第1日 〜2006.12.25(月)〜

神崎入口→長崎駅前

1.神崎入口10:10→10:21小佐々行政センター(西肥バス)250円(S) 佐世保22か・960 三菱/新呉羽
神崎入口の西肥バス  神崎鼻があるのは、今は合併して佐世保市になっている小佐々町。小佐々町時代は、町役場へ行くと「本土最西端訪問証明書」を作ってくれた。佐世保市になってどうなったのだろうと、小佐々行政センターに電話すると「今でもお渡ししていますよ」とのこと。
 そこで、神崎入口から10分ほどの小佐々行政センターまで乗車することにした。佐世保へ直通するバスだからか、思ったよりも乗っている。神崎入口を発車して、すぐに右手に海が見えてきて。楠泊の集落に入と5人以上のお客さんが待っていた。
 楠泊を過ぎると、カーブが連続する山道に変わる。すでにトンネル工事が行われているようで、工事中の道路が見えるところがあった。その山道を登ったところ、山側に小佐々行政センター、海側には小佐々中学校が建っていた。
 旧町の行政の中心地だが降りたのは自分だけ。みんな佐世保市街地へ直行するのだろうか。
 降車をうながす放送は「合図ボタンを押して下さい」と流れる。「合図ボタン」という表現に出会ったのは、これが初めてだった。
2.小佐々行政センター11:21→12:12佐世保駅前(西肥バス)780円(S) 佐世保22か・900 三菱/西工
小佐々行政センターの西肥バス 本土最西端訪問証明書  小佐々行政センターへ行き、窓口で最西端訪問証明書を欲しい旨を伝える。ノートに住所氏名等を記入して、しばらくお待ち下さいとのこと。そして渡されたのがコレ。氏名だけでなく、訪問年月日もきちんとワープロ打ちされた立派なもの。小佐々町時代の残り物ではなく、きちんと佐世保市になってから作り直したようだ。これが無料だなんて、なんだか申し訳ない。
 1時間後のバスで、佐世保に向かう。西川内橋というバス停で、小佐々浦にそそぐ川に架かる石橋が見えた。これがバス停名にもなった西川内橋で、1920(大正9)年に架けられた、当時の基幹道路なのだそうだ。
 旧佐々町の街中で少し降りる人がいた他は、途中停留所からは乗ってくる人ばかり。松浦鉄道の線路がすぐ脇を走っているものの、タイミングが悪いのかなかなか列車と出会うことが出来ない。
 50分ほどの乗車で、西肥バスと市営バスのターミナルが並ぶ佐世保駅前に到着した。
石橋
3.佐世保駅前12:36→13:02早岐駅前(佐世保市営バス)350円(S) 佐世保22か10−96 日デ/西工
佐世保駅前の市営バス  佐世保からは西海橋を目指す。まっすぐ西海橋へ行くバスの方が、本数も多く便利なのだが、あえて市営バスと西肥バスを乗り継いで行ってみよう。
 早岐まで行く佐世保市営バスは、本数が少ない。下の原橋行きか長畑町行きで、両方合わせて1時間に1本程度だ。乗り場はたくさんの行き先が同じ乗り場から出るので、行き先をきちんと確認して乗らなければならない。乗るべきバスは、藤原橋経由下の原橋行き。
 ようやく目的のバスがやってきて乗車。車内は大きな荷物を持って乗り込むのが申し訳ないほど、座席がすべて埋まった状態。しばらく立って乗っていくが、少し行けばもう下車が始まる。市民の足の市営バス。短区間乗車がかなりあることがわかった。
 日宇からは国道を離れて、線路沿いの道を行く。この区間でもけっこう降りる人がいた。再び国道に戻り、大道駅の先で右側の国道202号へと入っていく。右手に見えるのは川ではなく早岐瀬戸。りっぱな海峡で、向いの陸地はハウステンボスなどがある針尾島だ。
 国道202号線は右へ曲がり、この先西海橋へとつながっている。バスはそのまま直進し、早岐の中心街へと進んでいく。その中心街を通り過ぎた早岐駅前でバスを降りた。
4.早岐駅前13:25→13:48西海橋東口(西肥バス)500円(S) 佐世保22か10−77 三菱/西工
早岐駅前の西肥バス  道路の反対側のバス停でバスを待つ。ベンチもあるので、待つことは苦ではない。しかし、座っているのを見て、停まってドアを開けてくれるバスの多いこと。佐世保方面の西肥バスが、かなりの頻度でやって来る。
 乗るべきバスは、針尾島へ渡るコラソンホテル行きだ。ようやくやってきたバスは、早岐駅前が始発ではないものの、やってきたバスに乗客はいなかった。駅前から乗ったのは、自分を含めて2人。それでも、中心街の早岐支所前や中町で乗車があり、本数が少ないとはいえ、それなりに地元の人に利用されている路線のようだ。
 「観湖橋」で早岐瀬戸を渡って針尾島に入る。潮の流れがものすごく速い。少し恐くなるくらいだ。渡ってしまえば、島といってもかなりの大きさがだから、本土となんら違いを感じない。なだらかな坂道を登って、尾根に近いところを走っていく。集落は海沿いにあるのか、道路沿いに人家はあまりなかった。
 途中で小学生が大勢乗ってきた。誰も降りないのでどこまで行くのだろうと思っていたら、みな自分と同じ西海橋東口で降りてしまった。
見学 西海橋公園(西海橋と新西海橋)
西海橋 西海橋東口バス停  西海橋東口バス停には広場があり、バスの折り返しが出来るようになっていた。立っているポールは2つ。今乗ってきた西肥バスと、西彼杵半島から西海橋を渡ってやって来るさいかい交通だ。
 時間帯によっては、西肥バスが西海橋を渡り西口で乗り継ぐこともあるのだが、この時間は東口での乗り継ぎ。乗り継ぎバスまでは時間があるので、少し歩いて西海橋を見てこよう。
 緩い坂を西海橋に向かって登っていくと、橋のたもとが西海橋公園になっていて、駐車場と売店があった。
 針尾瀬戸に架かる橋が2つ。左側(写真上)が国道202号線の西海橋。右側(写真下)が有料道路の西海パールラインの新西海橋だ。映画「釣りバカ日誌」では、鈴木建設が造って浜ちゃんが担当していたことになっているけど、それは映画だけの話し。
 すぐ対岸に本土である西彼杵半島が見える。その間は、いくら狭くても海峡。先ほど渡った早岐瀬戸とともに、大村湾と外海(佐世保湾)をつなぐ海峡だけに、流れはかなり急なようだ。考えてみれば、長崎空港が浮かぶあの広い大村湾の海水が、潮の満ち引きで一気にこの2つの瀬戸を流れるのだから。
 そろそろバスの時間が気になりだして、斜面の遊歩道を引き返す。緩い坂道は歩道もあり、歩くには安心だ。再びバス停に戻る。12月だというのに、急ぎ足で歩いたこともあり暑く感じるくらいだ。
 やがて、西海橋の方からバスがやってきた。バス停のある広場に入り、切り返すことなくぐるりと回転して向きを変えて停まった。
新西海橋
5.西海橋東口14:19→15:38樫の浦(さいかい交通)770円(S) 佐世保22か11−68 いすゞ
西海橋東口のさいかい交通 転回場のさいかい交通  ここから乗るのは、長崎バスの子会社、さいかい交通のバスだ。元々長崎バス瀬戸営業所だったからか、塗色は長崎バスと同じ。正面の方向幕は左右に2分割されていて、左側が行き先、右側が主な経由地を表示しているようだ。
 このバスは、西海橋を渡って半島を反時計回りに西海岸の樫の浦まで行く。長崎へ向かうなら時計回りに大村湾沿いを行った方が早いのだが、なかなか来る機会のないところ。西彼杵半島に足を記すのも、今回が初めて。それなら、ぐるっと遠回りして景色を楽しんでいこう。
 運転席のすぐ後ろと前ドアのすぐ後ろに制服姿の人が座っている。ところどころで、運転士さんが言ったことをメモしている。どうやら新人教育をしているらしい。1人で2人いっぺんに営業中の車両で指導するというのも大変だろう。
 道もまたなかなかのもの。国道を行くばかりではなく、集落や港へ立ち寄る狭隘路が多いのだ。面高港への道はとくに狭く、またここでバスの行き違いがある。運転士さんは、待つポイントを新人に指示して、対向バスが来たら発車することを忘れないように注意している。
 やがて、右手に海を見ながら半島西岸の国道202号線を走っていく。大島へ渡る有料の大島大橋が見えたりする。
 次に乗るバスは、ターミナルになっている板の浦始発なのだが、郵便局がバス停前にあるという終点の樫の浦まで乗り通す。たしかにバス停前に大瀬戸郵便局がある。旧大瀬戸町の中心地で西海市の市役所も近かった。
狭隘路を行くさいかい交通
6.樫の浦16:03→16:50桜の里ターミナル(さいかい交通)580円(S) 佐世保22か11−68 いすゞ
樫の浦のさいかい交通 樫の浦バス停  先ほどのバスは、客を降ろすと回送になって板の浦へ走っていった。そして、そのバスが今度は桜の里ターミナル行きになってやってきた。ただし、このバスには新人さんの姿はなかった。
 かつては長崎まで直通バスが走っていたようで、今でも1日数本の長崎行きがある。その他は、桜の里ターミナルで長崎行きに乗り継ぎになったことが、バス停にも書かれていた。ただし、運賃は通算されるのだとのこと。
 バスは、海沿いの国道202号線を走っていく。ただ、この辺りは陸地が海まで迫っているところが多く、海沿いとはいっても海岸よりはずいぶん高い位置を走っていくところが多い。
 そんな地形だからか、人家も多くはなく早着ぎみになってしまうようで、ところどころのバス停で時間調整の停車をしていく。それでも、まとまった集落のあるところは、国道を離れて下の集落へと降りていく。
 神浦は商店街の道路が、ブロック敷きになっていた。それほど広くない通りを、駐車車両をよけながらバスは走っていく。狭い橋を渡って右折した道も、これまた狭い。そこを進んで、ようやく国道に戻る。
 出津では、本当にこの道行くんですかと言いたくなるような狭隘路に入っていく。途中でワゴン車がやってきて、相手がバックして何とか行き違い。でも、入ったかいあって、その先の出津バス停には待ち客がいた。
 やがて、終点のアナウンスが流れる。いったいどこがと思ったのだが、道路の左手に立派な建物が現れて、これがバスターミナルだった。
ブロック敷きの商店街を行く
7.桜の里ターミナル17:00→18:03長崎駅前(長崎バス)420円(S) 長崎22か30−88 いすゞ
桜の里の長崎バス  さいかい交通から長崎バスに変わり、登録ナンバーも佐世保から長崎になった。正面の表示が2分割されているのも同じだが、幕式からLEDになった。
 待合室にいる人は多かったが、長崎へ行く人は少なく、逆方向の板の浦行きを待つ人だったようだ。長崎行きに乗ったのは、数人だった。
 バスターミナルを出てすぐの加工団地や魚市場から乗ってくる人もいて、この時間長崎方面の乗客がまったくないわけではないようだ。その先の停留所からも、けっこう乗ってくる人はいた。
 バスは海から離れて、今度は山の中を行く路線だ。まったくこの辺りの地理がわからないから、もう長崎市街地が近いはずなのに、なんでこんな山の中の急坂を走っているのだろうと感じてしまった。本当に長崎は坂ばかり、平らなところが少ないなと感じた。
 年末の夕方ということもあり、市街地に入るとバスは渋滞にはまってしまった。それでも少しずつ前に進んでいく。やがて、右手を走る長崎電軌の路面電車が見えてくる。道路もようやく流れだし、すでに暗くなってしまった長崎駅前に到着した。

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