第3日 〜2007.3.12(月)〜

真砂町→田辺駅

23.真砂町8:13→8:50和歌浦口(和歌山バス)370円 和歌山200か・・65 いすゞ(ワンステ)
真砂町の和歌山バス 和歌浦の狭隘路  今日はまず、雑賀崎(さいがさき)経由の和歌山市駅行きバスで、和歌浦口まで乗っていく。
 まっすぐ和歌浦口まで行くバスはたくさんあるのだが、片男波公園で開催された第4回「スルッとkansaiバスまつり」の帰りに乗った、雑賀崎経由のバスから見た風景がとてもよかったので、逆回りでもう一度通ってみたくなったのだ。
 先に雑賀崎を通って反時計回りに走るのは、JR和歌山駅から来る30系統。何台もバスを見送って、ようやくやってきたバスは、クリーム色のバスだった。ハートフルと呼ばれている塗装で、ワンステップやノンステップバスに使われているらしい。行き先表示が「西浜・雑賀崎」になっているのは、この時点で和歌山市駅と表示しては、乗り間違えてしまうおそれがあるからだろう。
 車内は最初は混んでいたものの、降りる人ばかりで、そのうち車内は数人になってしまった。和歌山工業高校前で数人の高校生が降りると、あとは3人だけ。この先、雑賀崎への狭い道になるので、せっかくだから一番前の席に移動した。
 石切場バス停を過ぎると、道路はカーブの連続になる。雑賀崎遊園を過ぎれば、バス1台がやっとという道幅になるところも点在している。そんな道路を走りながら、所々で見える海は青くてきれいだ。
 この狭い道路に沿って、観光ホテルも点在しており、昔からの観光地という雰囲気が伝わってくる。そんな楽し道と風景も新和歌浦で終わり。その先は広い道路を走って、次のバスへ乗り換える和歌浦口バス停で降りる。バスを見ると、行き先は南海和歌山市駅に変わっていた。
和歌浦の風景
24.和歌浦口9:22→9:37マリーナシティー(和歌山バス)330円 和歌山200か・321 日野/J-BUS(ノンステ)
和歌浦口の和歌山バス マリーナシティー  次もまっすぐ海南駅へ行ってしまうのはもったいない。そこで、1994年に「世界リゾート博覧会」の会場になった人工島「マリーナシティー」経由で行ってみよう。
 昨日も真砂町まで乗ったけれども、マリーナシティー行きというバスが走っているのだ。しかし、和歌浦口バス停を通る路線は多い。和歌山バスだけでなく、大十オレンジバスなど他社のバスも少数ながら走っていく。
 ようやくやってきたバスに、このバス停から乗ったのは2人。自分以外にも、この時間に駅とは反対方向に行く乗客が予想外だった。
 布引南で右折して、広く平らな中を走っていく。浜の宮海水浴場前バス停を過ぎると、いよいよ海を渡って人工島へと入っていく。サンブリッジと名付けられた太鼓型になった橋の頂上までくると、正面には薄オレンジ色の世界が広がっていた。
 人工島に入って、交差点を右折してまっすぐ行った海に面した広場が、終点のマリーナシティーバス停だった。
 この薄オレンジ色に見えた建物群はポルトヨーロッパといい、なんでもイタリアの漁村「フィーノ(FINO)」をベースに、スペインやフランスなど、ヨーロッパ南部の港町の要素を取り入れて作った町並みなのだそうだ。時間が早く、まだ開店しているところは少ないから、しばしその町並みを眺めて次のバスまでの時間を過ごすことにした。
マリーナシティの到着
25.マリーナシティー10:18→10:30海南駅(和歌山バス)230円 和歌山22き・214 日野
マリーナシティーの和歌山バス マリーナシティーバス停  ほとんどが開館前にもかかわらず「わかやま館」だけは店開きしていた。せっかくだらか、1階の県産品コーナーを眺めていく。
 その中にあったのが、北山村のじゃばら製品。北山村の観光筏下りを一度体験してみたいを思っていただけに、いつの日にか行くぞと願いを込めて、じゃばらマーマレードを1つ土産に買っていく。
 そろそろ頃合いとバス停に戻ると、海南駅行きのバスがやってきた。今では珍しくなってきた、屋根上広告付きのバスだ。
 かつては、あちこちのバスや路面電車の屋根の上に、鉢巻きみたいに薄い空き缶のような広告ベースを載せて、そこにいろいろな広告板を入れたものが走っていた。
 しかしながら、ラッピングバスやラッピング電車が登場するにつれ、この屋根上広告は廃れてしまい、現在でも残っている事業者はかなり少なくなってしまったようだ。
 この時間にマリーナシティーから海南駅へ向かう人は、ほとんどいなかった。ここはホテルやリゾートマンションとして売り出している地区もあるようなのだが、これだけ土地があれば自家用車の利用が中心だろうし、鉄道利用にしても、JR利用者はともかく南海利用者はバスで和歌山市駅まで行ってしまうのだろうから。
 今度は、海南方面へムーンブリッジと名付けられた橋を渡って、人工島から本土へ入る。道路の左側は湾、右側には大きな火力発電所の建物が続いている。湾の対岸には、県立自然博物館の建物が見えている。
 やがて国道に突き当たり、そこを右折してしばらく走ると、道の両脇は商店に変わる。正面にJRの高架線が見えると道は右へと曲がり、しばらく走るとJR海南駅前のロータリーに到着した。
マリーナシティーから海南駅への風景
26.海南駅11:28→12:29日高川町役場美山支所前(有田鉄道)1420円 和歌山200あ・・54 三菱
海南駅の有田鉄道バス カラー液晶の運賃表示器  最初は、海南から御坊南海バスで藤並に行き、藤並から有田鉄道のバスに乗るつもりだった。
 事前にバス会社に問い合わせると「本数少ないですよ」と前置きして教えてくれた。「10:10,12:30,15:10,16:10の4本だね。あっ、藤並っていったね。そしたら、15時のと16時の2本だけだね。あとは、途中の星尾までだから」
 なんということだ。早起きすれば何とかなるだろうというもくろみは外れてしまった。星尾ってどこだと調べてみると、JR紀伊宮原駅近くの河の対岸で、これも使うことはできない。
 そんなわけで、海南から直接有田鉄道バスに乗っていくことにした。和歌山市駅から来る美山温泉愛徳荘行きのバスだ。やってきたのは、マイクロバス。液晶式の行き先表示や、車内の運賃表示もカラー液晶を装備しており、最新型のバスらしい。
 このバス、海南インターから吉備インターまでは阪和自動車道を走る。JRが大きく西の海沿いを走っている区間を、一気にトンネルで抜けてしまう。インターを出ると金屋口までは、ほぼ有田鉄道の廃線跡に沿って走る。
 かつての鉄道の終点だった金屋口とその先の金屋の街中で、ほとんどの人が降りてしまった。道路は一段と険しくなり、狭隘路が続く。しばらく行くと残った乗客も皆降りてしまい、自分だけになってしまった。
 運転士さんに、御坊南海バスの乗り継ぎたいのだが、どこで降りればよいかと聞くと、役場の前がよかろうとのこと。乗り継ぎを意図してダイヤを組んだのではないので、保証はできないがたいてい御坊南海バスは遅れてやってくるから大丈夫だろうという話だった。
 長い白馬トンネルを抜けると日高川町に入り、下り坂に変わった道を行けば、まもなく役場前に到着した。
美山支所前から発車する有田鉄道バス
27.川原河12:42→13:20福井(御坊南海バス)930円 和歌山22き・156 日野
川原河の御坊南海バス 川原河バス停  役場の入り口に、ちょっと離れて2つのバス停が立っていた。1つが今乗ってきた、有田鉄道の日高川町役場美山支所前バス停。もう1つが、これから乗る御坊南海バスの川原河バス停。
 定刻なら12:33なので、待ち時間は4分。急いでバス停の写真を撮って、バスを待つ。先ほどの運転士さんの言葉通り、10分ほど遅れて福井行きのバスがやってきた。
 これも、予想以上に多くの人が乗っていた。それにしても、走る道はほとんど直線がない。たえずカーブを走っている。これは運転士さんも大変だろう。それに、本当にここに入っていくんですかというような狭隘路に、何度も突入していく。そして、1人ふたりと乗客を降ろしていく。
 いつしか車内は自分だけになってしまった。でも時計を見ると終点までは、まだ10分以上かかるハズだ。相変わらず、バスはカーブしかない道を走っていく。
 下福井という放送が流れる。終点が近いようだ。やがて、下山路郵便局の角を右に曲がって、小さな橋を渡り左折する。そこが福井の集落のようだ。その集落の入り口に福井バス停があった。
福井に着いた御坊南海バス
徒歩 福井(南海御坊バス)バス停→下山路郵便局→手谷橋バス停(約300m)
福井バス停周辺の地図  降りた場所には、御坊南海バスのバス停しか立っていない。これから乗り継ぐ龍神バスのポールはどこかと探せば、数十メートル先にそれらしきものが見える。
 場所がわかれば、とりあえず昼食と郵便局に行ってこよう。郵便局はバスが先ほど通ったから、場所はわかる。郵便局へ歩いていくと、小さな橋のところに、ベンチのある待合い小屋とポールがあるのに気づいた。
 これは何とのぞけば、龍神バスの手谷橋バス停だった。どうせバスを待つなら、ポールだけの福井バス停よりこちらの方がよさそうだ。
 郵便局で用事を済ますと、もう道の駅まで往復して昼食をとる時間はない。そのまま、手谷橋バス停に戻って、1つだけ非常食にと買っておいたコンビニおにぎりを食べて、次のバスを待った。
28.手谷橋14:20→14:36龍神行政局前(龍神バス)460円 和歌山22い・137 日野
手谷橋の龍神バス 手谷橋バス停  やってきたバスは、トップドアのリエッセ。乗客は高校生1人だけだった。南部からずっと乗ってきたのだろうか。通学するのも大変だなと思う。
 このバスは、旧龍神村の中心地、西へ行くバスだ。バスの行き先表示も「西(龍神村)」となっていた。このバスは、脇道に入ることなく、国道425号線を走っていく。
 さて、問題はどのバス停で降りるかということだった。次に乗る、奇絶峡経由の田辺方面への分岐は、保の平バス停。でも、単なる分岐で何もなさそう。その先の柳瀬バス停なら、商店も少しあるらしい。その柳瀬バス停が近づく。確かに商店や食堂が見える。降りようかなと迷っているうちに通過してしまった。
 途中でおじさんが乗ってくる。こうなったら終点の西まで行こう。現在は田辺市の一部になったとはいえ、龍神村の村役場があったところだから、食事のできる店くらいあるだろう。
 やがて放送が「次は、終点西です」と告げている。押しボタンを押す。バスが西に到着し、運賃を払っていると運転士さんは、他の2人のお客に「どこまで」と聞いている。えっ、ここが終点じゃないのですか。それぞれ、降りるところを申告している。運転士さんに「役場はまだ先ですか」と尋ねると、そうだとのこと。
 終点を告げたはずの放送が「次は、龍神行政局前です」と言うではないか。終点の先にまだ路線があるという事実が、なかなか飲み込めなかった。結局、3人とも行政局前でバスを降りた。あのバスは西は西でも、西上というところまで行くらしい。
龍神行政局前を発車する龍神バス
29.龍神行政局前15:56→16:49田辺駅(龍神バス)1300円 和歌山22い・・74 日野
龍神行政局前の龍神バス 龍神行政局  バスを待つ1時間半は、食堂をみつけて遅めの昼食をとったり、街中からはちょっと離れた上山路郵便局へ行ったりして過ごした。それでも、余った時間は、立派な石の竜のオブジェがある、龍神行政局前の庭のベンチで休んだりしていた。
 そろそろ時間と、腰を上げてバス停へ移動する。やってきたのは、さっきより小さなマイクロバス、日野のレインボーだ。乗客は誰も乗っていなかった。
 走ってまもない、南部高校龍神分校前から高校生が2人乗ってきた。乗客が増えないまま柳瀬、保の平を過ぎて、先ほど通った道はここまで。その先の信号を左折すると、田辺市内へ続く道になった。
 ここからは、川から離れて上り坂が続く。相変わらずカーブの連続で、時折今まで通ってきたところが、下の方に見える。峠のトンネルを抜けると、みなべ町をかすめながら、田辺へと下っていく。
 下り坂の途中に、奇絶峡というガイドブックにも載っている名勝地があるという。そろそろだなと、左側の車窓に目をやれば、確かに川に巨岩がいくつもあるのが見える。しかしながr、降りてゆっくり歩かないことには、車窓からだけではその良さはわからなかった。
 山を下りきって平地に出たところで、母子の2人連れが乗ってきた。やがて、田辺の市街地に入っていく。ここも狭い道路が多い。慎重に走りながら、バスは田辺駅前に到着した
奇絶峡
30.田辺駅17:20→18:00白浜駅(明光バス)500円 和歌山200か・156 日野(ノンステ)
白浜駅の明光バス 郵便橋のオブジェその1  今日は田辺で泊まる。予約してあるホテルにチェックインしてから、再びバスに乗りに行く。かつてバス旅で、新潟の「切手橋」を見学に行ったことがあったが、和歌山には「郵便橋」というのがある。
 その郵便橋を見てこよう。ただし、今回は下車して見学する時間はなく、車窓からだけになるけれども。
 白浜方面のバスのうち2つの系統が、この郵便橋を通る。どちらも1日数本の運行だけれども、ちょうど17:20の文理・富田橋経由の白浜・三段壁行きがある。バスに乗り込み、運転士さんに「郵便橋を見たくて乗ったのだけれども、暗くならないうちに通りますかね」とたずねる。
 「何でもない普通の橋だよ。まあ、たぶん大丈夫だな」という。数人の乗客を乗せて、田辺駅を発車した。しばらくは明光バスとともに栗栖川へ行くJRバス熊野線のポールが立っている。
 岩崎バス停を過ぎてしばらく行くと、左手に郵便橋が架かっている富田川が見えてくる。郵便創業当時から、この川には郵便物の渡し船があった。その渡し船が橋になり、そのとき郵便橋と名付けられたのだという。
 運転士さんが「この橋がそうだから」「あそこに作り物があったな」などと、教えてくれる。丸ポストの石像や記念碑などが、車窓から確認できた。これだけで十分満足。この路線に乗った甲斐があったというもの。
 当初は富田駅で降りるつもりだった。運転士さんから田辺駅〜白浜駅は経由にかかわらず同一運賃になると教えられる。それなら、白浜まで乗ろう。たしかに、白浜駅の運賃は一気に下がって500円と表示された。
郵便橋のオブジェその2
31.白浜駅18:32→19:00田辺駅(明光バス)500円 和歌山200か・・・9 日野
白浜駅前の明光バス  白浜駅から田辺駅へ戻るのもバスにする。どの経由でも500円なので、行きとは別の経路のバスにしよう。
 18:32のバスは、紀南病院経由の便だ。駅を出てしばらく行くと、どうやら海沿いの県道に出たようだ。もう暗くて景色はよくわからないものの、左手が海になっていることはわかった。
 明かりがきらめくホテルやレストランが目に入ってくる。そんな道の途中で、バスは右折して高台に登っていく。坂道の途中でまた右折する。どこに行くのかと思ったら、その高台に紀南病院が建っていたのだった。
 紀南病院からは、来た道を戻るのかと思ったらそうでもなく、途中の交差点で曲がらずにまっすぐ坂道を下っていった。
 あとはそのまま県道を走り、田辺駅前へ戻ってきた。

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