第1日 〜2008.5.23(金)〜

辺戸岬→名護十字路

見学学習 沖縄本島最北端の辺戸岬
辺戸岬からのパノラマ
辺戸岬からの風景 祖国復帰闘争碑
与論島 ヤンバル展望台
沖縄そば  沖縄本島(沖縄島)の最北端が、国頭村の辺戸岬。今回のバス旅は、ここからほぼ最南端の喜屋武岬まで、観光地や史跡を見学・学習しながらたどる、大人の修学旅行として進めていこう。
 岬のほぼ先端に、『祖国復帰闘争碑』が建っていた。アメリカ統治時代は、祖国復帰を願ってここでかがり火集会が開かれていたという。鹿児島県の与論島までは、わずか27kmほどの地なのだ。
 この碑は、沖縄復帰に際して建立されたそうで、読んでみると刻まれている文章は復帰を祝う文章ではなかった。北緯27度線の大海上集会をやり、ようやく祖国復帰を果たしたものの、返還された沖縄は軍事拠点になったままであると。
 この碑は「喜びを表明するためにあるのではなく、まして勝利を記念するためにあるのでもない。」とはっきり刻まれているのだ。1972年の復帰から35年経っても、ほとんど変わっていないこの状況を、日本人の一人としてしっかり考えて行かなくてはいけないなと、旅の始まりに感じたのだった。
 その他にも、真っ白な『ヨロン島・国頭村友好記念碑』いくつかの碑が建っていた。山の中腹には、巨大なヤンバルクイナを模した展望台が見える。
 沖縄そばとソーキそばの違いもわからず、レストハウスで沖縄そばをたのむ。
1.辺戸岬13:44→14:15辺土名バスターミナル(国頭村営バス)500円 沖縄200さ・676 日野
辺戸岬の国頭村営バス 辺戸岬バス停  辺戸岬は、辺土名と奥を結ぶ村営バス奥線の途中にある。かつては、民間の路線バスが走っていたのだが、2004年10月から村営バスに切り替わったとのこと。それを機会にバスが岬まで入るようになったのだそうだ。それまでは、岬入口から歩かなければならなかったとのこと。
 バス停は、レストハウスの裏にあり、木に紙を貼って防水用にビニールをかけたものだ。直射日光にさらされて、かかれた時刻もほとんど読めなくなっている。せっかく岬まで入るようになっても、このバスを利用する観光客はほとんどいないようだ。
 この岬に来るときも村営バスに乗ってきたのだが、運転士さんに「レストハウスの前で手を挙げればそこで停めるから」と言われていた。そこで、沖縄そばを食べてから、そのままレストハウスの前でバスを待った。
 バスは右手に海が見える国道58号線を走っていく。集落は少なく、集落が近づくと海に向かった崖下に、沖縄独特の墓地が並んでいるところが散見される。これも実物を見るのは初めて。6畳間くらいありそうな「破風墓」「屋形墓」といわれる一軒家のような大きなお墓が、いくつも並んでいる。
 辺野喜というところでは、国道を離れて川沿いの狭隘路に入っていく。その先の商店の前にバス停があり、そこからお年寄りが乗ってきた。転回できるだけの広場がないので、橋を渡って川の対岸の狭隘路を国道まで走っていく。
 終点の辺土名は、村役場の近くだが、次のバスに始発地点から乗りたくて、街外れの辺土名バスターミナルで降りた。ここで降りたのは自分だけだった。
集落への狭隘路を行く
2.辺土名バスターミナル14:35→15:28名護十字路(琉球バス交通)920円 沖縄22き・574 日野
辺土名ターミナルの琉球バス 中ドアにも座席が  辺土名と名護を結ぶ67系統に乗っていく。この路線は、沖縄バスと琉球バス交通の2社が運行している。砂利敷きのターミナルに停まっているのは、琉球バス交通の車両。ということは、次の便はこのバスのようだ。
 沖縄のバスは、どうもいつも乗っているバスと勝手が違う。どこの会社のバスに乗るかではなく、何番のバスに乗るかで判断しなくてはいけないのだ。ポールにはその停留所を通るバス会社の名前がすべて入っているものの、どの系統のどの便がどの会社かということは書かれていない。
 沖縄のバスは、那覇市内を走る市内線以外は、すべて前乗り前降りになっている。車両は、本土からの中古車が多い。当然、前中ドアや前後ドアのワンマンカーの中古だ。それを前ドアのみで使用するため、使わないドアステップはふさがれ、なんとそこにも座席が設置されているのだ。中には、丁寧にドアを埋める工事がされいるものもあるが、それは少数派だ。
 辺土名を出て国頭村の中心地を抜ける。大宜味村に入る手前で、右手に海が見えてくる。その先は、ずっと海を見ながら国道58号線を走っていく。途中、塩屋湾という大きく切れ込んだ湾を渡る。湾口には、宮城島という島があり、国道は塩屋橋でいったん宮城島に渡り、島を縦断して宮城橋を渡って本島に戻る。
 途中ですれ違った67系統は、沖縄バスだった。やがて右手には、本島と橋でつながっている、古宇利島や屋我地島が見えてきた。最初は、屋我地島へ行くバスに乗ってみようと思ったのだが、ここは修学旅行。名護まで行って、工場見学をすることにした。
同じ系統番号でも沖縄バス
見学学習 オリオンビール名護工場
オリオンビール見学コース オリオンビールのタンク  名護にあるオリオンビールの工場見学。完全予約制で、今日の最終回16:00を予約しておいた。
 名護十字路バス停で降りて、徒歩10分弱といったところ。守衛さんに、工場見学を予約している旨伝えると、すぐ左手の建物が受付であると教えてくれた。
見学コース入口
工場の写真パネル ビールの引換券
試飲のビール オリオンビールのトラック  受付で氏名を言って、予約名簿と照合してもらう。受付のお姉さんから「お車ですか」と聞かれる。市内に泊まっていて歩いてきたというと、手書きのイラストをパウチした「ビール&おつまみ交換券」を渡される。
 その後もぞくぞくと見学者がやってくる。自家用車やレンタカーで来たグループは、運転者にはアルコール不可の首からかけるカードが渡されていた。
 時間になって、見学開始。すでに工場稼働時間が終了しているので、見学コースの機械は止まっていることと、ビデオ撮影と動いている機械の写真撮影は禁止である旨が伝えられる。
 階段で2階に上がり、いよいよ「オリオンブルワリーツアー」が始まる。何回も増築されて、今のような広い工場になったこと。湿度の高い沖縄にあうビールを作るということで、ドイツ・ハラタウ産ホップを100%使用しているとか。そういう意味では、サッポロビールの対極をいくビールということだろう。
 飲食店向けのアルミのビア樽の内部構造を見るカットモデルがあり、こんな構造になっているのだと初めて理解できた。解説の時間はそれほど長くはなく、たぶん20分くらいだっただろう。来た通路を戻って、ツアー入口の広間に戻る。
 ここが試飲コーナーとお土産品の売店になっている。オリオンビールのオリジナルストラップなどを買ってから、試飲コーナーへ行く。生ビールのグラスと、ビアナッツの小袋が1つ渡された。
宿舎でひと休み ブルーシールアイスクリーム サトウキビ(黒糖)
ブルーシールアイスクリーム  歩いてオリオンビールから宿へ戻る。5月下旬の沖縄はかなり暑い。まだ空は昼間のように明るい。夕食には少し早いので、コンビニで何か買っていこう。
 アイスクリームのコーナーに行くと、並んでいるのはハーゲンダッツではなくブルーシールというブランド。これ、沖縄のアイスではないか。ああ、沖縄に来たんだなと実感する。
 いろいろある中で、さとうきび(黒糖)というのが目を引いた。それを1つ買って、宿に戻った。明日必要な軍手も買いたかったのだが、このコンビニには置いていなかった。
 コンビニから宿までは5分とかからなかったのだが、部屋へ着いたときには、アイスクリームは少し柔らかくなっていた。何という暑さだ。写真を1枚撮ってから、ひと口。うん、おいしい。
 このブルーシールアイスクリーム。沖縄県の浦添市にある会社だそうで、米軍基地内で乳製品を供給するための施設として基地内で創業したのが始まりだとか。本土と比べ高温多湿な沖縄の気候にあわせ、さっぱりとした味わいになっているのだという。
 実際、今回食べたさとうきび(黒糖)も、ほんのり黒糖の後味が残る適度な甘さで、まだ冷え切らない宿の部屋で食べてとてもおいしく感じられたのだった。
夕食外出 ロータリーのガジュマルと郷土料理「おかめ」
ガジュマル おかめ
グァバ  夏至まであと1ヶ月という時期とはいえ、もう19時半を回っているのに外はこの明るさ。関東に比べてずいぶん西に来てたことを実感させられる。
 名護のロータリーにあるガジュマルの木のところに来ても、まだ太陽は木の向こう側に見える。それでも、時間が時間だし、そろそろ夕食にしよう。沖縄へ来るJAL機内でもらった冊子に載っていた、ロータリー近くにある「おかめ」という郷土料理の店に行ってみる。
 郷土料理のコースに、おすすめの泡盛。泡盛が初めてだと言ったら「それじゃ、順番に体験してみましょうね」とおかみさんが、度数の低いのから順に出してくれる。路線バスに乗りに来たと言ったら、地元の方を呼んでいただき、いろいろとお話を聞かせていただくことができた。
 そして、お土産に持ってきたとその方から出されたのが、野生のグアバ。ジュースでは飲んだことあるけど、グアバの果実は初めて。そのままかじるのだという。皮ごとかじると、うん、たしかにあの味だ。楽しい夕食になった。

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