第2日 〜2007.7.26(木)〜

池原→奥津駅前

7.池原8:21→9:48湯盛温泉杉の湯(奈良交通)1900円 奈良200あ・143 いすゞ/北村
池原の奈良交通 池原バス停の待合室  スポーツセンターから景色を眺めながら、ゆっくり歩いて15分ほどで池原バス停に着いた。かつては、ここが車庫か営業所だったようで、車庫と待合室のある建物があった。
 待合室に「池原」とバス停名が打ち付けられていて、杉の湯方面の道路上にはポールがない。車庫の前はそれなりの広さがあるから、いったんこの敷地に入って待合室前から乗車できるに違いない。そう考えて、やってくるバスを道路脇で待ち構える。
 やってきたのは、北村ボディのトップドア車だ。奈良交通には北村ボディの小型バスが、まだかなり残っておりどこかで会えるのではないかと楽しみにしていたのだ。本当は、特徴的な前後ドア車に乗ってみたかったのだが、トップドア車も希少な存在だ。
 バスが走る国道169号線は、北山川の谷間を走る道。山は高く谷は深い。直線区間がほとんどない、カーブが連続する国道だ。乗客は池原から乗った2人だけだったが、上北山村の役場がある河合と、その先の天が瀬で数人ずつのまとまった乗車があった。
 北山川がだんだん細い川になり、やがて峠越えの新伯母峯トンネルに入る。そのトンネルを抜けると、大台ヶ原への分かれ道のわさび谷バス停を通過する。さらにいくつかのトンネルと伯母谷ループ橋で高度を下げ、今度は吉野川の谷間を走っていく。 その先の柏木という集落は、国道をそれて狭隘路へと入っていった。そこからしばらく走ると、少し山の傾斜がなだらかになったかなと感じる。国道も広くなりトンネルを抜けたところにある、大きなホテルの隣が終点の湯盛温泉杉の湯だった。
池原の車庫で折り返す
8.湯盛温泉杉の湯9:52→9:59大滝ダム学べる建設ステーション(奈良交通)0円(池原から通し)奈良22き・637 日野
湯盛温泉杉の湯に並ぶ奈良交通 湯盛温泉杉の湯バス停  湯盛温泉杉の湯バス停は、ホテル杉の湯の前ではなく、ホテルの横にあるバス数台が停められる小さなバスターミナルだった。
 すでに、次に発車する78系統大淀バスターミナル行きとその次の85系統八木駅行きが停まっている。そこへ大台ヶ原行きの特急バスがやってきた。これがまた、小型バスのトップドアのリエッセ。特急バスというから観光タイプかと思ったのだが、かなり狭い山道を行くようだ。
 池原方面からここで乗り継ぐ場合は、通し運賃が適用されるとのこと。かなりの人が、次に発車する大淀バスターミナル行きに乗り継いだ。
 バスを乗り継ぐということは、ここから先はバスも大きくなるのだろうと思っていたのだが、待っていたバスは意外にも同じような大きさのバスだった。
 湯盛温泉杉の湯を出ると、すぐに川上村役場バス停を通過する。この辺りは新しい建物が多い。大滝ダムの建設に伴い、水没地区から移転してきた人たちの新しい住宅が建っているのだろう。
 今日は、この先の行程がなかなかむずかしかった。榛原駅からのバスが15時過ぎまでなく、どこかで観光タイムをとりたい。にもかかわらず、バスの本数はどこも多くはない。本当は杉の湯で入浴できればよかったのだが、ここの日帰り入浴は11時にならないと始まらない。
そこで、今日1回目の観光タイムとして、大滝ダム学べる建設ステーションバス停で降りることにした。右手にその建設ステーションの入口と杉の湯方面のバス停が見えた。しかしバスは停まらない。上市方面のバス停はそこから少し坂を下ったところだった。池原からの通し運賃は、湯盛温泉杉の湯までと同じ1900円だった。  
湯盛温泉杉の湯の奈良交通
見学 大滝ダム学べる建設ステーション
大滝ダムの建設案内図 大滝ダム  1965年に建設事業に着手してから、ダム本体のコンクリート最終打設されたのが2002年。その後も、試験湛水中に地滑りが起こり、現在は試験湛水を中止し地滑り対策を行っている大滝ダム。
 実に399戸が水没し、475世帯が移転しなければならないという、巨大ダム工事なのだという。そんなダム建設の様子を見学できる施設として、1996年4月に開館したのが「大滝ダム学べる建設ステーション」なのだそうだ。
 できあがったダムの資料館ではなく、建設中の様子を見てもらおうという趣旨は、やはり反対も多かった巨大プロジェクトへの理解者を増やす目的もあったのだろうか。
 駐車場からすぐのところに、小さな案内所があるのだが、そこは無人。荷物を預かってもらえるかもという期待ははずれ、荷物を持ったままシンボルモニュメントの「オオスギノトウ」を囲む螺旋階段を上っていく。さらに、コンクリートの階段を上ると、ようやく建物が見えてきた。
 入口を入るとすぐに受付があり、パビリオンのコンパニオンといった感じの女性が迎えてくれる。入場無料なのに、この立派さは何なんだと戸惑う。
 平日の午前中ということで、入館者は自分だけ。建設概要のパネルを眺めていると、受付にいた女性が「大雨体験してみませんか」と声をかける。1人なのに悪いなと思いつつも、させてもらえるというならお願いしよう。備え付けの長靴に履き替え、頭からポンチョをかぶる。「雨が強くて耐えられなくなったら前の扉から出られますから」と説明されて、体験室に入る。だんだん強くなる雨。滝のような雨というのはこういうものなんだと実感できた。
 2階から外を眺めると、謎の廃モノレールが見える。先ほどの説明パネルにも、モノレールなんてものはなかった。受付でたずねると、残土運搬用につかったもので、当初はすべて撤去する予定が予算の都合で一部残っているのだとか。
謎の廃モノレール
9.大滝ダム学べる建設ステーション11:15→11:30新子(奈良交通)400円 奈良22き・632 日野
大滝ダムの奈良交通 大滝ダム学べる建設ステーションバス停  階段を下り、坂道を少しくだって、先ほど降りたバス停へ向かう。下り坂の途中でちょっとカーブしているので、うっかり通過されてしまわぬように、予定時刻が近づくとバスの来る方に注意する。
 なかなかバスは姿を現さず、3分ほど遅れてようやくやってきた。手を挙げると、バス停用のスペースへと入ってきた。先ほどと同じ、日野の小型バスだ。先客はなかった。
 先ほどの大淀バスセンターゆきバスは樫尾経由で、国道169号線の五社トンネルを抜けて宮滝へ向かう。この八木駅ゆきバスは国樔経由。この先の西河口で国道169号線を右折し、吉野川の流れに沿って走る県道を行く。国樔の集落を抜けると、県道から国道307号線を走り、吉野川の流れに沿って宮滝へ向かうバスだ。このバスに乗って、国樔の集落にある新子というバス停へ向かう。
 県道に入ると、センターラインのない1.5車線といった感じになる。対向してくる車も、ぐんと少なくなった。依引バス停を過ぎると、吉野川に赤いトラス橋が架かっていた。
 南国樔バス停で、ようやく2人のお客さんがいた。と思ったらお婆さんは見送りで、小学生らしい男の子が1人で乗り込んできた。
 小さなトンネルを抜け橋を渡ると、そこが国樔の街並みだった。左折すると、道の両側に商店や人家が建ち並んでいる。銀行の支店もあり、それなりの規模がある街のようだ。そんな街並みの中に、車庫もある新子バス停があった。
バス車窓風景
10.新子12:19→12:53古市場水分神社前(奈良交通)810円 奈良22き・469 日野
新子の奈良交通 新子バス停  ここでは、乗り継ぎ時間が50分ある。これだけの街並みなら定食屋かソバ屋くらいあるだろう。簡単に昼食を済ませようと歩き出したのだが、外食の店がない。
 電気屋とか布団屋とかはあるのだが、飲食店が道沿いにないのだ。醤油の醸造元とか酒屋はあるのだけれども、もしかすると1本奥の道ならあるのだろうか。時間だけが過ぎてしまい、結局バス停近くのパン屋で菓子パンを2つ買ってお腹をごまかす。
 車庫の中には、先ほどと同じ小型バスが、榛原駅の行き先を出して停まっている。あれが次のバスになるのだろう。ちょっと違うのは、屋根の上に丸いスピーカーが2つ載っていること。接近を知らせる音楽でも流しながら走っているのだろうか。
 やがて時間になり、車庫の中のバスが道路沿いのバス停のところまで進んできてドアを開けた。この路線も1日3本(途中乗り換えでもう1本)しかないローカル路線。この便が榛原駅行きの直通最終バスなのだ。乗客は自分だけで新子を発車した。
 バスは吉野川の支流、高見川の谷間を走る県道16号線を走っていく。20分ほど走ると、東吉野村の中心鷲家バス停を通るが乗客はなし。その先の佐倉峠で宇陀市に入る。トンネルのない峠を越えると、山もなだらかになって緩やかな下り坂を行く。
 バスは菟田野地区に入ってきた。実は、このまま榛原駅まで行っても乗り継ぐバスには時間がある。奈良に住む友人に、どこかおすすめはと聞いたところ。大宇陀が最近古い街並みで売り出し中だから、歩いてくるとよいと教えられた。天気もよいし、実行しよう。
新子の車庫
11.古市場水分神社前13:21→13:28大宇陀(奈良交通)280円 奈良22き・466 日野
大宇陀に着いた奈良交通 古市場水分神社前バス停  友人がアドバイスしてくれたのは、もう1つある。菟田野町から出ている桜井駅行きが大宇陀を通るけれど、菟田野町バス停は街外れの空き地で何もない。榛原駅行きと桜井駅行きは、菟田野町〜岩崎東口で経路が重なるから、どこか街中で乗り換えた方がよいということだ。
 そこで事前に地図を見て、郵便局にも近く市街地にある古市場水分神社前で乗り換えることにした。乗り継ぎ時間には、バス停の名前にもなっている、宇太水分神社(本殿が国宝)を見ながら郵便局まで往復してきた。
 やってきたバスは、先ほどと同じ屋根の上にスピーカーを載せた小型のバス。先ほどと同様、とくに音楽など流さずにやってきた。このスピーカー、今は使われていないのだろう。
 バスは緩やかな起伏のある国道166号線を、まっすぐに走っていく。途中、1人だけ乗客が待っていた。乗車時間わずか7分ほどで、国道370号線との交差点に行き当たる。突き当たりが、道の駅「宇陀路大宇陀」になっており、そこの駐車場が大宇陀バス停になっている。
 バスは道の駅に入り、一般車用駐車場の脇の広場でぐるっと回転して停まった。降りたのは自分だけだったが、ここで待って人は数人いた。その人たちを乗せると、桜井駅へ向けて出発していった。
 発車していくバスの写真を撮る。巻き込み防止用のタイヤカバーがついている、奈良交通独特のスタイルをようやく写真に納めることができた。
大宇陀を出る奈良交通
大宇陀の街並みをサイクリング
大宇陀の古い街並み うどん屋さんでは切手を販売中  道の駅で500円払って、レンタサイクルを借りる。ここでの乗り継ぎ時間は1時間10分ほど。古い街並みは、それほど遠いわけではない。通り抜けて、先のバス停から乗るなら徒歩でも可能なのだ。
 でも、せっかくのバス旅、降りたバス停でできることなら乗り継ぎたい。ということで、自転車で出発する。
 その街並みは、幅4〜5mの国道370号線にあった。ほぼ平行して国道166号線が走っているから、こちらを通る車は少なく自転車でのんびり走っても大丈夫だ。
 新しい家もあるが、格子のある古い家がかなり残っている。製薬業で栄えたところだそうで、豊かな街だったのだろう。写真左上は黒壁の格子の家と、その隣の奈良漬けのお店。左下は古い家をそのまま使用している簡易郵便局。立っているポストも、丸ポストでした。
 そんな中、「まっちゃま」という町屋うどんカフェの前に、メニューと一緒に貼られた「大宇陀の切手有ります」という文字を発見。何だこれはとよく見れば、まだ持っていない写真付き切手じゃないか。 さすがに菓子パン2つでは昼食にはさみしい。おいしいきつねうどんをいただきながら、切手のはなしを伺う。もちろん、購入するのも忘れない。
 そろそろバスの時間が近い。お礼を言って店を出る。自転車を返して、大きなバッグを受け取ると、短い時間ながらなかなか充実した大宇陀サイクリングができて、大いに満足した。
 次のバスは、ここ大宇陀始発。そろそろ来る頃かもと、発車時刻より早めに待合室を出てバスを待つことにした。
古い街並みの簡易郵便局
12.大宇陀14:34→14:51榛原駅(奈良交通)400円 奈良22き・374 いすゞ/IK COACH
大宇陀の奈良交通  やってきたのは、大型のキュービック。これだけの車長になると、そのまま出発できないからか、小型バスとは違い最初から出口に向かって斜めに停車をした。この位置ならきれいに写真が撮れるぞと、ちょっとうれしい。
 行き先表示を変えると、すぐに乗車用の後ろ扉を開けてくれた。車内に入ると、冷房が心地よい。数人の乗客を乗せて、定刻に大宇陀を発車した。
 国道166号線をまっすぐに走っていく。途中からの乗車もけっこう多い。内原というところで、国道166号線が左に折れてしまうと、右折して平行していた国道370号線へ進路を変え、榛原駅を目指す。
 今度はゆるやかなカーブの道になったけれども、辺りは田園地帯。アップダウンもほとんどなく、快適に走っていく。駅へ向かう便だからか、本当に途中停留所からの乗車が多い。ほぼ終日、1時間に2〜3本走っている路線だから、それなりに日中でも利用者が多い路線なのだろう。
 乗車して15分ほどすると、ビルなども増えいよいよ駅が近いなという雰囲気になってきた。
13.榛原駅15:11→15:59掛西口(奈良交通)980円 奈良22き・・76 いすゞ/IK COACH
榛原駅の奈良交通 雨の狭隘路を行く  ここからは、宇陀市の東側にある曽爾村に行くバスに乗る。隣といっても峠越えがあり、本数も1日5本(土休日は4本)しかない路線だ。待ち時間は20分ほどあるものの、乗り場を確認するとどうやらすでに停まっているのがそうらしい。
 バスが出る4番乗り場に行ってみると、すでに曽爾村役場前と行き先を表示したバスが停まって、何人か乗っている人もいる。自分もさっそく乗り込むことにした。
 半分くらい座席が埋まり榛原駅を発車する。宇陀市民病院に寄り道して、その後はほぼ国道369号線を走っていく。ただ、ずっと国道を走っているだけではなく、集落があると脇の細道へと進路をとる。そこがまた、狭隘路のことが多い。
 そんな脇道を走っているとき、突然大雨になった。山の天気は変わりやすいということなのか、榛原駅を出るときは曇ってはいたものの、雨の気配などまったくなかったのだが。そんな雨の中「こりゃ困ったな」と言いながら、ぽつぽつとお年寄りの下車が続く。
 この先、終点まで行かず掛西口というところで、御杖村のバスに乗り継ぐ予定だ。接続時間はわずか。しかしながら、少し遅れているようで心配になる。まあ、多少遅れても接続はとるはずだと、頭ではわかっているのだけれど。
 掛西口を告げる放送が流れると、誰かが降車ボタンを押した。自分以外にも乗り継ぐ人がいるようだとわかっただけで安心する。やがて目の前に、薄紫色のバスが停まっているのが見えた。あれが御杖村のバスのようだ。
掛西口で待つ御杖村のバス
14.掛西口16:00→16:41神末敷津(御杖村)200円 奈良200さ・904 日野/J-BUS
敷津に着いた御杖村バス 集落内の狭隘路を行く  掛西口で乗り継いだのは、自分を含めて4人だった。そのうち一人は、女子高校生。榛原の学校まで、毎日通っているのだろう。
 曽爾村は、ここから県道を行ったところが村の中心。国道369号線は、御杖村を東西に走っている。ということで、このバスは国道369号を走っていく。
 ところが、坂を登った土屋原畑井というところから、左側の細道に入っていく。その先もそうなのだが、国道を走る区間がほとんどない。半分以上が、そんな国道から少し離れた狭隘路を行くのだった。
 土屋原○○というバス停が続き、土屋原笹及を過ぎて国道に戻ったときには、乗客は自分だけになっていた。そこからは桜峠を越えて役場前までは国道を行く。
 役場を出ると、中学校や郵便局のある狭隘路へとバスは進んでいく。夏休み中だからか、中学校前から乗ってくる生徒はいなかった。多少道が広くなったのは、菅野際土良、泰原といった辺り。
 その先で国道を横断して、さらに先に進んでいく。そこが、極めつけの狭隘路。自転車が来てもすれ違えない、リエッセ1台がやっとの道だ。そんな道を走って、敷津上村というところまで行った。ここが枝線の折り返し地点で、来た道を戻る。途中で軽自動車とにバックしてもらって行き違う。
   すでにバス停に敷津の名が現れたけれども、道の駅もあり三重交通との接続バス停、神末敷津までは上村からさらに10分かかった。
敷津バス停
入浴 敷津の温泉・姫石(ひめし)の湯
姫石の湯の温泉スタンド 姫石の湯  ここから乗り継ぐ三重交通バスまで、1時間20分ほどある。交差点のところにあるのが、道の駅「伊勢本街道 御杖」と併設の温泉「姫石(ひめし)の湯」。
 計画当初から、バスの待ち時間はここで入浴と決めていた。入浴料は600円。露天風呂も含めて、いくつかの浴槽があり、ほどよく楽しむことができた。
 まだ時間があるので、湯上がりビール。まあ、今日はあと1台乗るだけだから、飲んでもミスはしないだろう。
 ビールを飲んだこともあり、余裕を持って発車15分ほど前にバス停へ移動を始める。
15.敷津18:10→18:25奥津駅前(三重交通)350円 三重22き・655 いすゞ/富士重工
敷津の三重交通 奥津駅前バス停  ここは奈良県御杖村。乗車するバスは、三重交通。三重県の名張駅と伊勢奥津駅を結んでいる路線だ。ほぼ全線、国道368号線を行く路線だ。
 この国道は、地形の関係でいったん三重県から奈良県に入り、この敷津地区を通って再び三重県に入る。そんな国道のおかげで、奈良県にいながら三重交通の路線に乗り換えることができるのだ。
 名張からすでにかなりの距離を走ってきたにもかかわらず、わずか1分遅れただけでバスは姿を現した。先客は、若いお兄さん1人だけだった。
 敷津から奥津までは、下り坂が続く。国道とはいっても、まだ拡幅工事をしているところが多く、バス1台がやっとのところが多い。三重県に入って、ようやく片側1車線の道になる。
 この道は、大和と伊勢を結ぶ伊勢本街道と呼ばれた道で、多くの参拝客が往来したのだという。ただし、旧街道は現在の国道より南側を通っていたとのこと。
 三重県に入ってしばらく行くと、母子連れがバス停に待っていた。1日3本しかない路線だが、ちゃんと利用者が待っている。先客もいたし、まだバスを必要としている人がこの路線にはいるのだと、ちょっとうれしく感じた。
 やがて、国道から右側のバス1台がやっとの細道に入っていく。終点の奥津駅前は、JR名松線の伊勢奥津駅前のこと。この奥津というところは、伊勢本街道の宿場町として栄えたところのようで、いまでも古い建物が残っているという。そんな、宿場町の面影を残す狭隘路を通って、バスは終点の奥津駅前に到着した。
 明日からは三重交通にお世話になるからと、3000円のバスカードを買って運賃を支払う。折り返しのバスは名張までは行かず、途中の飯垣内止まりだという。
折り返しは飯垣内ゆき

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