいのだが、今日は日曜日。密の墓所で手を合わせるだけで、バス停へ戻る。
前島密の墓所
19.浄楽寺13:43→13:53葉山(京浜急行バス)★260円 横浜200か・552 いすゞ(ワンステ)
浄楽寺の京浜急行バス 浄楽寺バス停 [逗6]全区間フリーきっぷ使用可能
 あまりに暑いので、自販機で飲み物を買ってバスを待つ。浄楽寺からの逗子駅行きは、長井始発の逗6系統以外にも、逗4・5・7・8系統と全部で5系統あり、本数もかなり多い。
 やってきたのは、ここまで乗ってきたのと同じ逗6系統だった。車内はそれほど混でおらず、冷房の効いた座席に座るとホッとする。
 立石バス停の辺りから、ようやく海が見えてきた。今度は東京湾ではなく相模湾の海だ。横須賀市と葉山町の境にある長者ヶ崎を過ぎるまで、断続的に左側に海を見ながら走っていった。
 逗子駅へ向かう路線、午後だから空いているかと思ったのだが、けっこう途中から乗ってくる人が多い。本数が多いということは、それだけ利用者がいるということの表れなのだろう。
 このバスを降りる葉山バス停では、乗車する人が列を作って待っていた。
20.葉山14:08→14:43逗子駅(京浜急行バス)★240円 横浜200か25−18 いすゞ(ワンステ)
葉山の京浜急行バス 葉山バス停 [逗12]全区間フリーきっぷ使用可能
 葉山からは、海岸経由の逗子駅行きの逗12系統に乗り換える。ところが、降りたバス停のポールを見ても、逗12系統が書いていない。おかしい、降りる停留所を間違えたのだろうか。
 ようやく、海岸経由のバスが走る県道の警察署の前にポールがあるのを発見した。すでに、5人ほど並んでいる。この路線は、狭隘路の連続という話を聞いている。それならぜひ一番前の座席に座りたい。本数も多いので、1本待って乗っていくことにした。
 葉山から乗ったのは数人だが、2つ目の三ヶ丘・神奈川県立近代美術館前バス停では行列ができていて、車内は立ち客が出る状況になった。
 道路は、予想以上に狭隘路の連続。道の両側に商店や民家があり、夏の日曜日で車が多い。対向車が切れるまで、数分間待っていることも多く、遅れ気味だ。バスは超満員になって逗子駅前に着いた。  
21.逗子駅14:54→15:27鎌倉駅(湘南京急バス)★220円 横浜200か・・70 いすゞ(ワンステ)
逗子駅の湘南京急バス 逗子駅バス停 [鎌30]全区間フリーきっぷ使用可能
 使っているきっぷは、三浦半島2dayきっぷ。三浦半島の名前が入っているが、バスは逗子市や鎌倉市の一部路線まで使える。次に乗る、鎌30系統のフリー区間に入っている。
 やってきたのは、ちょっと古いタイプのいすゞのワンステップバス。それでも、行き先表示はLED化されていて、まだまだ大事に使ってもらえそうだ。
 座席が半分以上埋まって、始発の逗子駅前を発車した。逗子〜鎌倉間は、JR横須賀線に乗っても市境をトンネルで越えている。バスも山ありトンネルありの道路を行く。
 披露山入口バス停から先は、葉山からの海岸経由ほどではないが、けっこう狭い区間を走る。小坪海岸トンネルを抜けて鎌倉市に入ってからも、狭い道が連続する。
22.鎌倉駅15:34→15:47大仏前(湘南京急バス)★190円 横浜200か・832 日野(ノンステ)
鎌倉駅のふくちゃん号 [鎌1]全区間フリーきっぷ使用可能
 今日は鎌倉駅で終わりにしようと思っていたのだが、バス停に見慣れぬ塗色のバスが停まっている。行き先は大仏。鎌倉駅〜大仏前は、このフリーきっぷで乗車できる。
 「フクちゃん号」と書かれたこのバス、車体の表記を見ると京浜急行バス。どうやら、フリーきっぷで乗れるようだ。それなら、まだ時間も早いし、大仏まで往復してこよう。行き先表示が幕式のバスに乗るのも、今回の旅これがはじめてだ。
 このバス、後で調べてみると、由比ガ浜地下駐車場と鎌倉市街地を結ぶパークアンドライド用のバスらしいのだが、夏休み中は運行されないため、この路線に使われていたのだろう。
 ほぼ満席になり、鎌倉駅前を発車。最初は順調に走っていたのだが、下馬の交差点を右折して、江ノ電の踏切を渡る辺りから、渋滞が激しくなった。
 待てども、なかなか進まない。こちらは、とくに急ぎの用事があるわけではないが、乗らなくてもよかった路線だけに、ちょっとイライラしてくる。通常なら8分程度で到着するところを、13分かかって大仏前に到着した。
23.大仏前16:09→16:29鎌倉駅(湘南京急バス)★190円 横浜200か15−31 日デ/西工(ワンステ)
大仏前の湘南京急バス 鎌倉の大仏 [鎌4]鎌倉山〜大仏前はフリーきっぷ使用不可
 鎌倉の大仏って、聞いたことはあっても自分の意志で見に来たのはこれが生まれて初めて。もしかしたら、幼児の頃、親に連れられてきたことはあったのかもしれないが。
 拝観券を買って中に入る。うわぁ、すごい。人ひとヒトだらけ。外国の方の数も半端じゃない。これもビジットジャパンキャンペーンの成果だろうか。
 大仏前から鎌倉駅に戻って、第2日を終わりにしようと思う。ここから鎌倉駅へは、それこそたくさんの系統がある。やってきたのは、鎌倉山始発の鎌4系統。1本見送ったおかげで、空席があるバスに乗れた。
 帰りも多少渋滞したものの、それでも概ね流れていて10分で鎌倉駅に戻ることができた。

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