第2日 〜2008.5.24(土)〜

名護十字路→那覇バスターミナル前

3.名護十字路8:38→9:15今帰仁城入口(沖縄バス)640円 沖縄200か・548 三菱
名護十字路の沖縄バス 名護十字路バス停  ホテルで朝食を済ませて、お昼まで荷物を預かってもらうお願いをして、名護十字路バス停へ向かう。ここから、今日午前中は本部半島を一周してこようと思う。半島を反時計回りに走る66系統のバスに乗っていく。
 この路線も、沖縄バスと琉球バス交通の両方の会社が運行している。バス停の時刻表を見ても、どちらの会社かは書いていない。市街地なので、いろいろな行き先のバスが来るが「66」という表示のバスが来るまで、バス停で待つしかない。
 ようやく66番という表示を出した沖縄バスがやってきた。先客は1名。伊差川までは、昨日通った辺土名からの国道を戻る形になる。その伊差川まで行く途中で、もう1人のお客さんは降りてしまった。伊差川を過ぎて、辺土名への路線は右折して国道を行く。まっすぐ県道71号線に進んでからは、ずっと乗客は自分だけだった。
 やがて正面に海が見えてきた。羽地内海という海で、対岸に見えているのは本島と橋でつながっている屋我地島だ。おだやかな海だからか造船所が見えてきた。
 我部井を過ぎると、海から離れて半島の台地を走っていく。けっこうアップダウンやカーブが多い。人家が見えないところは、一面のサトウキビ畑になっていたりする。
 やがて村の中心なのだろうか、今帰仁村役場前を通る。今帰仁の郵便局も、役場も近くにあった。その先には小学校があり、少し走った仲尾次バス停近くには高校も建っていた。
 そして、そこから少し走ったところが、今帰仁城址入口バス停だった。名前の通り入口で、今帰仁城址までは坂道を1.2kmほど登らなくてはならなかった。
複雑な地形に海が入り込む
見学学習 世界遺産:今帰仁城址と今帰仁村歴史文化センター(入場料400円)、ハンタ道
今帰仁城址からのパノラマ
今帰仁城址からの風景 今帰仁城址の風景
今帰仁城址の風景  バス停からすぐのところに『チャレンジコース』と銘打って、今帰仁城址への旧道「ハンタ道」への道案内があった。通ってみたいものの、まずは城址へ行って、時間があったら帰りに通ってみよう。
 途中までは歩道のあった県道をひたすら上っていく。自家用車やレンタカーが何台も追い抜いていく。路線バスと徒歩で訪れる人は、ほとんどいないのだろう。右手に駐車場が見えてきたときには、すっかり汗だくになっていた。
 さあ、ようやく目の前に今帰仁城址が見えてきた。行くぞと思ったら、「下のグスク交流センターでチケットを購入してから進んでください」とある。あれあれ、再び少し坂を下ってチケットを買いに行く。
 ようやく入場口までたどり着いた。目の前の石積みが、自分の既成概念にある石垣とは全く違う。もらったパンフレットを見ながら、ゆっくり見学していく。
 この石垣の内側には、かつては城下町の集落跡もあったと書いてある。御内原まで登ると、真っ青な沖縄の海が見える。工事現場の足場のような階段を下りて、志慶真門郭へ行く。今は建物1つ残っていない草地だが、ぐるりと石垣に囲まれた中に立つと、ここが城内だったのだなと実感する。
 帰りはハンタ道を行ったつもりだったのだが、途中で道を間違えてしまった。
ハンタ道の看板 たぶんここがパンタ道
4.今帰仁城址入口11:00→11:13記念公園前(琉球バス交通)210円 沖縄22き・574 日野
今帰仁城址入口の琉球バス 今帰仁城址入口バス停  再び、66系統のバスに乗っていく。今度のバスは、琉球バス交通だった。バスターミナルで入手した『沖縄本島バスルートマップ』というパンフレットによると、本部半島を走る65、66、70、76系統は、すべて沖縄バスと琉球バス交通の2社共通の色分けがされている。
 次の見学学習地は、1975年に沖縄海洋博覧会が開催された跡地にある、海洋博記念公園。本部循環線の65、66系統は、記念公園前は通らず謝花という地区を通るのが本系統なのだが、1日数本海沿いの県道を経由する便がある。今乗っているのが、その数少ない便で、フロントガラスのドア寄りに「記念公園経由」のプレートを出している。
 やってきたバスに、乗客はナシ。沖縄のバスは、どこも厳しい状態だとは聞いていたけれども、晴れた土曜日に観光地に行くバスでさえこの状況とは思わなかった。新里入口から海沿いの県道へと右折して記念公園へと向かった。
見学学習 国営沖縄記念公園(海洋博覧会記念公園)
入口から伊江島が見える
公園内を走る電気バス 園内電気バスの1日乗車券  海洋博記念公園はバス停の向かい側にある。歩道橋を渡ると、なんと正面に伊江島が横たわっているではないか。こんなに大きく見えるとは思わなかった。せっかくだから、パノラマ撮影をしておく。
 記念公園内の有料施設は『美ら海水族館』くらいのもの。あとは無料で見学できる施設だ。公園が広大なのと、乗り物系は乗っておきたいのと、両方の理由で園内を走る電気バス「遊覧車」の1日券を買って、海沿いのイルカラグーンまで乗っていく。
見学学習 海洋博覧会記念公園:イルカラグーン
イルカラグーン イルカラグーン全景  11:50からの「イルカラグーンショー」を見学する。まずはベンチに座って、イルカの運動能力の説明から。視力ではなく、音波を出してその反射で方向をつかんでいることなどを説明してもらう。
 説明が終わると、座席の隣の浅いプールに実際にイルカたちが登場して、それを実践してくれる。目隠しをしたイルカに、水中で音の出る機械から音を出して、その方向に来るかどうか。2回ほどやってみせてくれたが、場所を変えても、みごとにその機械の場所にやってきた。
 次は、深いプールに移動して、どうやってイルカたちが輪くぐりを覚えるのか、その過程を説明してくれた。最初は水中の輪をくぐる訓練から始める。そして、半分水中から出た輪をくぐる。次に水上にある輪をジャンプしてくぐる。だんだん輪を高くしていくことによって、みごとに高い輪をくぐることができるようになるのだそうだ。それで、ちゃんとできたらほめてあげてご褒美。
見学学習 海洋博覧会記念公園:マナティー館
マナティー館 マナティー  その近くにあるマナティー館に入る。ここには、両親と娘の3頭のマナティーがいる。すごく深さのある水槽を、上と横から観察できるようになっている。
 普天間基地移転問題で揺れている辺野古の海。そこには、野生のジュゴン(マナティー)が生息している。こんな大きな海獣、しかも草食なんだとか。彼らがゆったり泳げる静かな海を、いつまでも残してあげたいと思った。
見学学習 海洋博覧会記念公園:美ら海水族館(入館料1800円)
大水槽
マンタ 電気バスでゲートへ戻る  マナティー館の上、長いエスカレータを上がったところに、美ら海水族館の入口があった。
 入館料は1800円。なかなかの値段だけれども、ここでしか見られないものも多い。沖縄までの旅費に比べればたいした額ではないし、ここはやっぱり入館していこう。
 展示はどちらかという暗め。そんな中に、展示水槽だけが明るくなっている。幻想的でもあり、魚たちがよく見える演出でもある。
 うれしのは、各コーナーにりっぱなカラー印刷のカードが置いてあること。全部集めてクリアファイルに納めると、オリジナルの図鑑ができるようになっている。
 シアター状のシートのある大水槽の座席に座って、ジンベエザメやイトマキエイが泳ぐのゆったり眺めることができた。客席側の証明は暗いから、水槽がまるで大スクリーンのようだ。
5.記念公園前13:43→14:27名護十字路(琉球バス交通)710円 沖縄22き・574 日野
記念公園の琉球バス交通  再び、電気遊覧車に乗って公園入口へと戻る。やってきた遊覧車を見ると、フロントガラスの下に「ジンベエザメ」と書いてある。どうやら1台毎に愛称がつけられているようだ。行きに乗った車両の愛称を見るのを忘れてしまった。
 ここからも、本部半島南岸を行く66系統に乗りたいのだが、1日数本しかないのでどうしようもない。大半をしめる、新里入口始発の70系統のバスに乗っていく。やってきたバスのナンバープレートを見ると、何と同じバスに3度出会ってしまった。
 乗客ゼロで到着したバスに、ここから10人弱の乗客が乗り込む。今日3本目にして、初めて人が乗っているバスに乗った。県道から国道に入ると、そのまま海沿いの道を行く。湾の入口に架かる本部大橋を渡って、公民館や病院の建つ埋め立て地なのだろうか、海沿いの広いところをコの字型に走っていく。
 その第二大浜と渡久地では、数人のお客さんが待っていて、空席がだんだんと埋まっていく。道路は登り坂になり起伏も激しいが、「やんばる亜熱帯園」とか「オキナワフルーツワールド」など、団体さん向けの観光施設が県道沿いにあるのを目にすることができた。
6.名護十字路14:31→16:04コザ(沖縄バス)1290円 沖縄22き・355 三菱/新呉羽
名護十字路の沖縄バス 米軍基地近くのバス停  計画段階でも乗り継ぎ時間は、わずか8分。前のバスが7分遅れて名護十字路バス停に到着。荷物を預けてあるホテルはすぐそこなのだが、果たして間に合うだろうか。急いで戻ってくると、まだ先ほどポールに立っていた人がまだ立っている。ということは、バスが遅れているのだろう。
 ところが、その人は知り合いの車に乗ってどこかへ行ってしまった。これは乗り遅れたかなと思っていると、乗車予定の77系統が3分ほど遅れてやってきた。よかった間に合った。この77系統は、那覇と名護を本島の東海岸に沿って走る、名護東線という路線。沖縄バスが単独で運行している。
 この路線、沖縄本島の最長距離路線なのだそうだが、沖縄でも数少ないワンステップバスが投入されている路線でもある。座席も少なく乗るなら旧型の方が好きなのだが、その気持ちが通じたのか、観光タイプの前ドア車だった。
 名護の市街地を出て、世冨慶というところで右折して、本島を横断する国道329号線を走っていく。どこまでも続く登り坂。谷は橋で越えていく。ようやく峠を越えて下り坂になる。やがて、放送から流れ運賃表示器に出た文字は「第一ゲイト」。いったい何と思ったら、ここが米軍のキャンプシュワーブの脇を走る国道だったのだ。その海が辺野古。そうか、辺野古ってここだったんだ。よく知らずに沖縄に来てしまったことを少し反省したのだった。
 ここから沖縄市のコザまで、本島の東海岸を走っていく。といっても、海岸沿いばかりを行くわけではなく、海の見える区間は半分くらいだった。意外にアップダウンもあり、正面に高い山が見えたりして、1時間半の乗車時間は飽きることがなかった。
海を見ながら走る
7.コザ16:26→17:07西原(東陽バス)550円 沖縄200か・347 日野
コザの東陽バス コザバス停  コザからは、さらに東海岸を走る国道329号線を与那原まで南下し、そこから那覇へ向かう30系統に、途中の西原まで乗っていく。東陽バスの単独運行だが、10〜30分毎と本数は多い。
 やってきたのは、日野のトップドア車。路線タイプのトップドア車というのはあまり見かけない。たぶん、中古ではなく東陽バスが新車で購入したバスだろう。
 ここから先は、とにかく道路が広かった。ほとんど片側2車線の4車線道路が続いている。バスだけでなく、自動車全体の交通量が多い。また、大型の郊外店が国道沿いに点在していた。
 そして本数が多く便利なこともあってか、利用客も多くかなりの停留所で乗降の取り扱いがあった。那覇へ直通している路線だからか、高校生くらいの年齢の利用者がかなり目立つ。土曜の午後だから、これから遊びに行くのだろうか。昨日の経験からいうと、本土に比べて沖縄の時間は2時間くらい遅いような気がする。感覚的には、まだ15時前といったところだ。
 東海岸といっても、海沿いを走る区間はほとんどなく、景色としてはそれほど変化がある道ではなかった。それでも、進行方向右側の斜面にだけ、あの独特な形の墓所がいくつも見えた。地元の方には見慣れた風景なのだろうけれども、余所者にとっては、違う土地に来たのだなということを感じさせるものだ。40分ほどの乗車で、西原バス停に到着した。
バスのサボ
8.西原17:18→18:00首里城公園入口(那覇バス)340円 沖縄22き・121 いすゞ/IK COACH
西原の那覇バス 西原バス停  沖縄本島で路線バスを運行しているのは4社。そのうち3社のバスに、これまで乗ってきた。残る1社は、那覇バス。会社名の通り、那覇市内の市内線が多く、郊外線の運行路線はそれほど多くない。
 そんな数少ない郊外線の中から、46系統に乗って4社完乗としよう。この46系統は、西原から那覇市内を通り糸満まで行く路線。那覇市内が始終着ではなく、通過していくという路線だ。
 やってきたのは、トップドアのキュービック。路線タイプだから、この車も中古車ではなく自社発注のなのだろう。気になったのは、ドア側一番前の席に、モケット張りの回転式背もたれがあったこと。
 今は固定されていて回転しないようにはなっているのだが。これって、観光バスのガイドさんが、立ってガイドするときの背もたれだよな。ということは、この路線車。時として、貸切バスとして使用されることもあったのだろうか。
 国道を左折すると、すぐに西原町役場前。その先でカーブの続く登り坂になる。ところがここが大渋滞。ちょっと走っては停まるを繰り返す。翁長を過ぎ坂田の交差点を越えるまで、この渋滞が続いた。坂田の交差点を左折すると、とたんに渋滞が解消して快調に走り出した。
 緩い下り坂を走っていく。沖縄自動車道の下をくぐりしばらく行くと、モノレールの首里駅に出た。ここで降りるお客さんもかなりあった。
 そのまま市街地を走っていく。やがて左手に首里城のある小高い山が見えてくる。少し行くと道路のすぐ近くに龍潭池が見えてきた。その池の畔に首里城公園入口バス停が立っていた。
貸切バスの名残?
見学学習 国営沖縄記念公園(首里城公園:入場料800円)
守礼門 首里城正殿
夕日が落ちる 正殿内の展示品
日が落ちた守礼門  バス停から首里城への坂道を登っていく。すると「首里杜館」というインフォメーションセンターがあり、そこで確認すると、コインロッカーもあり荷物を預けて見学ができるという。さっそく重たい荷物をロッカーに入れて、身軽になって首里城へと向かう。
 もう18時を過ぎているのだが、入場は19時まで可とのこと。閉場は19時半とのころ。まだ1時間以上、ゆっくり見学できる。まずは、守礼門を通って、さらに上にある首里城へ。
 首里城一帯は、先の戦争ですっかり焼けてしまい、今の建造物はすべて再建。そんなこともあってか、展示物のある一角を除いては撮影も自由とのこと。複製物とはいえ、立派な調度品が目を引く。
 一通り回ってくると、自動的に売店に出るようになっていた。とりあえず、まだ2日目ということで素通りして外に出る。19時半の閉館が近づき、ようやく薄暗くなってきた。那覇の街並みの向こうに海が輝いていた。
 守礼門のところまで下ってくると、すっかりライトアップされていた。
9.首里城公園入口19:45→20:13バスターミナル前(那覇バス)200円 沖縄200か・567 いすゞ/富士重工
ターミナル前に着いた那覇バス  再び46系統に乗っていく。来るときは渋滞でかなり遅れたのだが、夜になって少し流れがよくなったのか、予定時刻から2分遅れただけでやってきた。
 前中ドアのバスだが、乗ってみると中ドアはステップをふさいである郊外線仕様。それ以上に不思議だったのは、それこそいろいろな座席が設置されているのだ。
 中ドアより後ろはオリジナルの座席のようで、2人掛けの路線用の背もたれの低い座席になっている。ところが、そこより前がバラエティ豊か。ドア側は1人掛けのハイバックシートの座席が並んでいる。
 驚きは運転席側。直後のタイヤハウスの上の席は、普通の1人掛け。その後ろは、高速バス用のリクライニングシートが2人掛けで4列並んでいるのだ。いくつかの座席は、リクライニングしているから機能も生きているのだろう。
 乗客はゼロではなく、それなりに乗ってはいるのだが、なぜかリクライニングシートが空いている。せっかくだからそこに座っていく。
 安里を過ぎて、バスは国際通りを走っていく。右も左も歩道は人だらけ。道路はバスが数珠つなぎに近い状態だ。再びバスはノロノロ走っていった。

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