第15日 〜2006.8.27(日)〜

青森駅→三厩駅前

86.青森駅7:27→8:35五所川原駅(弘南バス)950円(P) 青森200か・247 日野(ワンステ)
青森駅の弘南バス 青森駅バス停  今日は日曜日。弘南バスの土・日・祝利用可能な1日乗車券『ワンバケーションパス』を使おう。1週間前から前売りはしているのだが、通販は不可。営業所などの窓口が開いている時間しか買えない。
 今回は早朝から使うので、購入できないとあきらめかけた。ところが、たまたま知り合いが青森に旅行に来ているとのことで、お願いして弘前のバスターミナルで買っておいてもらったのを、昨夕落ち合って渡してもらったのだ。ちなみに、運賃の後ろに(P)とあるのがパスで利用可能だった路線。
 やってきたバスは、前中ドアのワンステップバス。乗車時間が1時間を超え、弘南バスの中でも利用者・本数とも多い幹線だから、座席数の多い観光タイプかと期待していたのだが、そうではなかった。
 日曜の朝だが、すでに車内に乗客もあり、駅前からも5人ほどの乗った。やはりこの路線、利用者が多いのだろう。たしかに、青森〜五所川原なら鉄道だと川部乗り換えで行かなくてはならない。バスの方が乗り換えもなく、距離・時間とも有利だからだろう。
 大釈迦駅近くまでは、鉄道とほぼ並行して走っていく。国道はバイパス化されて広くなっているところが多いが、バスは一部を除いて集落のある旧道を走っていった。
 大釈迦からは国道を離れ、五所川原への県道を走っていく。大釈迦駅近くの跨線橋を渡るとき、ホームに寝台特急「日本海」が停まっているのが見えた。五所川原市内に入ると、再び停留所には待ち客がいるようになった。
ワンバケーションパス
87.五所川原駅9:00→9:24斜陽館前(弘南バス)570円(P) 青森22か10−45 いすゞ/IK COACH
五所川原の弘南バス 斜陽館前バス停  五所川原駅前のバスターミナルは、薄暗い広間にベンチが並びその脇に窓口がある、ひと昔前のバス駅の雰囲気が色濃い。しかしながら、貼り紙を見ると今日限りで使用停止。明日から改築工事に入るとある。いったいどんな姿に変わってしまうのだろう。せっかくだから、JRの駅舎側から外観の写真を撮っておく。
 せっかくワンバケーションパスを持っているので、これから小泊までの間で、何ヶ所か途中下車しながら進んでいこう。1時間45分かかる小泊までの運賃は1000円だけれども、25分で着く金木までの運賃は590円と、短距離の運賃ほど割高になっており、途中下車の旅は本来かなり運賃がかかる。
 やってきたバスは、前ドアのバス。先ほどより小さくなった。ターミナルでは、このバスの前には高速タイプの青森行きが停まっている。どうやら青森行きは、いろいろな車種が使われているようだ。
 五所川原ターミナルを出ると、バスは国道339号線を北上していく。津軽平野のどこまでも見渡せる風景の中を、バスは走っていく。途中で乗ってきたお客さんは1人だけだった。そんな津軽平野の中を走っていると、いつのまにか金木の街が近づいたようだ。バスは右側の細道に入っていく。どうやら、ここが金木の中心地のようだ。
 やがて車内放送が「斜陽館前」を告げる。押しボタンを押して、降りるとき運転士さんにパスを見せる。乗客も少ないから、ここで降りたのは自分だけだった。でも、降りた斜陽館前には、何台も車が止まり、観光客はたくさんいた。
 全国的には、このワンバケーションパス、あまり知られていないようだが、地元では有名らしい。先ほどの青森〜五所川原線では、五所川原で降りるお客さんの半数は、このパスを見せて降りている状況だった。あまりにお得すぎるから、会社も積極的に宣伝していないのかもしれない。
五所川原ターミナル
見学 津軽三味線会館&太宰治記念館『斜陽館』(2館共通券 900円)
斜陽館  ここでNPO法人かなぎ元気倶楽部が運営している2つの施設、津軽三味線会館&太宰治記念館『斜陽館』に寄っていく。ますは、三味線実演の時間の関係で、三味線会館の方へ行こう。
 入口で、斜陽館との共通入場券を買って中に入る。展示室には、津軽三味線のいろいろな奏法を展示とともにヘッドフォンで聴けるコーナーがあった。これはおもしろい。実演を聴く前にちょっとした勉強になった
 その後ホールでの津軽三味線の実演。今日はまんじ流のまんじ愛華さん他2名の方の演奏。津軽弁のおしゃべりとともに演奏を聴かせていただいた。
 演奏が終わって、通りの反対側にある斜陽館へ。こちらは、しばらく旅館として営業していたものの、旅館廃業後NPO法人が記念館として運営しているのだとか。ある程度お客さんが集まるとガイドもしてくれるというので、入口でしばらく待ってガイドさんとともに内部の見学をする。
 建物の細部は、やっぱり聴いてみないと気づかないところもあり、こういうガイドは有用だなと感じた。
 そろそろ次のバスの時間が気になってきて、バス停へと向かった。
88.斜陽館前11:46→12:24今泉北口(弘南バス) 700円(P) 青森22か12−71 三菱
斜陽館前の弘南バス  やって来たバスは、前ドアのバス。今朝から乗ったのは、日野にいすゞ。やってきたのは三菱。弘南バスは、各メーカーの車両を揃えているのだろう。ただ、小泊に行くバスにはあまり大きな車両は入らないようだ。しばらく行くと金木案内所があった。かなり街の中心地から離れているようだが、しっかりした待合室があるからか、ここから乗ってくる人が何人かいた。
 再び国道339号線に戻って北上する。途中から右手の県道に入って、深郷田駅前を通って津軽鉄道の終点、中里(津軽中里駅前)へ立ち寄る。しかしながら駅前からの乗車はなく、かつて津軽鉄道が終点として目指したという、小泊に向かって走っていく。
 かなり狭い道で、中里の市街地を抜けて国道へ向かう。再び国道を走っていく。十三湖が近いという今泉北口バス停で、このバスを降りる。
 テレビ東京の旅番組で、十三湖のしじみを食べさせてくれる「しじみ亭奈良屋」というお店が紹介されていた。このバス停の近くのはずなのだが見当たらない。十三湖そのものも見えないので、しばらく進行方向に歩いていく。やがて、右側に目指すお店が見えてきた。そして、その左側には十三湖が見えてきた。
見学と昼食 十三湖&しじみ亭奈良屋
しじみ亭 今泉北口バス停  バス停から歩いて5分ほどで、めざすお店に到着した。しかしながら、駐車場は車で一杯。お店は大繁盛だ。入口の椅子に座って順番を待つ。それでも、回転はそこそこ早いようで、15分ほどの待ち時間で座席に招き入れられた。
 注文したのは『しじみ三昧』というしじみのフルコース。これで1312円。本当は写真で見せたいのだが『店内写真撮影お断り』の貼り紙があり、それはかなわない。しかたないので、メニューを書いておこう。
・チャウダー
・バター炒め
・しじみ汁
・しじみ南蛮漬
・しじみ佃煮
・しじみエキス味噌
・しじみ釜飯
・コーヒー
これだけついて、この値段はうれしい。
 しかも、これがまたおいしかった。チャウダーとバター炒めでしじみの大きさが変えてあるなど、料理に応じてしじみを使い分けている。しじみはどれもしじみと思っていたけれども、ここまで気をつかわないとおいしくならないのだろう。
 店の前は十三湖。遠浅のようで、たくさんの人が湖に入っている。岸からかなり離れたところにいる人もいる。いったい何をしているのだろうか。もしかすると、しじみ採りをしているのだろう。場所によっては、有料でしじみ採りができるところもあるようだが。
十三湖
89.今泉北口13:30→14:12小泊案内所(弘南バス) 900円(P) 青森200か・166 日野
今泉北口の弘南バス ライオンブリッジ  小泊行きのバスに乗るのは、これで3回目。今度のバスは、観光タイプの大型バスだった。途中で、リエッセを使った便ともすれ違っていたから、まさかこんな大型がやってくるとは思っていなかった。リクライニングシートのバスがやってきて、ちょっとうれしい。
 バスは国道ばかりを行くのではなく、集落のあるところは国道をそれて細道を走っていく。小泊行きのバスには、全便「下前経由」の文字があり、下前ってどこなのだろうと思っていたのだが、それが小泊の西に延びる小泊岬の集落だということがわかった。
 しばらく前までは細道しかなかったものの、2003年9月に海の上に架かる「ライオンゲートブリッジ」「ライオンベイブリッジ」という2つの橋が架かり、立派な道路でつながった。
 その下前へ寄ってから小泊岬を縦断する道がすごかった。つづら折りの狭い急坂を登って、半島の反対側へ抜けるのだ。その坂道の途中から海に架かる2つの橋が見えた。
 そして、小泊の集落に入っていく。さて、どこで降りたらいいのだろう。よくわからないまま、終点の小泊案内所まで乗ってしまった。
バスのサボ
徒歩&見学 小泊案内所→小説「津軽」の像記念館(約400m 入館料300円)
小泊の地図 津軽の像  次に乗るのは、小泊と龍飛を結ぶ乗合観光タクシーだ。乗り場は、小説「津軽」の像記念館の駐車場だという。しかしながら、その場所がわからない。小泊の街の道は、きちんと縦横に通っているのではないので、適当に歩いては迷ってしまうかもしれない。
 バスで来た道を戻っていくと郵便局が見えた。ちょうどATMを待っている人がいたので、記念館への行き方をたずねる。この先を右折すればいいとのこと。バスの終点にこだわらず記念館へ行くだけなら、1つ手前の学校前で降りれば近かったようだ。
 乗合タクシーの発車時刻までまだあるので、せっかくここまで来たのだからと記念館に寄っていく。小説「津軽」にある、子守役タケを太宰治がたずねたことに焦点を当てた記念館だ。斜陽館でしっかり予習してきたので、展示の内容もよく理解することが出来た。
 そのうち、一段下の駐車場にワゴンタクシーがやって来たのが見えて、記念館をあとにした。
90.小泊14:55→15:39龍飛(小泊観光タクシー) 2000円 青森33あ・・93 トヨタ
小泊観光タクシー 七つ滝  小泊と龍飛を結ぶ観光タクシーは1日2便。2006年の運転時刻は次の通り。
 ・第1便
  小泊8:30→9:20龍飛
  龍飛9:30→10:20小泊
 ・第2便
  小泊15:00→15:50龍飛
  龍飛16:00→16:50小泊
 運賃は1人片道2000円。予約制で予約があれば1人でも運行。
 運転士さんから「時間には早いですが今日は予約がお一人ですから出発しましょうか」と声がかかる。異存はなく数分早く小泊を出発する。
 観光タクシーだから、運転士さんのガイドがある。乗合運行なので勝手なところで停車することは出来ないが、途中の「七つ滝」と「展望台」で下車観光の予定があるという。しばらく行くと、左手に日本海が見えてきた。かつてレンタカーで旅したときはダートのある国道だったのだが、道路が改修されて今では大型バスが通れるようになったという。その証拠に、大型バスが3台ほどすれ違っていった。
 やがて七つ滝に到着。降りて、道路沿いの滝まで行ってみる。上の方から何段にもなって落ちてきていて、下からでは全貌がわからないが、空に吸い込まれてしまうような気がする。
 そして圧巻は展望台。駐車場から階段を登って展望台まで上がると、龍飛の風力発電風車、津軽海峡、そしてその先に北海道の島影がハッキリ見えるではないか。晴れていることもあって、北海道が龍飛からこんなによく見えるとは、予想以上の眺めに興奮して何枚もシャッターを切ってしまった。
津軽海峡と北海道
徒歩 龍飛灯台→階段国道→龍飛漁港(約700m)
龍飛燈台 階段国道  龍飛の乗降場所は、青函トンネル記念館の駐車場なのだが、運転士さんに記念館は何度か行ったことがあるので今日は灯台へ行くつもりだと話しておいたら「灯台へ行くんでしたね。それじゃ、灯台の駐車場まで行きましょうか」ということになった。
 記念館から灯台はちょっと距離があるので、これはラッキーだ。お礼を言って、駐車場でタクシーを降りる。
 まずは階段を登って灯台へ行く。ここからの景色もまたよかった。それにしても、遊歩道ともつかぬ小径を、磯へ下りていく人の姿が見える。あんなところ、通って大丈夫なのだろうか。
 バスは灯台前からも乗ることが出来るのだが、せっかくだから有名な「階段国道」を下りて、漁港前のバス停から乗っていこう。中央に手すりのある階段国道を下りていく。何ヶ所かに、ちゃんと国道339号線の標識が立っている。
 それよりもすごいのは、階段が終わってから。家の路地のようなところが、茶色に塗られて幅2mほどの道が国道なのだ。下の広い道へ出れば、漁港まではすぐだった。
龍飛の港
91.龍飛16:42→17:10三厩駅(外ヶ浜町営バス) 200円 青森200は・・73 日野(ワンステ)
龍飛漁港の外ヶ浜町営バス 龍飛漁港バス停  バスまで時間があったので、漁港の先端にある太宰の碑や、橋で結ばれている帯島へも渡ってみる。バス停には、観光客らしき人がすでに3人ほどバスを待っていた。
 ところでこのバス停。JTBの全国版時刻表には龍飛漁港とあったのだが、実際のバス停には龍飛としかない。漁港であることは一目瞭然なので省いてあるのか、それともこちらが正式名称なのかはわからなかった。ただ、外ヶ浜町のウェブサイトには、ただの龍飛というバス停はなく、やはり龍飛漁港が正式のようなのだが。
 やがて、灯台の駐車場で見かけた、黄緑色のバスがやってきた。ドアが開くとワンステップ。意外とモダンな町営バスだ。観光客を乗せて、左手に海を見ながら走っていく道は、けっこう曲がりくねっていてところどころ狭いところもある。ボディには大きく『龍飛』の文字があり、龍飛村営バス時代から同じバスを使っているようだ。
 やがて学校前のバス停から、中学生がたくさん乗ってきた。なんと全員が体操服を着ている。これが通学服なのだろうか。しかも、この中学生たちは降りるときに「ありがとうございました」と言うだけで、定期券を見せるわけでもない。町営バスだから、明らかに中学生とわかる服装だと顔パスで乗れるのだろう。
 終点の三厩駅に着く前に、中学生たちは自分の家の前のバス停で、1人また1人と降りていく。観光客はみんな終点まで乗ったものの、中学生で終点まで乗ったのは1人だけだった。
龍飛漁港

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