第1日 〜2007.4.14(土)〜

上野原駅→奥多摩駅

1.上野原駅10:25→11:18学校前(富士急山梨バス)900円 山梨22あ14−71 日野
上野原駅前の富士急山梨バス 上野原駅バス停  宮脇俊三氏の著書「ローカルバスの終点へ」にも登場した、上野原駅から飯尾ゆきのバスに乗って今回のバス旅を始める。春・秋の一定期間だけ、上野原から小菅村へバスで抜けることができるのだ。今回はその経路を使って、都県境を越えて奥多摩駅へ行こうと思う。
 とはいうものの、小菅村へ行く臨時バスは1日2本しかない。まずは途中の学校前まで行くことにする。ゴールデンウィーク終了までは、途中の学校前始発の便があるからなのだ。
 駅前には小さな乗車券売り場があり、ハイキングへ行くご婦人グループがバスの時刻を確認している。駅前広場が狭いため、誘導の笛で崖ぎりぎりまでバックしてドアを開けた。前後ともドアを開けたので、ハイキングのご婦人たちは前ドアから乗り込むものの、バスカードを使うので本来の入口である後ろドアから乗り込んだ。
 駅発車時点でかなりの座席が埋まった。河岸段丘を上がって、上野原の市街地に着くと、ここでは買い物を済ませたらしいお年寄りが数人、このバスを待っていた。ほぼ満席になって、上野原の市街地を抜けていった。
 道路は片側1車線のところもあれば、センターラインのないところもある。とにかく直線や平坦なところはほとんどなく、カーブした坂道が続くような感じだ。途中、お祭りをやっている集落があり、そこで何人か降りていった。上野原駅から20分ほどで棡原中学校入り口に到着する。ここでバスは左折して、谷にへばりつくようなセンターラインのない道を進んでいった。
 ところどころに集落があり、そこで少しずつ地元の方が降りていく。ハイキングのグループは、どうやら終点近くまで行くようだ。やがて、少し谷間が広くなり、学校などが見えてきた。ここが、この辺りの中心地でバスの行き先表示にもある西原地区らしい。その西原地区にある、学校前バス停で降りたのは1人だけだった。
上野原駅前のきっぷ売り場
学校前バス停(臨時始発バスのご案内)
学校前に来た上野原行きバス 学校前バス停の張り紙  バス停のポールを見ると、そこには4/14(土)〜5/6(日)の土日祝運転の、学校前始発の臨時便の案内があった。
 このバス、時刻表上は学校前始発となっているものの、乗り場は川の対岸にある『びりゅう館』の駐車場から発車すると書かれている。
 今回は『びりゅう館』で昼食をとって、それから先へ進む予定だったので、ちょうどよいではないか。まだ昼食にはちょっと早いので、乗り場確認のため『びりゅう館』まで行ってみる。
 駐車場にはすでに4台ほどバスが停まっている。上野原駅へもハイカーの下山状況を見て、臨時便を出すのだそうだ。
びりゅう館(昼食)
びりゅう館 薬膳食鶴御膳  川を渡ったところに、水車小屋がある。その傍らで、桜が花を咲かせていた。その先に建っているのが羽置の里『びりゅう館』。なんでも、この辺りを美流沢と呼ぶことから名付けられたのだそうだ。
 中は、地元の物産を売るコーナーと食堂がメイン。そば打ち体験をするところもあるらしいのだが、そちらは完全予約制。狭いながらも絵の展示スペースもある。トイレも清潔で、ハイキングや登山者の通り道になっているようだ。
 バスまで時間があるので、あまり早く昼食をとってもと、物産コーナーや絵を見て時間を過ごす。先ほど乗ってきたバスの折り返し便が来るはずと、バス停まで戻って撮ったのが上段の写真。
 宮脇俊三氏の著書にもあったように、この辺りは長寿食で有名なんだとか。この『びりゅう館』には、薬膳食というのがメニューにあった。さすがに「長寿」と記すのはまずかろうとの配慮だろうか。鶴御膳と姫御膳が1500円、山御膳が1200円。鶴はそば付き、姫はうどん付き。山は麺類なしでごはんのみだ。
 天ぷらやむぎとろがおいしいのはもちろん、たまじという小さな芋の煮ものもいい。何といっても手打ちそばは絶品だった。
びりゅう館前にある水車小屋
2.学校前13:45→14:15小菅の湯(富士急山梨バス)650円 山梨22あ13−54 三菱
びりゅう館前の富士急山梨バス 桜咲く川沿いの道を行く  そろそろ時間と、駐車場でバスを待つ。並んでいるのは、上野原駅への臨時便に乗る人たちだ。乗客の整理をしている、バス会社の方に「小菅の湯」はいつ頃になるかたずねると、2台目のがそうだからもうしばらくという。
 そのうち「まだ時間があるけど、乗ってもいいですよ」という。それではと車内に入り、発車を待つ。もう、バスカードも使い切ってしまったので、前ドアしか開いていなくても大丈夫だ。
 20人近いグループの乗車して、2人掛けの席には空席がない程度の乗車で学校前ことびりゅう館前を発車した。県道に出たのはいいのだが、道が狭くて飯尾方面へは曲がれない。しばらく上野原方面へ逆走する。運転士さんも「回転場所まで反対方向へ走ります」と放送している。
 回転場所はすぐ近くかと思ったら、かなり遠く、バス停を4つも戻った扁盃バス停近くの空き地だった。「あれっ。来た方向へ戻っていくよ」おしゃべりに夢中だったご婦人が突然声をあげた。
 定期バスの終点、飯尾ではワゴン車が路上駐車していてカーブを曲がれない。今日から、この先へ行く臨時バスが運転されることを知らないのだろう。ようやくそこを過ぎて、つづら折りの坂道を登ると、以外にもその先の道は片側1車線で、今までより広かった。
 この先は、鶴峠、終点小菅の湯と2つしか停留所はない。バス停のポールが見えるが、それは小菅村営バスのものだった。
普段は走らない鶴峠
小菅の湯(入浴)
小菅の湯  ここまで来たら、温泉入浴は予定通りの行動だ。ちゃんとザックに、タオルとバスタオルも入れてきた。予定外だったのは、このバスで来ると、降りるときに割引券をもらえることだった。入浴料が500円になるという。
 元々の入浴料が600円だから100円引きかと、受付でその券を渡すと、入浴+貸しタオル(タオル&バスタオル)750円が500円になるのだとのこと。ロッカーのキーとタオルの入ったバッグが手渡された。
 30%以上の割引じゃないか。値段以上に、持ってきたタオルを濡らさずにすむ。濡れタオルを持ち帰らなくていいのは、かなりうれしい。
 温泉は多少混んでいたものの、浴槽の中は十分手足を伸ばすことができた。露天風呂に行ったり、再び内湯に戻ってきたりと、かなりの時間を温泉に入って過ごした。
 バスまで20分ほどになったので、上がって冷たい飲み物で火照った体を冷やす。タオルを返して表に出れば、吹く風がとても気持ちよかった。
3.小菅の湯15:38→15:43田元橋(小菅村営バス)100円 山梨22す40−74 
小菅村営バス 小菅の湯バス停  建物の前に立つバス停のポール。富士急山梨バスとともに立っている村営バスには「小菅村ボンネットバス」と書かれている。ボンネットバスって、そんなの走っているという情報はないぞ。いったいどんなバスがやってくるんだ。
 やがてやってきたのは、遊園地か商店街の巡回バスかというような、たしかに小さなボンネットがついたバスだった。後部は展望デッキのようになっている。
 ドアが開いて車内にはいると、誰もいない。ここから乗ったのは、自分を含めて3人。先ほどびりゅう館から来た人たちは、みな上野原に戻るようだ。
 温泉を出ると、すぐに下り坂になる。その坂道の途中から、隣を流れる川にかかる鯉のぼりが目に入ってきた。何でも最初の年は、ワイヤーが切れたり、鯉のぼりが絡まったりと、トラブルがよく起こったのだとか。年を重ねて今ではトラブルなしに川を渡る鯉のぼりが眺められるのだという運転士さんの話だった。
 そんな話を聞いていられるのもわずか。坂道を下って橋を渡ると、もうそこが田元橋だった。村営バスと西東京バスの接続は、時間によって違う。村の東端近くの金風呂で接続する便と小菅の湯近くの田元橋で接続する便がある。こちらは後者の便だったのだ。
 この先は西東京バスと路線が重なる。もう少し先まで乗って乗り換えたいが、定刻だと乗り継ぎ時間はわずか。奥多摩駅へ行く西東京バスは1日4本しかない。予定通り田元橋で降りた。
川を渡る鯉のぼり
4.田元橋15:47→16:27奥多摩駅(西東京バス)880円 八王子22か・694 日野
田元橋の西東京バス 奥多摩湖ロープウェイ廃墟  待つこと4分ほどで、奥多摩駅行きの西東京バスがやってきた。車内に乗客はおらず、村営バスから乗り継いだ3人が好きな場所に座っていける。
 川沿いの曲がりくねった道を走っていく。それでも、センターラインがある道で、対向車とのすれ違いは大型車でない限りは大丈夫なようだ。
 やがて金風呂バス停を過ぎる。本当に、ここが山梨県の最後の集落のようだ。少し走ると都県境があった。東京都に入ると、小菅川が広くなり奥多摩湖になったようだ。
 実はこの先の車窓に、ちょっと楽しみにしていたものがある。それは1962年1月から5年ほど運行して休止してしまった、奥多摩湖ロープウェイの廃線跡が見えるというのだ。
 注意してみていると、たしかにロープウェイの鉄塔が見える(写真左下)。まだケーブルも張ってある。そのケーブルを目で追っていくと、対岸の中腹に三頭山駅の廃墟が見えるではないか(写真右上)。
 東京都内で、これだけハッキリ残っている廃ロープウェイが見られるとは思ってもいなかった。確かに、湖を横断するだけ。ほとんど高低差のない路線だからこそ、廃止から40年以上経っても残っているのかもしれない。
 バスが空いていたのはここまで。湖畔のいくつかのバス停では、待っている人が何人もいた。そしてダムサイトにある奥多摩湖バス停では、列を作って待っていた。ここからは立ち客もたくさん出て、終点の奥多摩駅へと向かって曲がりくねった坂道を、バスは走っていった。
奥多摩湖ロープウェイ廃墟

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