第4日 〜2006.4.9(日)〜

那須塩原駅→白河駅

20.那須塩原駅9:15→9:42広谷地(東野交通)780円 宇都宮200か・454 三菱
那須塩原駅の東野交通 東野交通ロープウェイ行き  青春18きっぷが使えるのも明日まで。早起きして、上野駅での乗り換えもがんばったら、みごと1日1本の青木経由の那須行きに間に合ってしまった。那須塩原駅から黒磯駅まで、まっすぐ行けば390円だが、せっかくだから遠回りして行ってみよう。
 運転士さんに声をかけて写真を撮らせてもらう。車内に入ると「今日はロープウェイが運休で温泉止まりだけど、本来はこれが正しい方向幕なんだ」といって、行き先を変えてくれた。せっかくだからこちらも1枚撮ったのが、上の写真。
 駅前を出て、まっすぐ山の方に向かう。山のずっと手前、那須大学あらため宇都宮共和大学を過ぎたあたりで右折して、1日1本しかバスの走らない道路へと入っていく。雑木林の中、ところどころに別荘や牧場があるようなところだ。青木発電所跡などと書かれた石碑が、車窓からも見てとれる。道路の左側には、那須疎水という水路がずっと続いている。
 那須高原大橋を渡れば、まもなく黒磯からの道と合流する広谷地だ。交差点を左折して、交番もあるちょっとした集落になったところが広谷地だった。
広谷地バス停
21.広谷地9:58→10:15黒磯駅(東野交通)580円 栃木22う11−65 三菱/新呉羽
広谷地の東野交通  黒磯行きのバスを待ちながらポールの時刻表を見ていてら、背後でバスが停まった気配がしてドアが開いた。振り向けば新宿行きの高速バスだった。もう一度ポールの時刻表をよくみれば、ちょうどこの時刻にあるのだった。乗らないという意思表示をして、おとなしくベンチに座っていることにした。
 やがてやってきたのは黒磯駅行きのバスは、2人掛けのハイバックシートが並んだワンロマ車だった。車内は、那須温泉から帰る旅行客なのか、けっこうな数の乗客が乗っている。空席は中ドアより後ろにしかなく、そちらに座っていく。
 先ほど乗ったバスが通った道は、ほとんど人家のないところだったが、今バスが走っている道は土産物屋や食べ物屋が続く、那須のメインロードのようだ。そして、走っている車の数も圧倒的に多い。
 やがて、道路は松並木の中を走っていく。これが、那須街道の赤松林なのだという。広谷地からここまで、ずっと那須町内を走ってきたが、最後に那珂川を晩翠橋で渡り、黒磯のある那須塩原市に入っていった。
22.黒磯駅11:00→11:45追分(那須町営)500円 栃木22せ12−43 三菱
黒磯駅の那須町営バス 黒磯駅バス停  黒磯からは、那須町営バスに乗っていく。駅前には、東野鉄道バスと並んで、那須塩原市営(元黒磯市営)バスと那須町営バスのバス停も並んでいた。発車時刻の少し前に、那須町営バスと書かれたバスがやってきた。フロントガラスの内側に方向幕があり、伊王野・追分と表示しているから、これで間違いなさそうだ。
 黒磯駅からの乗客は、自分ひとりだけだった。日曜日の昼時に利用する人は、もともと少ないのだろう。道路は、比較的狭いところが多い。アップダウンもかなりあり、運転士さんは巧みなハンドルさばきで運転していく。
 やがて伊王野という集落に着く。道の駅に学校や郵便局もある比較的大きな集落で、黒田原駅からここまで東野交通の路線バスが来ている。伊王野と那須塩原市の黒磯駅とを結ぶのが町営バスで、同じ那須町内の黒田原駅とを結ぶのが東野交通というのが、ちょっとおもしろいと思った。
 ここまで乗客は自分だけだったのだが、ようやく伊王野から1人乗客があった。そんな状態も長くは続かず、ほどなくその人も降りてしまい、また自分だけになってしまった。
 あとひと月で端午の節句。あちこちで鯉のぼりが泳いでいるのだが、この辺りは広い土地の真ん中に柱を立てて、そこから四方に縄を張って鯉のぼりの支柱にしている。なかなか豪快な鯉のぼりだ。
 黒磯駅から45分かかって、終点の追分に到着する。道路の脇がちょっと広くなった集落の外れが、バスの終点になっていた。町営バスのバス停やバスのボディに描かれているのは、那須町の花『りんどう』とのこと。
追分バス停
徒歩 追分バス停→栃木・福島県境→関の森公園(約3.0km)
追分 石柱  ここから、県境を越えて福島県白河市の関の森公園まで、約3kmの歩きだ。
 乗用車がすれ違いできるかなという程度まで狭くなった坂道を歩いて行く。追分バス停から歩いて10分もすると、栃木・福島県境にたどり着いた。そこには、追分の明神(住吉玉津島神社)が建っていた。
 那須町の説明書きによると、道中安全の神として古い歴史をしのばせるとあった。この先の旅の安全をお願いして、簡単にお参りしておく。
 道路の反対側には「従是北白川領」と彫られた、いつの時代のものかはわからないが、古い石柱が立っていた。
 いよいよ今回のバス旅も、東北に入ったのだ。そして、福島県にはいったとたん、道幅が倍くらい広くなって、登り坂が下り坂に変わった。
 今日は天気もよい。山間は風も強くないので、晴れた春の昼をゆっくりと歩いていく。やがて右側に銀色のドームをつけた家が見えてきた。何でも、私設の天体観察ドームを作ったお宅なのだとか。
 写真を撮りながらゆっくり歩いて、45分ほどかけて関の森公園に到着した。ところが、そこはすごい数の人と車だった。
県境の神社
寄り道 関の森公園 『かたくり祭り』
かたくりの花 かたくりの花
そば祭り 手打ちそば
そば祭り全景 関跡の神社
福島交通のばす  あまりの車の多さに、駐車場の誘導をしていた人にたずねると、昨日と今日の2日間『かたくり祭り』が開催されているという。青春18きっぷの利用日が終わるからとこの日を選んだだけで、まったくの偶然とはいえいい日に来たものだ。
 広場に鯉のぼりが泳ぎ、脇の建物では、この辺りの旗宿地区の名物、手打ち蕎麦のお店も開店しているという。広場の模擬店にも興味があるが、まずは手打ち蕎麦で腹ごしらい。薬味に山菜が添えられたそばは、かなりおいしかった。その後、模擬店で地元産のカボチャスープなどを飲んでみる。なかなかおいしい。
 出発前、昼食はどうしようかと考えていた。公園になっているのだから、売店くらいあるかもしれないとは思っていたけれども、よい方向に予想が外れてよかった。
 そして、今日のメイン『カタクリ祭り』のカタクリの花を見に、となりの小山に登ってみる。山の中一面というわけではなく、日当たりのよいところにたくさんのカタクリが咲いていた。緑の中の紫色の花は、目が慣れると次々と見えてくる。
 白河の関跡の神社も一通り見学する。説明板を読んでゆっくり歩いて行く。やがてやってきた折り返しとなるバスを、その神社の前で撮影してから、再び関の森公園へと戻っていった。
23.関の森公園15:15→15:42白河駅(福島交通)590円 福島200か・116 三菱(ワンステ)
関の森公園の福島交通 関の森公園バス停  バスは関の森公園で折り返しまで1時間ほどの休憩。運転士さんも車内で休憩しているのか、発車15分ほど前にいったのだが、まだドアは閉まったままだった。
 発車時刻が近づいてドアが開くと、乗客は3名。でも、普段の日曜日なら、乗客はゼロなのかもしれない。
 平日3本、土休日2本という、超ローカル線。それでも、土休日に運転しているだけでも、この辺りの路線バスからすれば異例の観光路線扱いなのだろう。
 途中、特別養護老人ホームのある小峰苑に寄り道した以外は、ひたすら駅へと向かって走っていった。
 残念ながら途中からの乗客はなく、乗っていた3人はみな東北本線との接続駅、白河駅でバスを降りていった。バスは無人のまま、終点の新白河駅へ向かって走っていった。

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